頼むから来るな、そして風評被害やめろ!
俺は古より生きているドラゴンの一体。
人間の間ではエンシェントドラゴンって呼ばれたりする。
まあだからといって人間に害がある行動をしたりするつもりはない。
理由?だって興味ないもん。静かに暮らせればそれでいいもん。
そんな理由で人間が寄り付かないこの場所、瘴気の森に住んで早250年。
最初の20年間は誰も寄り付かったのに、いつの間にかこんな噂が人間の間で流れてね。
『瘴気の森に住むドラゴンはこの世を瘴気だらけにし人類を滅ぼそうとしている』と。
おいまて、俺はそんな気はないぞ。
というか俺は瘴気耐性があるだけで瘴気をまき散らすことなんてできねーぞ。
なのにさ……
ジェリド「人類を滅ぼそうと企んでいる瘴気竜ミアズマ、神に選ばれし勇者ジェリドが貴様を倒し人類の未来を守る!」
これで何人目だろ。
気づいたらエンシェントドラゴンじゃなくて瘴気竜ミアズマって言われるようになってた。
というか勝手に瘴気竜ミアズマって名前つけるなよ。
俺の名前は特にないけど名乗った覚えもないぞ。
しかもさぁ……
ジェリド「なぜ、人間を滅ぼそうとする? 人間が憎いのか!? 世界を侵略したいのか!? どっちなんだ!! 答えろ!!」
いや、どっちでもないし、まず滅ぼそうとしてないし。
ダメもとで弁明してみるか。
瘴気竜ミアズマ「えっとね、君が何人目の勇者か冒険者か知らんけど説明するよ。まず人間を滅ぼす気がないからね。というかここ瘴気の森だよ。早く出ないと呪われて最悪アンデッドになるよ」
実際アンデッドになってるのが何人もいる。
まあ大体は俺に合うまでに力が付きた奴らだが。
ジェリド「うるさい! そう言って言い逃れする気をだろ。卑怯者!」
卑怯者扱いされたよ。
人間ってなんで馬鹿なんだろうか。
もういいいや。
「グアアアアアアアアアアアアア!!」(咆哮)
よし、無事に気絶したな。
というかこんなに弱くて勇者とか言ってたのかこいつ。
とあえず森の外に投げておこう。
運がよければまあ生きてるでしょ。
はぁ~引っ越し考えるか。
最後まで読んで頂きありがとうございます。