王様フェスティバル崩壊!ドーナツ、地獄の転校命令!
【これまでのあらすじ】
ドーナツ・トランペットの望みはただひとつ――王様になること!
ハンバーガー101個で過去へとタイムリープする力を手に入れたドーナツ少年。小学校で開催した王様フェスティバルに花火玉を持ち込み、生徒たちを大混乱に!ハンバーガーとタイムリープで、ドーナツはハチャメチャな人生を駆け上る!
「ドーナツ、ニューヨーク・ミリタリースクールへ行け」
史上最高の王様フェスティバルから三日後、親父が唐突に言った。
「なんだそれ?」
「軍隊の士官養成学校だ」
「軍隊? 士官? 冗談こくのはやめてくれよ。士官学校なんて男ばっかりだろ。何より、俺みたいなハンサムガイが中学に行かなかったら、女の子たちが泣く」
笑い飛ばした俺に、親父は一言も返さない。
沈黙の中、三日前の騒ぎが脳裏に蘇った。
校長の怒鳴り声。
机を叩いて真っ赤になった担任の顔。
びしょぬれの消防隊員が、冷たい目で俺をにらむ。
そして、警察官の怒声。
「下手をすれば死人が出る大事故だったんだぞ!」
あの日、大人たちが、一番問題視したのは『子供の俺が、どうやって花火玉を手に入れたのか』ということだった。
一ヶ月前、親父が古い倉庫街を買い取ったときのことだ。建て替えてアパートにする計画だと聞いて、俺もついて行った。
埃っぽい倉庫の中で、錆びた南京錠のついた木箱を見つけた。
中をこじ開けると、ぎっしりと詰まった古い花火玉。
それを見た瞬間、俺の頭に、王様フェスティバルの最高のフィナーレが浮かんだんだ。
ただ、それだけのことだ。
なのに、大人たちは眉をひそめ、俺を犯罪者扱い。
俺を讃えていた取り巻きたちも、いつの間にか離れていった。
まったく、理解のない連中だ。
もし本当に危険な事態になっていたとしても、俺がタイムリープして全員を助けてやった。そうすれば、ますます偉大なヒーローとして讃えられていたはずだ。なのに――。
親父まで、俺を罰しようっていうのか。
俺は、親父の望み通り王になっただけなのに、裏切り以外の何ものでもない。
胸の奥がぐらぐらと煮えたぎる。
こうなりゃ、さっさとパクドナルドに駆け込んで、タイムリープだ。王様フェスティバルはやめにして、くだらないお友達ごっこのパーティでもすればいい。
家を出ようと立ち上がると、親父が言った。
「ドーナツ。お前は王になる男だ。違うか?」
思わず、足が止まった。
「……そうだが」
「王たるもの、国を守るために、軍についても深く知る必要がある」
低く、静かな声だった。
親父は怒鳴りもせず、説教もせず、ただ真っすぐ俺を見ている。
その目に、妙な説得力があった。
「パパ……」
胸の奥で、何かが弾けた。
さすが俺の父親だ。くだらない教師や警察とは格が違う。
「認めたんだな。王様フェスティバルで、俺の王としての資質を」
「……そういうことだ」
「分かった」
親父の言う通りだ。
王たる者、軍を知り、国を知り、世界を知るべきだ。
それこそが、真の王への道。
親父がママ・マカロンに目配せする。
その口元に、かすかな笑みが浮かんだが、俺は気にも留めなかった。
軍を知り、国を守り、世界を統べる王になる。
俺の野望は、まだまだ始まったばかりだった。
ドーナツ、ミリタリースクールへ行く! そして、どうなる?!




