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○の叔父  作者: 朝倉義政
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おっさん改め殿の屋敷に逗留させてもらっている間は、最低限の礼儀作法を仕込まれることになった。と言ってもそこまで難しいものがあった訳でもない。元々身に着けていた物に、このヒャッハー時代に合わせた物を追加していくだけで事足りた。

問題は孫三郎様と四朗様の相手だった。孫三郎様は今年で7つ、四朗様は今年で4つと割合俺と年が近い。それ故か遊び相手として妙に気に入られてしまった。屋敷に来て二日目の午後からはほとんどこのお二人の付き合いで終わった。結構無茶な遊びも教えたが、まあ大丈夫だろう。

そして今日ついに義父上の屋敷に引き取られたのだが


 「義父上」

 「なんだ幸吉?」

 「なんなですがこれは?」

 「“掃除”の結果だ」


 義父上様の屋敷にはほとんど何もなかった。しかし蔵の中には米や銭、金銀などが唸っていた。

なんぞこれ?

 義父上は詳しく教えてくれなかったので、家事を行いに来てくれているお手伝いさん(おとしさん。32歳。既婚)に教えてもらった。

 まず褌一丁の一勝義兄上を始めとした男子全員を褌一丁にし、家臣の小塚備前を監視役にしてその日の内に家から叩き出した。そして津島の商人に連絡し家財を処分して上で、一勝義兄上に金を貸した土倉(金貸しだと思われる)を呼び出した。

 やってきた土蔵を待ち構えていたのは褌+晒オンリーの義父上だった。博打の借りは博打で返すと豪語した義父上との勝負により土蔵は完敗。逆に身ぐるみ剥がれて、自らの財産を差し押さえしたそうな。強すぎでしょ。

 どうしても気になったことが有ったので聞いてみた。


 「イカサマっていいですね」

 「だな」


 鬼だこの人。

 かくして今我が家には、ただいま商家1軒分の財産がある。どうすんだこれ?

 来歴と経緯はともかく、お金があるのはいいことだ。

 そんな義父上には足を向けて寝られない。1日3食の生活。何と素晴らしい事か。1日3食、大事なので2度言いました。もうすきっ腹を抱えて丸くなることも、どう見てもヤバげな茸を食べて死にかけなくていいのです。

 でもまぁ、肉は出てこないので気持たんぱく質が足りません。ちょくちょく鳥捕って食べています、雀とか鳩とか鴉とかそういった類のを。方法は簡単石投げて仕留める。実にグット。

 この技能はこっちに来てから死ぬ気で磨いた技能の1つでしょう。山で獣を狩ったり、川で魚を取れば半殺し~全殺しだが、畑に害をなす鳥どもは駆逐しても問題ない。1日に2,3羽取れればいい方だけども、貴重な食料。骨も残さずいただきます。骨髄美味しい。


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