6 真実
『あの球は闇の魔力を固めただけのもっとも単純な物です、主の光の玉をあてれば相殺できます』
『能力をコントロールしているのはあの赤い目ですので、まずはそこを狙うべきです』
『体に魔力を纏うと素早く動けます。攻防ともに能力が向上します』
・・・これ発現して思うけど、マジで便利だ。
称号なんだよな?と思ってステータスを見ると、さっきまでなかった場所に能力なんて欄があって、そこに『賢者』とあった
これも後で尋も・・・質問だな
さて、こんな余計なことを考えて魔族はどうなったかって?
じつは絶賛☆戦闘中なんだが、どうやら思考速度がとんでもなく早くなっているようで、同時にいくつものことをできるようになった。
その結果、いくら魔族が速かろうと回避し反撃を叩き込めるようだ
あ、すでに目は破壊している。勇気に目をつぶすように言ったらためらいなく目玉を切り裂いていた
あいつも魔力を纏っていた。
・・・魔力鎧とでもいうか。
しばらくして、あの苦戦は何だったのか、というぐらいあっさり魔族を倒した俺たちは、しばらくそこで放心していた。
広間―今や広間跡地とでもいうべき場所だが―に少しづつ戻ってきた兵士、それに続いて官僚、大臣、そして姫と王
というか姫は死んでなかったのか。運が良かったんだな
強制転移させた弘美と隆ももどってきて、四人になった彼らは顔を見合わせる
不思議なことに鈴がもういないことを知っている彼らは、そのことを理解しているのに涙は流していなかった
ただただ心に大きな空洞が空いていた
そんな彼らを広間に集まった皆が見つめていた
そして王がこう口を開く
「勇者、いや犯罪者どもよ、よく聞け」
「なっ!?」
「貴様らはこの栄えある王城に魔族を呼び込んだばかりか、われら王族の身を危険に晒し、戦うふりをして聖女を始末し、この国に多大な混乱をもたらした!!!!」
「何を言ってんだよてめえはっ!!!」
勇気が怒鳴る その眼には先ほどはなかった涙があった
「っふ。犯罪者風情が勇者というのも笑える話じゃがの。勇者どもには仕事があるのでな、処刑だけはさせぬ。」
「ふ、ざ、けるな!!!!!!!」
と隆が怒号を上げる
まさに烈火のごとく 空気が震えた
しかし王は全く動じず
「やれ」
と一言控えていた魔法使い風の者たちに命じた
その時賢司は気が付いた
全員の口が三日月のように歪んでいたことに
(まさか、最初から仕組まれていたのか(・・・・・・・)!)
その瞬間、賢司はある魔法を放つ
同時に魔法使いたちから魔法が放たれる
「転移!!!!!」
「「「「強制の鎖!!!!!」」」」
(くっ!制御が、でき、ない!)
「すまん皆転移が制御できない!バラバラに吹っ飛ぶ!またいつか会おう!そして、復讐だ!」
「転移!逃げるのか!!!おい魔術師どもさっさとしろ!!」
「あの魔力を抑えきれません!逃げられます!」
「グズが!」
そういうやり取りを聞きながら、賢司たちは足元の魔法陣からの光に包まれその場から消え去った
はい
国王はクズって設定
やりたかったんです
公開はしています。反省はしていません