7 生存
この主人公って過激ですよねー
え?お前が言うな? ・・・いいじゃん
「はっはっはっ…」
荒い息のまま賢司はあたりを見渡すと、そこは深い森の中だった
目を閉じて息を落ち着けて言う
「さて、復讐とは言ったが、おそらくいまの俺たちではあいつらに太刀打ちできないだろうな。まずは実力をつけるのが先決だと思うが…どうだ?」
「………」
「返事ぐらいしてくれないか…?」
と振り返る
そこには―――誰もいなかった
「んなっ…!」
愕然とする賢司
(転移魔方陣は完璧だったはずだっ!なんでだっ! …まさか強制の鎖とかいう魔法の影響で陣が歪んだのか?)
『おそらくそうだと思われます、主よ』
(そういえばお前がいたな、これはどういうことだ!答えろ!)
『転移暴走により主含む4人は別々のところに転移したと思われます。現在位置は先ほどの王城から西に10000kmほどの位置となります。』
(他の奴らは?)
『私は主の知覚によって成り立ちますので、目視あるいは情報がないと判断できません』
(チッ。仕方ないか。おい、この世界の常識はわかるか?)
『はい。王城のものから情報を得ておりますので可能です―――』
………………
まとめると、
時間関係は地球と同じ
礼儀作法は特に変わりない
人間以外にも知恵のある種族が集団を作っている(妖精族など)
宗教は唯一神リュパスを崇めるリュパス教
多数の神が存在するというデトール教 の二つが主
貨幣の単位は鉄貨1000で銅貨1
銅貨100で銀貨1
銀貨10で金貨1
金貨以上の単位は情報がないのであるかどうか不明とのことである
そして最大の問題は、魔物と言われる存在がいることである
「ガルルルルルッ!」
賢司が魔物について考えていると首が二本ある犬がいきなり襲ってきた
不意を突かれた賢司は地面を転がって避けて、光の玉を産み出して
「行けっ!!」
とカウンターとばかりに放った
およそ時速100kmほどの速度で放たれた球は二首犬の首の間に吸い込まれるようにあたり
―――そのままぶち抜いて、犬はまるで鈍器で強烈に殴られたように吹き飛びながら内臓をぶちまけて飛んでいった
「・・・は?」
威力こんなに高かったっけ・・・?
『私の能力補正がかかっておりますので』
あ、そう。そうなのか。
『参考までに、発現前と比較しておよそ10倍ほどの差があります』
うん、わかった。賢者がすごい能力ってことが
『お褒めいただき光栄です』
とりあえず、この世界は人間にやさしくない世界だということが分かったな。
このそばに村か町かないか探そうか。
うーん、説明口調が止まらない
誰か止めるいいアイデアないですか?
え?自分で考えろ?
・・・はい