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マイマイのターン!

この回の後半は混沌としております。あがり症と言うか、ベビに睨まれたカエルと言うか、天敵愛梨へ頑張って迷走するポンコツ新米教師のカオスさが伝わればと思います。

次の回で収集がつく……はず?

目を醒ますと知っている天井だった。

……まぁ、当たり前なのだけどね。

ほら、クラスに溶け込めない私に同情して神様から異世界に招待されても不思議じゃないと思うんだ。

更にチートな能力を貰って、コミ症でも友人を沢山を作れる異世界に私は迷い込むの。ハーレムモノは見るのは楽しいけど、いざ自分がとなるとね。リアルでなら遠慮したい。

召喚された国が悪なのが最近のセオリーだよね。その中でもお姫様は純粋で良い子だからその子と私は友達になる為に魔王を倒しに行く。でも魔王も良き友人になれそうな人格者。それで姫様と魔王と三角関係の親友になり、複雑な関係でバラバラになりかけた私達。でも召喚した国から邪魔な私達三人を始末しようと攻撃を受けて立ち向かい三人に絆が生まれ共に戦うハーピーエンドとかありだよね。

だから毎朝起きる時に期待が高まるのだがもう一週間以上も神様から音沙汰がないとなると神様からはまだ私は大丈夫だと思われている可能性があり、異世界招待は諦めが必要なのかもしれない。

私だって、やり尽くしたMMOゲームがあるのだ。そのキャラの姿を借りて異世界で友達を作っても良いと思うんだけどね。どうかな?

うん。現実逃避はこれで終わろう。







ところで仲良しグループでいつメンと言う言葉を知っていますか?



知らない貴方は私の同志であるでしょう。やったね!



実は私も昨日知ったのだけどね。

隣で騒ついていた女子生徒から聞こえたのだが【いつも集まるメンバー】で【いつメン】と言うらしい。

リア充達は一週間も経たない内に自分達のコミュニティを作り出し、新規御断りのお友達グループをいつの間にか作成していた。

草食系のがり勉クラスと思ったけどシッカリと個性もあり、気がついたら私以外は複数のグループが出来ていた。

そして、あの生真面目な女子生徒は委員長へ昇格しクラスの纏め役になっていた。

一気にこのクラスのカースト体制が決まった瞬間だった。

つまり、私はボッチで底辺だ。



だが、そんな私にも関わりがある唯一の生徒がいる。それは伊達さんだ。

その伊達さんも色々と問題がある。隣のクラスから事ある毎に勝負事を挑んでくる。必ず絡んでくる。

3日目にスーパー特進クラスの実力を知る為にテストがあったのだが、その一限目が終わると伊達さんが凄い勢いでこの教室に来て、勝負よ!なんて言い始めるから周りは遠巻きに逃げてしまった。

仕方ないので頷き、5日後に帰ってきた回答を見せると伊達さんはぐぬぬと唸って悔しそうに次は負けない宣言して走って帰って行った。

……だから、走っちゃダメだって。


そんな感じで伊達さんからの勝負を適当にあしらい、伊達さんはいつもぐぬぬと悔しそうにしている。そして、問題はと言うのは伊達さんは向こうのリーダー格らしく私との勝負はクラス代表的なノリみたいで仕掛けられどちらのクラスが優れているのか周りが注目してきて困る。

私は平穏が一番なのだ。


だけど、いつの間にか私は伊達さんの悔しがる顔を見る事に楽しみを覚えてしまい、あの表情を見る為に伊達さんからの勝負は負けられなくなった。

毎回来られて困るのなら負けて仕舞えば問題が解決すると思ったのだが一生懸命な伊達さんを見ると手を抜くのは何か違うと感じた。

私も何だかんだ言って伊達さんに充てられているのかもしれない。



『お前がいると本当に面白く無くなるよね』『つまんなーい』『空気読めよ』



……うん。きっと充てられただけだ。

伊達さんもきっと勝てなくて面白く無くなりいずれ勝負は仕掛けなくなるだろう。










さて、私のクラスの紹介もしよう。

うん、紹介する友達が居ないからクラスメイトを紹介する訳じゃないのだよ?

