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初めての発言

クラスとは言葉の意味にすると特定の分類に別れたひと塊であり、学校で使われる意味は生徒の集まり、学級である。






ふむ。何故私がその様な説明書じみた事を言うのか皆さんは疑問に思っているでしょう。


学校をいや……高校生活を満喫充実させるにはクラスが一番重要と言えよう。


さて、何を此奴は言っているのだ?と思った人。



よろしい、ならば戦争だ。君はリア充だ。私の敵だ。うらましいなんて思ってないんだからね!う、うぇ〜ん。


……ふぅ、少し興奮してしまった。


話を戻そう。クラスがそんなに重要だと思わなかった人は部活動やクラブ活動や野外での趣味の活動など様々な人付き合いがあるからそう切り捨てられるのだ。


私の様に誰かに強要されないと人付き合いが出来ない本物のボッt……内気な人が部活動に自主的に参加出来ると思っているのかい?参加出来ていたら友達居るよ!

……いや、クラブ参加しても浮いて小学生の頃友達が出来なかったから例外もあるのか。私がいると面白くなくなるらしいのだ。


とりあえず、私は部活動には入らないのでクラスで失敗してしまったらもう終わりなのです。




そして、初めに言った言葉の通りこのクラスはスーパー特進クラスと呼ばれ、外部生の中でもトップクラスで30人2クラスに分けられている。

スーパー特進生徒は60人居て、先生の独断でクラスを振り分けられている様で伊達さんとは別クラスだ。

特定の分類とは即ち勉強だ。ここに居る生徒はがり勉をしていた者が多いだろう。

つまり、私は既に特定の分類から外れた訳だ。

おっかしいな〜。こんな筈じゃなかったのだけどね。

次に趣味を合わせたら良いのではと思い、周りの会話を聞くと部活動の話や習い事の話、48人の中で誰が好きなど私が分かる話は全くなかった。

オタクな私ならどの会話には不自由しないと思ったがリアルの話はちょっと土俵違いだった。


それに席も今回は問題があった。小説やアニメでよく見かける初めての席は名前順で似た名前同士で親しくなるイベントを期待したのだけど違った。

受験番号順みたいで私の名前が置かれた机は前から2番目で丁度真ん中の席になり背のデカい私は目立つ。

背後から黒板が見え辛いよねと相談の話し合っている声が丸聞こえなのだけど私は振り向かない。

周りも私を見て何か話しているけど知らない振り。

周りを見て私が睨んでいると思われない為の予防だ。

決して悲しくて周りを見渡せないんじゃないんだからね。


しばらくして、やっと先生がやって来た。

凄く若い女性の先生だ。



「は〜い、皆さん注目で〜す!これからこのクラスの担任になりました、梅林麻衣子と言います。今年から正式に教師になりまして、このクラスが初めての担任になるので私も皆さんと同じです!よろしくお願いします!」



梅林先生の挨拶が終わり、皆さんも自己紹介しましょうとニコニコと初めてのクラス恒例行事を勧めてきた。

左から順番に背後へ自己紹介が私の有無を言わさず始まる。

私も覚悟を決めて自己紹介に臨もうではないですか!

皆が自分の名前を言った後に趣味ややりたい部活動を付け足すと言う、自主性の高さはやはり優等生が多い証拠だろう。

私の番になり吃りながら名前を言う。



「……ゃ、八神……愛梨」



言ってやった!言い切った!

私が名前を言い終え席に着くと沈黙が広がる。


……何だろうこの空気?


梅林先生が次と言ってくれたおかげでスムーズに自己紹介は終わり質問タイムとなる。


その質問タイムの時に窓側の一番後ろの生真面目そうな女子生徒が目が悪いので前の席と交代して欲しいと言った。梅林先生は少し悩んで私に変わってあげても良いと聞いてきたので頷き、後ろの席に向かう。私が近づいてきて生真面目そうな女子生徒は怯えて謝られた。

……私ってそんなに怖いのかな?


誤算があったのは後ろの席から黒板がボヤけて見えない。

日々、目にはお世話になっているので気がつかなかったがパソコンやゲームで視力が低下しているようだ。

……メガネが必要だね。

目を細めてなきゃ黒板が見え辛いのは難点だがこんな良い席を譲って貰えるなんてあの生真面目そうな女子生徒に感謝だね。


早くホームルームが終わらないかと思って過ごしていたら目が合った梅林先生から教壇へ呼ばれた。

私は何かしたかなっとビクビクしながら梅林先生の隣へ立つ。

梅林先生は小さかった。

私の胸辺りしか身長がなくて梅林先生は私を見上げなきゃ顔を見れない訳で私は見下ろさなければ顔を合わせられない。



「え〜と、八神さんは実は今回のテストで1番だったのです。なので最優秀の新入生として入学式の挨拶に選ばれました!その、えーと」


ずっと何を言われるのかと梅林先生を見つめていたら梅林先生が涙目になってきた。



「その、あっ!八神さんは部活動とかには興味ありませんか?」



私はありませんと口を開こうとするとこの沈黙して気まずいこの場で私の舌がなった。

……要するに舌打ちですな。

私のバカー!何でこのタイミングでなるの⁉︎

もう私がイライラしている様に見えるじゃない!

緊張して口の中がカラカラになっていただけで間が悪かっただけなのよ。



「ご、ごめんなさいね、八神さん。貴方に急に席変わってなんて言って、不愉快だったよね?今度から気をつけるからに、睨まないでね。本当にごめんなさい」



あ、あれー!

これって私悪者じゃない?

……先生泣いちゃった。

周りも私と目を合わせない。

私はどうにもならないこの状況で静かに席に戻った。



こうして、私はクラスの第一印象は失敗したのであった。


……メガネを買って帰ろう。

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