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『99の守護者と最後の転生者』  作者: nekorovin2501


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第1部 召喚と果てなき世界

第1章 最後の召喚

第1話 光の渦

俺の名前は佐藤悠斗。

二十五歳、普通の会社員。

年末の帰宅途中にトラックが突っ込んできた記憶が最後の現実だった。

次に目を開けたとき、そこは真っ白な空間だった。

足下に巨大な魔法陣が光り、無数の文字が浮かんでいる。

まるでゲームの召喚シーンそのものだ。

「ようこそ、最後の転生者よ」

声が響いた。

天井のない空間の中央に、黄金の光をまとった人影が浮かんでいた。

顔は見えない。性別もわからない。ただ、圧倒的な存在感だけがあった。

「お前は、この世界を救う勇者として選ばれた」

典型的なセリフだな、と俺は苦笑いした。

異世界転生なんて、ネット小説で読み飽きるほど知ってる。

でも実際に体験すると、笑えない。

「ステータスオープン」

試しに呟いてみると、目の前に青い半透明のウィンドウが現れた。

【名前:佐藤 悠斗】

【レベル:1】

【職業:転生者】

【HP:150/150】

【MP:80/80】

【スキル:鑑定Lv1、言語理解、経験値2倍】

チート級ではないが、まあまあ悪くないスタートだ。

光の渦が俺を包み込む。

次の瞬間、視界が歪み、草の匂いが鼻を突いた。

第2話 緑の大地

着地したのは、広大な草原だった。

遠くに山脈が見え、空には二つの太陽が昇っている。

間違いない。ここは異世界だ。

少し歩くと、小さな村が見えてきた。

木造の家々が並び、煙突から煙が上がっている。

村の入り口に立つと、門番らしきおじさんが驚いた顔で駆け寄ってきた。

「お、お前さん! どこから来たんだ!? こんな時期に旅人なんて珍しい!」

「えっと……ちょっと迷っちゃって」

適当に誤魔化すと、おじさんはすぐに信じてくれた。

村長の家に案内され、温かいスープをごちそうになった。

村長は老いたエルフの女性だった。

名前はリリア。耳が長く、銀色の髪が美しい。

「最近、モンスターが増えて困っているのじゃ。特に西の森に現れる“黒狼の群れ”が……」

定番の依頼だ。

俺は頷いた。

「わかりました。退治してきます」

正直、怖かった。

でも、ここで引き下がったら、この先やっていけない気がした。

第3話 最初の血

西の森は、村から歩いて一時間ほど。

木々が密集し、陽光がほとんど届かない。

俺は村でもらった短剣を握りしめて進んだ。

最初に出会ったのは、ゴブリン三体。

レベル3くらいか。

鑑定スキルで確認すると、弱そうだった。

戦いは一瞬だった。

経験値2倍のおかげで、動きがすぐに体に馴染んだ。

三体を倒すと、レベルが5まで上がった。

「これが……異世界か」

血の匂いが現実を突きつける。

でも、同時に胸の奥に熱いものが灯った。

もっと強くなれる。

もっと先を見たい。

さらに奥へ進むと、黒狼の群れを見つけた。

リーダーは明らかに別格だった。

【黒狼王 レベル12】

村の人たちが恐れる理由がわかった。

体躯は馬ほどもあり、牙が月光のように光っている。

戦いは苦かった。

何度も死にかけ、HPが一桁まで減った。

でも、最後に放った一撃が黒狼王の喉を捉えた。

【レベルアップ! レベル5→レベル15】

地面に膝をつきながら、俺は笑った。

生きてる。これが生きてるってことだ。

倒れた黒狼王の横に、小さな石碑が立っていた。

近づくと、淡い光が浮かび上がる。

『第一の守護者 黒狼王レオン

 かつては人間。勇者として召喚されし者。

 神の軍に組み込まれ、魂を奪われた。』

「……は?」

俺は石碑を何度も読み返した。

勇者? 神の軍?

何の冗談だ。

でも、石碑の文字は消えなかった。

その夜、村に帰ると祝宴が開かれた。

みんなが笑顔で俺を讃える。

でも俺の頭の中には、石碑の文字だけが残っていた。

これは、本当に「勇者として救う」物語なのか?

遠くの空に、二つの太陽が沈んでいく。

果ての見えない大陸が、静かに俺を待っている気がした。

(第1章 終わり)

──ここから、悠斗の長い旅が始まる。

99の守護者を倒し、すべての石碑を読み解き、

最後に神と対峙するまでの、果てなき物語が。

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