伊達さんの周りはインテリ系の生徒が多いのに対して、私のクラスは私を始めとして地味な子が多い。

しかし、地味な子が集まったらその中でも比較的地味じゃない子がスイーツ系女子に見えるのが視覚のマジックだと思う。

そして、そのスイーツ系女子擬きはこの一週間で役割を務めるかの如く、派手になってきている。そして、そのスイーツ系女子擬きの1人が私の前の席だ。

私の席は窓側の端なので接しているのは隣の席と右斜め前の席とスイーツ系女子擬きの席だ。

クラスの紹介をしようと思った理由は梅林先生に職員室に呼び出しを戴いたからだ。


初めに隣の席の男子生徒は純草食系ガリ勉男子だ。授業中、私は周りを観察したり、窓から外を見たりと真面目じゃないのに対して隣の純草食系ガリ勉男子は黙々と黒板を写し、先生のお話を聞き逃さないと言う具合で必死なのだ。特に私が彼に視線を向けた時なんかも私を気にせずに先生のお話を食い入る様に前だけを見つめて固まっていた。

面白かったから私に気付くまで見ていたが授業が終わるまで彼は前だけを見つめていた。凄い集中力だった。

その後も10分休みや昼休みも私の隣で何かの参考書を解いていたりと1日通して勉強をし続けている。彼はきっと東大を目指しているのだろう。今から目標があるのは良い事だよね。でも昨日から彼は休んでいる。急性胃腸炎らしい。アレだけずっと必死に勉強をやっていたのだ。少しは休養も必要だろう。


さて、斜め右前の男子生徒はいかにも気が弱そうな草食系ドラッグ男子だ。日曜日の夕方に出てくるとあるアニメの青い唇の長○君をイメージ出来る男の子だ。

私が消しゴムを落としてしまって彼の席まで取りに行った時だった。私の顔を見ると急にお腹を押さえ始めたのだが鞄の中から大きめの小物入れを取り出して何かの薬を飲み、落ち着いていた。どうやら私の席の隣の彼と同じく胃腸炎持ちらしいが彼は健気に通っていた。だがしかし数日前に胃潰瘍になり、入院したらしい。


そして、私の敵のスイーツ系女子になりかけの子も胃腸炎になったらしい。私の周りでは胃腸炎が流行っているらしい。皆はウィルス性の胃腸炎かな?なので私もうつらない様に気をつけないといけない。

多分、その話をされるのだと思う。










「そのね、八神さんは気づいてないかもしれないけどね、私は思うの。コミュケーションがその……アレでね。えーと……そう!八神さんは周りとコミュケーションが取れてないと思うの」



そんなの言われなくても知ってるよ!梅林先生はいきなり私の心をガツンと抉りにきたぞ!



「ひぃっ、八神さん。せ、先生を睨まないで」



職員室に入り、深妙な表情の梅林先生から頂いた一言目は私に喧嘩を売っているとしか捉えられない。

私のクリスタルハートを粉々にしたいのなら、もう帰りたい。



「違うのよ。そのね、えーとね、私が言いたかったのはね。八神さんとね」



椅子に座っているので前回と同様に梅林先生は下からオドオドと見上げる感じだ。そして、私は梅林先生を冷めた目で見下ろし見ている訳で少しイラついた私を見て、梅林先生は必要以上に威圧を感じている可能性が高い。言葉もしどろもどろになっているし、涙が溜まってきている。



「八神さんは、その……物静かだからね。それでえっと、少しね、うん、ほんの少しだけ話しかけ辛いらしくてね、もう少し、クラスに打ち解けた方が良いと思うの。前の席の谷口さんや隣の席の石上君や今日も休んでる斉木君もね?仲良くね?」



……2回目のトドメ入りましたー

温厚な私の眉間も流石に寄る事態になってきた。

打ち解けれるのなら打ち解けたいに決まっている。

先生に舌打ちっぽい事をした辺りから皆から避けられ、伊達さんが毎日絡んでくる頃には遠巻きにされている。

もう、距離感がとか言えるレベルじゃなくなっている。どうやって周りと仲良くなれるのかがもう分からない。



「ほら、八神さんは喋らないから何を考えているか伝わり辛いと思うの。まずは自分を伝える事から始めない?」



梅林先生は自分なりに纏まった言葉を伝えたつもりのようだが意味か分からない。遠回しに何かを伝えようとしているのは分かるけど分からない。

このポンコツ先生は何を言っているの?っと言う私の気持ちが伝わったらしく、また梅林先生は迷走する、



「えっと、だからね、その、が、がっ……が」



……もはや、収拾がつかない状況になってきた。

私は一体何の為に呼ばれたのだろう。

だからねとかそのと言う言葉が多くなり、何かを言おうとしている。

逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。と言う言葉が梅林先生を見ていて浮かんだ。



「が、がつーん!!」



本当に急だった。梅林先生は大きな声でそう言った。その言葉が合図で周りもシーンとする。



「ちがっ!いや、言いたい事は違わないけど違うの〜!」



……もう帰って良いのかな?そう言えば、昼休みは伊達さんが来る予定だった。今、クラスに伊達さんが私が居なくて、ぐぬぬって唸っていると思うと、、、



「……ッチ!」



思わず心の声が口から鳴るのは仕方なかっただろう。


そして、やはり梅林先生は泣いてしまった。


……本当にどうしよう。

後半へ〜続く

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