プロローグ《異世界への扉》
とっても、とっても、ひさびさの投稿です。
ホントご無沙汰しています(笑)
感想がほしいのでよろしくお願いします、です。
人を一言で表すのは難しい。
俺は思う。
霊長類ホモサピエンスヒト科という種族には、個性、というのを認められている。だから、難しいのだ。外見と個性で二つの示すべきものがある。この二つを同時に示す、など無謀だ。
だから、一言で表そう、としたとき、人は個性だけで表そうとする。
また、それも難しいから名前、と呼ばれるものを使う。だが、個性だけで表した方が解りやすい、と思うのだ。
百聞は一見に如かず、という言葉がある。実際に見るとおそらく、最も早く正確に相手を知ることができるであろう。それはあくまで外見だけなのだが。だが、百聞も聞き方によって情報量が変わる。百回名前で示されるより、内面を一つ知った方がよっぽどその人を知ることができると俺は提唱する。むしろ、内面に関して言えば一見よりも相手を知ることができる。
では、ここで俺、平賀日比斗を一言で示すことにする。
俺の特徴は、引きこもりであり、二次元をこよなく愛するアニオタであり、そして不登校生でもある。こんな真昼間から外を出あるいている進学校の高校生は俺くらいだろう。
一般人に向かって唯一誇れるものとしたら……理科ができるくらいであろう。
これに関しては不登校ながらも、授業を受けてないにもかかわらずどんなテストを受けてもトップクラスで返ってくる。学年5番以内の成績で。
さて、俺の特徴はこんなものだ。
この特徴をまとめると、俺ならこう呼ぶね。『引きオタ』とか、と。
さてさてさて、貴方に、ここまでで一つ、矛盾を感じなかったか? と、問うてみる。多分お気づきであると思うが、引きこもりなのに真昼間からであるいているということ。俺が外出した理由は特装版でゲームを購入するため、それだけである。
それだけだったが、何故か近道を通るはずが、大きく迂回して行き来しなくてはならなくなった。勿論買い物は必要最低限、欲しい物だけ買って速攻帰宅。これ引きオタのモットー。早くエアコンのガンガンに効いた部屋で買ったゲームをしたい。こんな真夏の東京ではそれしか考えられない。
いや、もう一つ考えることのできることがあったな。
「暑い……焼ける…………」
そう、そんな、夏に対しての不満であった。
「年中春ならいいのに」
そう口から漏らす。
「本当にそう思うのかい?」
ああ、そうだよ。俺みたいな引きオタには夏の暑さ耐性なんかないよ。ゲームみたいに自由に耐性を付加できたらいいのに。
「じゃあ、そんな、一年中春の世界に行きたいの?」
あるのなら行きたいね。でも俺は引きこもるからあんまり関係ないけど。
「仕方ないわね……」
そう声がしたと思うと目の前にとんでもない美少女がいた。
二次元か、ここは……?
そう思うほどであった。俺はもしかして暑さに負けてとうとう幻覚でもみ始めたのであろうか。そう心配した。いや、おそらくそうだ。その少女の服装は春用の制服であった。いわゆる合服、とよく呼ばれるものだ。そして、スカートは結構ぎりぎり。本当に二次元ヒロインくらいしかこんな着方しないだろ? そう思うほどであった。そして決まりつけはそのマントのような黒い布を羽織っていること。こんなもの、羽織っている人のほうが少ないであろう。というか、現実世界で羽織っている人はコスプレーヤーとかしかいないだろ、普通。そして容姿。何というか……女神、とでも呼ぶべきか? 腰まで流れている銀色の髪がとても印象的で、顔もすごく整っている。ただし……貧乳…………。だが、俺には関係ない。貧乳であろうと巨乳であろうと俺は、俺は萌えられる……ッ‼ そして……
こんなかわいい子、現実にいる筈がないじゃないか‼
そう、そうなのだ。こんな子はいる筈がない。俺はその意見に全力で肯定する。だが、二次元のヒロインも現実に存在しないのだ。では、俺はどう行動すべきか。
現実にいなくてもそれが見えるなら勝ち‼
これが俺の結論であった。
現実にいなくたって、もともといないものに欲情している俺には無効じゃないか‼ だから俺はこの子に欲情したって関係ないじゃないのか‼ 胸の大きさなんて関係ないじゃないか‼ 俺はこいつに萌えている。それだけでいいじゃないか。
「触れたい……ッ‼」
思わず言葉を漏らす。
そうすると、彼女(?)の頬が赤く染まる。
「ばっかじゃないの? もうあんたは強制送還ね」
は?
