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精霊外交官  作者: 火籠
序章 渡り鳥の群れと雛鳥
1/3

プロローグ

大幅改編。

てか別物。

 


 奇妙な街だ。



――なあ。新しい『魔王(ボスモンスター)』見たか?



――見た見たっ!なんか滅茶苦茶カッコよかったよな!すっげー強そうだし!



――今回は〈(えにし)の〉には先を越されん!俺たちが先にクリアしてやるぜっ!



――ね、新しい長編クエストどんなのだと思う?



――やっぱり新しい魔王(ボスモンスター)になぞられたものなんじゃない?



――何言ってるの!それより重要なのはダンジョンよっ。ダ・ン・ジョ・ン!!

  新しいダンジョンで新アイテム取りまくるわよぉ!



――今までのエリアも手が加えられるのかな。



――今まで通りなら、手が加えられているでしょ。



――攻略サイトも更新されてないし、これから大変そうだなぁ~。



――それも、今回の楽しみ方のひとつですよ。







 この街は、異質だ。

 人ごみに耳を澄ませば、人類の天敵とも言えるモンスターの、それも『魔王』とも呼ばれるほど桁はずれな力を持った凶悪な敵の誕生を祝っているようにしか思えない。誰も彼も、〈冒険者〉じゃない一般人でさえ、悲観的な表情などしていない。

 これが欲にまみれた〈騎士〉や〈神官〉なら分かる。彼らが出世するのに一番手っ取り早い方法は、強敵なモンスターを仕留めることだからだ。それに多くの〈騎士〉や〈神官〉は、モンスターの本当の強さを知っているものは非常に少ないため、自分が倒せるなどと、戯言(たわごと)をよく吐く。

 だが城下町であるここにいるのは、ほとんど〈冒険者〉だ。 彼らも出世するには凶悪なモンスターを狩ることが一番だが、モンスターと一番戦うことが多い彼らは、モンスターを舐めてかかるようなことはしない。凄腕と呼ばれるものほどそうだ。

 だが、この街の〈冒険者〉―――一目見ただけで分かるほどの達人も、だ。―――は、誰一人も相手を恐れてはいない。相手の力量が分からないから、ではないのだろう。彼らの様子から、それは感じられない。中には『魔王』の姿を見たことのあるような口ぶりのものもいる。それも、何人も。

 

 (あいつの造った街、だな。まさに)


 知らず知らず内に浮かぶのは、苦笑いと一度たりとも「常識」的な行動をしたことのない、戦友(とも)と呼べる男の顔。あいつの造った街なら、その住人や集まる〈冒険者〉たちがこうも異質なのは仕方がないと、そう思えるほど、あいつは規格外だった。


 (それに、その方が好都合だ)


 薄く笑い、自然な動作で振り向く。

 ソコにあるのは、彼の「望む者」しか観ることのできない、魔法陣。

 今いる者たちは、薄く、青白く光る魔法陣に気づいてはいない。それでも男は進む。

 契約をするに値するものが、現れた時に備えて。



 戦友(あいつ)の造った街でこんなことをしてもいいのか、



 そう思ったこともあるが、もう引き返せないところにいる。



 引き返す気も、もはやなかった。



 


.

前に作った作品がうまく生けなかったので、新たにスタートすることにしました。



 どうぞこれから暇なときにでも身に来てやってください。

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