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ドーナツ・トランペット バーガーリーパー  作者: マサ・イワムラン
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宙を舞うコーラ

資本主義を食いつくす!

バーガー101個で人生をやり直して、大統領に! ――そして、どうなる?


 店に入るなり、パクドナルド独特の肉汁や油の混ざった匂いで吐きそうになる。昨日までは愛してやまなかった匂いだが、今は憎しみしか湧かない。なんなんだ、この胃にまとわりつくような呪いの香辛料は。魔法の粉でもぶち込んでるのか?


「コーラ、ひとつ」


 消え入るような声で注文すると、店長のパクドナルドはピエロのような顔に、怪訝な表情を浮かべた。


「どうした、ドーナツ。いつもはビッグパックセットだろ」


「いいから、コーラ」


 カウンターの奥から漂ってくる強烈な匂いに我慢できず、いそいで振り返る。と、俺はトレーを持って歩いてきた男に正面衝突した。

 

 紙コップが宙を舞う。

 

 その軌道に妙に見覚えがあった。考えるより先に体が動く。宙を舞った紙コップは綺麗な軌道を描いて、俺の手の中におさまっていた。


「なんで……」


 俺は信じられない思いで手の中の紙コップを見つめた。昨日と全く同じ軌道を描いて、紙コップは宙を舞った。そんな偶然があるだろうか。


「コーラ返してくれる?」


 声が聞こえて顔を上げると、よれよれのダイオウイカ柄のシャツを着た冴えないおっさんが立っていた。


「そのダサいシャツ、まだ着てんのか?」


「えっと……誰?」


「忘れたのかよ。昨日、俺にコーラぶっかけたくせに」


 そこまで言って、俺はまじまじと男を見た。


 本当に俺は昨日、このダイオウイカ野郎に会ったのか?


 そして、今日もまたコイツに会って、また同じようにぶつかったっていうのか? 同じようにコーラが飛んできたっていうのか? しかも、なぜかコイツは昨日のことを全く覚えてない。俺は、自分の着ているシャツを見た。昨日と同じシャツだ。だが、どこにもコークの染みはない。


 まさか――


 俺はカウンターに戻ると言った。


 「ビッグパック、1個だ!」

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