表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

0. プロローグ —side.S

 思いがけず、すぐ傍で声が聞こえて顔を上げた。

 目の前に扉があった。誰かが促すように僕の手を引き、つられて隣を見ると——彼女と目が合った。

「……お嬢さん」

 と、僕はつぶやいた。

 ふいに周囲の様子が輪郭を持ち始め、物音が聞こえてきた。僕は何度かまばたきをした。

 ここは「館」の一郭で、この人は「お嬢さん」だ。それが分かるのは、僕があらかじめそう教わっているからだ……。

「目が覚めたのね」

 そう言ってから、お嬢さんは「あなたの部屋よ」と扉を指した。僕はまだ呆然と彼女の顔を見つめていた。

 きっと夢だろうと思った。

 それまでのことが、全部。

 お嬢さんの言う通り、僕はようやく目を覚ました。いま、ここで。……「僕」はそれでよかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