3 魔法
勇気ってバカですよね
実は賢司さんより勇気が好きなのですが
主人公は賢司さんです。
「まずは勇者さまはベインス様が少しお話があるそうなので、後ほど謁見の間までご案内させていただきます。他の方々は侍女を呼びますのでそちらについて行ってください」
「わかった。それと一つ聞きたいんだがいいか?」
と賢司が言った途端、首筋にナイフをあてられ、
「姫になんという口をきくのか。死にたいのか?」
という声がした
「やめなさい、リーン」
「しかし・・・」
「いいのです、それとも私の言うことが聞けませんか?」
「・・・っ わかりました。おい勇者の仲間、姫が寛大であらせられることに感謝するんだな」
と声がするとナイフがどかされるが、賢司の背後には終始誰もたっていなかった。
そう、呼ばれて部屋に入ってきた侍女の手から放たれたナイフが空中にとどまっていたのである
「マジでっ!?今のって魔法なのかっ!」
と勇気が騒ぎ出す
俺が殺されかけた方に注目はしないんだな、おい
「勇者様がたも魔法をお使いになることはできますよ。そうですね、勇者様のお話が終わったら魔力適正と魔力量の調査をいたしましょうか。」
「姫様!このような礼儀もわきまえないものにそのようなこと!」
「リーン。この方々は勇者さまですよ、それのご友人でいらっしゃるような方に失礼です。」
「・・・」
賢司たちが唖然としている中、ファン姫はリーンを叱責しはじめる
(失礼っていうか本気で殺されかけたんだけどなぁ。この世界はかなり身分制度が厳しいのか?ただ魔法が存在するってのは見逃せないな。俺の称号にあった賢者に補正でもあればいいが・・・
だいたい召喚しておいてこの仕打ちはないだろう。
すぐにここを出ていくのがいいか?いや、こいつらをほっていくのも考え物だ。)
「大変申し訳ございません。それでは案内させていただきます。」
お、やっとか。リーンってやつも粘ったが・・・。この姫笑ってるのに圧力がすごいな。勇気なんか完全におびえてるしなぁ
そして城のある部屋に案内された賢司たちが魔法についていくつか質問し、それの回答をもらっていた
曰く 魔力というものが存在し、魔法はイメージ力によって行使する
例えば火球を作って飛ばすのも可能だし、火の蛇を作るのも可能。ただ魔力の放出
量が足りないと発動に時間がかかる
曰く 魔力は基本無色だが、火球を生成するときにイメージしたものに必要なものより多く魔力を放出すると、その種類により色が変わる
曰く 魔力が切れると死に至る 魔力が減少するにつれ疲労感、倦怠感とともに体力が削られる
曰く 回復魔法には即時回復するものと肉体の回復力を上げるものがあり、即時回復魔法では時間がたつとその傷がだんだんと開いてくる。蘇生魔法は術を行使するものの寿命を削って分け与えるものであるので多用はできない
ということであった
また、適正はどの系統の魔法が使えるかを示し、魔力量は使える魔力量を調べられる
ただ、魔王を倒して世界を救ったりするRPGのように、魔法によって使用するMPが一定ということがないので、魔力切れは体感で覚えるしかないということではあった
隆の、それって練習の時に一線を越えたら死ぬってことだよな?という質問に
「そのような間抜けは戦場ではすぐに死ぬので。死ぬのが早くなっただけです」
と返されて隆たち三人は顔を青くしていた
賢司も背筋が凍る思いをしていた
その空気をぶち壊すかのように勇気が
「おーう!帰ってきたぜーっ!」
と部屋に入ってきた
どうやらファンと打ち解けたようでタメ口で話しているのを見たリーンがぴくっとナイフに手を伸ばしかけて止めていた
「それじゃさっさと魔力測定ってやつ?やろーぜ!!」
説明口調になって申し訳ないです。もう二話ぐらいは続きます
賢司さんはまだ普通より優れた程度の学生です