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入学式 兄との再会

伊達さんからの唐突に次は負けないとよく分からない宣言をされて、逃げられた日以降また私は日々の日常に戻った。所謂いわゆる引きこもり生活だ。


兄は何かの活動をしている様で平日祝日関係なく夕方にいつも帰って来る。なので必ず弁当は作った方が良いとお母さんに言われているので今だに我が家のブラウニーは健在だ。





本当に何もない日々だがそれが良い。まったりと日々を過ごして何が悪い。私はのんびりと日々を日常を満喫しているのだ。


私の日常の一コマはソーシャルゲームやパソコンのMMOをしたり、ゲーム仲間と掲示板で話したりと意外に充実している。


そう言えば、ここ数日は動画で【踊ってみた】シリーズにハマっていた。久々に見ると面白い。伊達さんに似た子が踊っていたのが切っ掛けだ。マスクしていて顔の判別を分からなくしていたが伊達さんのそっくりさん発見と見ていたら次々飛んで沢山の【踊ってみた】をついついクリックしてしまった。

私もいつもダン○ボで指を踊らせたり、【脳内で踊ってみた】は良くやっているが踊って投稿するの凄いと尊敬する。


後は以前アマズンで高校1年の参考書など20冊位適当に購入したのを問いて日々が過ぎていった。










そして、入学式の当日会った伊達さんのツンケンとした態度に思わず伊達さんらしいと感じて、心の中で苦笑してしまう。


新入生代表は席が特別らしく、新入生の皆と離れた席になっている。私も伊達さんと並んでちょこんと座って入学式の始まりを呆然と終わるのを待っている。


ただ、問題があるとしたら、その特別席に私の兄がいる事だ。





さて、もうそろそろ避けていた兄の話をしよう。

兄と学年や外部生だからとの理由で接点がなく関わらないと言う事はまずないだろう。あれだけ目立つ容姿の兄なのでいずれ私との関係がばれてしまう。

既にこの学校に入った時点で関わらないと言う選択が消えてしまったのだ。


私はただの大人しいオタクだ。周りにオドオドしながらビクついている、か弱い女子高生だ。

うん、女子高生って響きいいね。


私の記憶が正しければ、兄の周りには常に人が沢山いた。

誰からも親しまれ慕われ崇拝される。


……本当にフィクションの世界の人みたいだよね。


私の知らない所で嫉妬されたり憎まれたりされているかもしれないが私から見た兄は綺麗な世界にいる。


昔は髪が長く異国の王子様風だったが前回視認した時と変わらず、私と同じ黒髪なのに重たく感じないちょっと短髪系で普通の表情だとワイルドな雰囲気だ。背も高く私が兄の肩辺りになるので兄は185センチ位はあると思う。そして、笑顔になるとやはり爽やか系のイケメンフェイスだ。

兄は常に誰に対しても穏やかな笑顔だ。人当たりが良いとも取れるが、だからこそ兄に沢山の人が集まる。私も昔は表情があったはずだけど大人になるにつれて、笑わなくなった。

だが、あの出来事以降、兄は私には寂しげな笑顔や困った笑顔を向けられた。


いつもの優しい笑顔はなくなり、私は段々と引きこもる様になった。兄と会うのは久々だ。




今回は入学式なので兄も表情はいつものデフォルト笑顔では無く真面目な表情だ。


ボーッとしていたら、ついに私達新入生代表の番になった。伊達さんと共に教壇へ上がり、校長先生の前で礼をする。

校長先生へ伊達さんが考えた挨拶を読みあげるが私は周りの視線が一気に私へ集まっているのを感じビビってしまい、内容がふっ飛んだ。


後でどんな挨拶したのって聞いたら怒られるかな?


すぐにこの場から離れたい私に校長先生も私達へ気分良く演説が始まる。

もう、羞恥心で死ねると思ったね。

話が終わり、最後に生徒会からの花束が贈呈されますと校長先生から入学式初めて聞き取れた言葉で横を向くと兄がいた。



……兄は生徒会だったんだね。知らなかったよ。


道理で特別席にいたんだ。隔離されていた訳じゃなかったんだね。



兄はと変わらず同じ様に優しく微笑み、私へ花束を渡した。

その瞬間、特に上級生の人達が一気に黄色い声が広がった。

私が脅える位大きな声だ。

周りの先生達も静まらせようと鎮圧にかかるがしばらく上級生達の騒めきはこれは止まらないだろう。

内気な私には今後、この様な大役はなく、平穏な学生生活を送れる事を祈ろう。


ザワつきが少し収まった所で私はちゃんと席に戻り、役目を果たした私はうとうとしながら入学式を終えた。

これからお世話になるクラスへ向かい、担任とクラスメイトとご対面だ。

それにしても今だにザワつきがあり私を見て、上級生の人達にヒソヒソとされてしまう。兄から花束を貰う行為でここまでヒソヒソされるなんて、兄があそこまで人気あるのが問題だよね。


うん、兄は昔から人騒がせなのだ。


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