16 面会
鑑金をしてもらった後、ギルドマスターとの面会の整理券をもらった
整理券は木製だったが割符になっているのでなくしたり壊したりしたら結構な額の罰金がとられるらしい
しばらく受付さんに問い詰められたけれど、上の人に通すべき話だ、と言い続けたら引いてくれた
お金は皮袋に入れられて渡された
ギルドの出口を出ると、さっそくスキンヘッドだったり強面だったりするオニイサンたちが集まってきたので、俺と背丈の似ている黒髪の人に自前の皮袋をそっと括り付けて魔法を使った
(イメージは光学迷彩、だったな。・・・よし。絶対このお金狙いだよなあいつら、金がほしいなら働けばいいのにな)
『不死者の街』へ移動している間に、暇だったから光に魔力を流してみると一気に魔力を持っていかれて魔力がかなり減ってしまった。
その時に気が付いたが、光は秒速約30万kmつまり速すぎるから、魔力を込めようとした対象は1秒後には30万キロむこうにいる。
遠くのものに魔法を作用させると魔力を多く使うから、光を操るのをあきらめかけたんだ
その時に思いついたのがこの光学迷彩だ
「光じゃなくて俺を透過するようにできないか?」
そう、魔力の対象を光じゃなくて俺自身にすることで、俺は透明になれた
まだ色を変えるのには成功できていないけれどそのうちできるはずだ
・・・お、あのオニイサンたちは気が付かなかったみたいだ
「よお、そこの黒髪のニイチャンよお、ちょーっと顔かせよ」
「えっ?ぼ、ぼくですか?」
「俺たちからちょっとオハナシがあるからさぁ、こっち来い!」
「なんですかいったいやめてくださいっ!」
「うるせぇ!黙ってついてこい!!」
・・・ちょっと罪悪感あるけど、引きずられていくあの人がうまく切り抜けることを祈ろう
ここの周りはファンタジーな髪の色の人がよくいるから黒髪の青年がいてよかったな!次は気を付けよう!よし!
銀貨一枚払ってギルドの個室で一泊した次の日
『ギルドマスター面会待ち合わせ室』という部屋に通された俺は、横のおっさんと話していた
「おうお前はどこでギルマスと知り合ったんだ?俺は町で探索者にからまれたときに助けてもらったんだよな!いやーあの時のギルマスは本当に輝いて見えたよなかっこよかったしなぁ、そういえばお前知ってるか?この町の子供が鳴りたい職業NO.1がギルマスなんだぜ!すごいよなあのお方は!そうだなぁお前………」
よくしゃべるやつだった
ギルマスの前に通された俺は、開口一番にこう言った
「昨日は申し訳ありませんでしたっ!!!!!」
ギルマスは、身長が俺と同じぐらいで黒髪の日本人みたいな風貌をした方で
つまりが昨日皮袋括り付けた人だった
もうすぐ10000PV
作者は嬉しくて悦んで…もとい喜んでいます




