11 狩り
主人公はチートです(今更感)
さて、と
ライアさんに借りた銅貨10枚を返すために仕事でも探しますか
…よく考えたら探索者って何なんだろうか
遺跡でも探すのかね?
困った時の『賢者』だな
(で、わかってるか?)
『はい、主。探索者とは各地の遺跡に潜り、財宝を取ってくる者の総称です』
ふむ、ダンジョンなんてあるのか。それは強くなる修練にちょうどいいな
というわけでやってきましたダンジョン前
目前に広がるは大森林なんだが…
途中から深い霧に覆われているようで、そこから先に進むにはギルドの関門を通らないといけないようだ
とりあえず小手試しに行ってみようか、としたその時
目の前に大柄なスキンヘッドの男が来て話しかけてきた
「よう坊主、お前どうやら新人のようだな!」
「はい、そうですが」
「やめとけやめとけ、この森は霧の向こう側が魔窟でな、そこから時折えげつない魔物が湧いてるんだ。死にたくなかったら南の洞窟にでも行った方がいいぜ」
ナンダッテー
「ご忠告ありがとうございます、そうさせてもらいます」
「おう!無駄死にはもったいないからな。ああ、俺はキンスってえんだ。坊主はなんつーんだ?」
「ケンジと申します。では、また会う機会があれば」
「あいよ!そんときゃ酒でもおごってやるぜ!」
さあ出直すか
というわけでやってきました南の洞窟、正式名称はリップの洞窟だそうだ
名前の由来は、ここにはリップという魔物がたくさんいるらしい
かなり弱く、普通の大人なら頑張れば倒せる程度の強さしかないらしい
問題は、見た目が気持ち悪いということだ
毒々しい色の、唇が異様にでかいカエルを想像してほしい
…体調1.5mのものだが
一言でいうなら
すごく…ヌメヌメです
としか言えないような外見だから近づくのもためらわれるが、俺は魔法使いだからいいカモだった
その日の夕方、ギルドのカウンターへそのカエルの素材として有用な部分をもっていった。
全額で銅貨15枚だった
これで借りが返せるな
とりあえず今日は宿をとることにしてカウンターで聞いてみた
「済みません、宿を取りたいのですが安くておすすめのところは知りませんか?」
「それならギルド施設をご利用ください。個室で一晩銀貨1枚、雑魚寝大部屋で一晩銅貨10枚です」
「あの…ほかにそれ以上安いところは…?」
「朝起きたときに身ぐるみはがされててもいいのならばありますが…おすすめはしませんね」
当たり前だっ!
「わかりました。雑魚寝の方で一晩お願いします」
「承りました。48階の奥の部屋です」
「…はい」
また階段上るのかっ!!!
そして返済はまた遠のいたようである
依頼板みたいなのはなくて、依頼はギルドから探索者に直接いくという形態です
だって不審者や荒くれ者に依頼を受けられるとか怖いじゃないですか




