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休み明けのメガネ

 月川高校1年5組は俺が通っているクラス。

「未来。夏休みはどうだった?」

 未来というのは俺の名前で、正確には二宮未来にのみや みらい。そして、話しかけてきた男は、佐々木透ささき とおる。俺と同じ軟式野球部で、キャプテンをやっています。

 1年にして透がキャプテンなのは、この春俺たちによって設立した部活で、最初のほうは部活を設立するのは大変だと思っていたし、そう簡単にはいかないと思っていたんだけど、とんとん拍子に話が進んで始動した。

 これも全て、担任のおかげなのですが・・・

「中学のときと比べて宿題が多くて、答え写すのもやっとだった」

「だよな〜」

 夏休み明けというのもあって、どこもかしこも夏休みの話題とやる気のないオーラに溢れています。

 ガラガラ。

 担任のひとみんが入ってくると、全員がダラダラと自分の席に向かう。

「え〜と、高校生として初めての夏休みはどうでしたか?」

 ひとみんこと熊谷ひとみは、ショルダーヘアーに黒縁のメガネをしている。普段はメガネはしていません。だからと言って、コンタクトをつけているわけでもありません。ひとみんは別に視力が悪いわけではありませんから。

 身長は150cmぐらいで小柄であり、教師になってあまり年が経っていないために、不思議な行動をとることが多い。というよりも、経験とか関係ないくらいに変。

「返事がありませんよ〜。それじゃあ・・・透君は何をしたのかな?」

 ひとみんは透を勢いよく指差した。高校生にもなって、夏休みのことをクラスの人に話すのは、かなり恥ずかしい。というか、言わせるなよひとみん!!

 しかし、俺たち軟式野球部はひとみんに絶対に逆らえません。ひとみんは、軟式野球部の顧問かつ監督です。

 別に、これといってなにもしないけど・・・なぜか、チアリーダーの格好で来るけど・・・

「え〜と、先生は夏休みどうでしたか?」

 透は、ひとみんに話を返すことによって難を逃れた。

「先生は、海に行ってきました〜」

 ひとみんは、うれしそうに話し始めた。もう、身振り手振りを加えて。

「海って大きいんですよ〜。どこまでも続いていそうでした」

 とりあえず、ひとみんの水着姿を想像してみる。ごめんなさい。先生はどっからどう見ても子供です。

「それでですね〜。知らない人に車に連れ込まれました」

 えっ?

「皆さんは知らない人の車に乗ってはいけませんよ〜」

 それって、誘拐されてるんじゃないですか!?ってか、ひとみんも乗ってはいけません!!

「ま〜、こんなところですかね」

 ひとみん・・・続きは?

「あっ、そうそう今学期から転校生がこのクラスに来ることになりました」

 どうやら、続きはないようですね・・・ん?転校生?

 クラスメイトみんな目をキラキラしてます。

「そんな目で見ないでください・・・」

 誰もひとみんは見ていません!!

「先生!!男子ですか?女子ですか?」

「先生は女子です!!男子に見えますか?」

 ひとみんのことは聞いていません。あと、ひとみんは女ではあっても女子ではないと思います。見た目を除けば。

「それでは、入ってきてください」

 ひとみんはマイペース過ぎです。少しは、俺たちのことを考えてください。

 ガラガラ。

 俺を含むクラス全員が扉のほうに目を向けた。その瞬間

 パンパンパンパン

 ひとみんはどうしてクラッカーを両手に溢れんばかりに持っているの?そして、どうしてそんなに一所懸命に鳴らしているの?そんなことしたら・・・

「なにかありましたか?」

 ほら、隣のクラス担任の人が来ちゃったじゃない。

 ひとみんは、クラッカーを鳴らした経緯について話しています。

 その結果、俺たちは、教師が教師に本気で怒られるというこのクラスでは当たり前な、しかし、他ではほとんど見ることがない光景を見ることになりました。

 転校生は・・・まだ廊下です。ほったらかしです。誰か助けてあげてください。

 しばらくして、ひとみんが涙目で教壇に戻りました。そして、転校生はまだ廊下です。入るタイミングを思いっきり逃してます。

「か、彼女、がてん、ここ、うせ、いの、は、はぎわ、ら、らま、いちゃん、です」

 ひとみんが泣きながら話してくれましたが・・・わかりません。ってか、転校生はまで廊下ですよ?早く呼んであげてください。

「彼女の身長は155cmで、わ、私より高いです。うぅっぅっぅぅ」

 ひとみんは、さっき怒られたから泣いてるの?それとも、身長が負けたから泣いてるの?でもね、本当に泣きたいのは転校生のほうだと思いますよ。

「あ、あの〜」

 我慢できずに転校生が入ってきたようですね。

 ショートツインテールで一目でかわいいとわかる子に皆釘付けです。俺も釘付けです。

「ど、どうして入ってこなかったの?」

 ひとみん!!あなたのせいです。

「自己紹介してね」

 なぜかひとみんは泣き止んでます。

「萩原舞って言います。よろしくお願いします」

 やっと、彼女の名前が判明しました。舞ちゃんらしいです。

「あ、あれ〜先生よりも舞ちゃん身長低いんだね」

 確かに、並んでみると彼女のほうが小さいです。ひとみんが爪先立ちをやめない限りは。

「本当ですね。先生157cmぐらいあるんじゃないですか」

 舞ちゃんはなぜかのっちゃってるし・・・

 先生は先生で喜んでるし・・・

 キンコンカンコン

 朝のホームルームの時間が終わったようで何よりです。

「先生。舞ちゃんの席はどこにするの?」

 どこからともなく聞こえてくる女子の声にひとみんは・・・慌ててクラッカーをクラスの皆に配ってるし・・・

「空いてるところにどうぞ」

 ひとみんは投げやりに答えて、またクラッカーを配り始める。ひとみんは何がしたいの?ってか、空いてる席は俺の隣しかないわけで・・・自動的に舞ちゃんの席は決定です。


 なんだかんだで、今日の授業も終わって放課後です。

「未来。今日の練習は、人数半分いないからなしで」

 風のようにやってきた透は、それだけ言うと風のようにどこかへ行ってしまいました。

 軟式野球部は、こんなことが日常茶飯事です。理由は・・・また今度お話します。


 ひとみんが赴任してきてから今までの半年にもいろいろあったのですが・・・それもまた今度ということで。ま、何はともあれ我クラス担任のひとみんは、これまでもこれからも頑張っていくとさ。

 今回のコメディはドタバタ系です。“〜〜からから”とは違う作品を書きたいな〜と思い・・・思いつきで一気に書きました。思いつきで書いたので、話はグッチャグッチャです。ごめんなさい。

 これからの話もまだ模索中。今後の展開に自分でも期待してます。いや、むしろ不安です。連載続けられるかな?

 何はともあれ、これから“クラス担任ひとみん”をよろしくお願いします。

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