どういうことだよ‼
よくわかんないけど俺拉致られるの?
マジ嫌なんですけど‼
「じゃあ、ちょっと、お願いですご主人様、って言ってみて?」
そうすると、解ったわよ、と一言。
そして、
「って無理無理無理無理、無~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~理ッ」
そして俺は思った。
こいつ、可愛いッ‼
「こんなに可愛いいなら貧乳でも関係ねぇ……‼」
あれ?
空気が固まった。
そして、表情が硬くなって……
「あんた、さっきなんて言ったの?」
ゆっくりとした口調が聞こえた。
これ怒っているよね?
そう考えていると、なんか彼女の手からバキって聞こえた。
怖いわ、これ。
「早く、いいなさい。怒らないから」
はい、そうですか。
仕方ないですか、これ。
怒らないって嘘ですよね?
「こんなに可愛い?」
いいえ、とゆっくりと顔を横に振って
、
「その後、なんて言ったの? あたし、少し耳遠いみたいなの。だから、その後のこと、言ってみて」
あ~口調は嘘つけても、顔は嘘つけないんですね?
言ったら殺すですよね、はい。
言わずにいても殺される。
俺の本能が警鐘を鳴らしている。
どうせ殺されるなら、言って死んでやる‼
「胸が……」
くそ、やっぱり怖い……‼
マジ怖いぞ。
それこそお化け屋敷とかとは比にならないくらいに。
本当にお化けの出る墓に肝試しに行くより怖いぞ、これ。
まあ、そんな場所行かないけど。仮にあっても行かないけど。そんな物騒な場所。
「あたしの胸が、どうしたの?」
笑っているが、確実に怒っている。
確実に繕っている。
それが解るくらいまで怒っている。
「……貧乳――」
あ、なんか飛んできた。
こいつ、野球とかやったらプロとか余裕じゃねぇの、と思うほどの、剛速球で火の玉が飛んできた。
ん? 火の球?
「次、外さない。お前、許さない」
あ、片言。
確実にキレているわ、これ。
「すまん、俺、貧乳派だ」
そういうと、表情が一変する。
顔が真っ赤になって、
そして、
「な、何こっち見てんのよ……この、この、この……」
こうゆう時って……定番は……
「この?」
そう、そしたら……
「この、この、この、エロ豚~~~~~~~~~~~~ッ」
・・
彼女(?)は、もう知らない、とか言って消えていった。
可愛かったのにな……。
殺されなかったのはよかった、のか?
いや、あんな美少女に罰を与えられるのは本望じゃないか、とか思っている自分が怖い。
これじゃ唯のドMじゃないか‼
俺は、オタクだし、MでもSでもいけるけど? でも嫌じゃない?
だって、やられたらもうアニメ見れないかもじゃん⁉
だが、暑い、という事実は変わらず。
暑い……ッ‼
水欲しい……
「あら、この下に水あるわよ?」
目の前にいたのは……
「女神⁉」
そう。
それとしか表現できない。
幻想的なほどまでに美しい黒い髪。
そして、服装もマジで女神。
顔も人間のものとは思えない程のもの。
特に、溢れだしそうなその巨乳。
これ、ホンモノ?
そう思うほど。
しかし残念ながら彼女が指しているのはマンホール。
確かに水はあるけど……。
「どうしたのかしら?」
これは……‼
腕を組むとにより一層胸が強調される。
これを……これを…………‼
触らないってこと、オタクとしてできるわけがない‼
俺、『引きオタ』は決意した。
死んでもその胸に触る‼
そう思い、俺は彼女のもとに向かう。
どうせこれも幻想。
俺が暑さに負けているだけ。
だが……
俺はここで触らないと絶対今世紀、後悔し続ける‼
だから、俺は歩み寄る。
彼女の胸に。
これは……デカい。
マジでデカい。
こんなもの始めて見たッ‼
俺はこれを見れて幸せ者だ。
そう本気で思った。
もう少し、もう少し。
あと数十センチ。
あと、触るだけ……。
「この、この……」
あれ?
この声、聞いたことがあるような……。
「エロ豚ァ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
俺の背後からローキックが飛んでくると同時に、俺は重力加速度で加速しているのを感じた。こんなの人生初、何だからねッ‼
そして、俺が最後に見た文字は、危険立ち入り禁止の看板であった。