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軍事大国の野望 ロシアの新たな勢力圏と国家戦略  作者: アナトリー・チェスノコフ
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包囲網の形成

 グランマ帝国連邦 首都 ヘトマン 議会


 グランマ帝国連邦の首都は地球でいうところのキエフに存在する。ここは川を中心に都市を形成して王宮を中心に放射線状に道路が伸びている。街並みはビルまでとは言えないが、そこそこの高さの建物が密集している。これは都市部に人口が流入しておりその人口を収容するためにこうなっている。 


 そして人口の上昇に伴って都市の衛生状況は悪化していった。しかしそれでも人口の流入は止まらなった。なぜなら工場があるからだ。 


 産業革命によって誕生した動力機関はそれまでにあった水力や風力と違って、場所を選ぶ必要がないので何処にでも建てることが出来る。そして工場での労働力を確保しやすくするために都市部に集まった。 


 そして都市中心の官庁街の中にあるのがグランマ議会である。グランマの議会制度は一院制で貴族と庶民から選挙で選ばれた者が議員になっていいる。宰相や大臣になれるのもこの議員だけで、軍人は立候補ができず例え貴族だとしてもで同様ある。 


 このような決まりがあるのも自由主義者達による暴動などによって作られたものであり、選挙で選ばれた議員達もこれを支持している。そのため貴族達との関係が悪い。 


 このことが政党にも反映されており、貴族が中心の国家自由党(自由党)、庶民が中心となる国家社会民主党(社民党)そして、貴族と庶民が中心となる国家労働党(労働党)でこれは議席数が少なく、前者の2つが大部分を占めているがどちらも過半数をしめていないので与党が存在しない。そして内閣は自由党の議員である。


 都市部や議会の問題も持っているがそれよりも大きな問題を持っていた。それは独立したポーランド部分、ダンツヒ共和国である。


 この国は数年前に隣国のゼーロウ帝国との戦争で独立された国。けれど独立したと言っても政権は親ゼーロウの政権だから独立とは程遠い。しかもダンツヒ共和国は例に漏れず多民族国家でロシア語系民族のグランマ人と、ポーランド語系民族ダンツヒ人、ドイツ語を話すゼーロウ人と主に三種類存在する。これに加えて少数民族がいる。


 そして戦争にまけたからよは言え、領土を奪われたままいるのは容認できないとして、再併合を狙っている。それを実現するために複数の国と同盟を結び包囲網を形成しようとしてゼーロウ帝国の西、フランスに相当するノルマンディー共和国、その向かい側にある二つの島を有するポーツマス連合王国そして地中海のイタリア半島を有するナポリ王国この三国と同盟を結ぼうとしている。 


 そしてこの三か国も同盟に前向きに検討している。これもゼーロウ帝国の拡張を恐れたものだった。三か国はアジアやアフリカに多くの植民地を持っており、グランマ帝国連邦は植民地をもっていないが東方遠征で多くの領土を獲得していた。しかしゼーロウ帝国は植民地をあまり多く持っていなく残っている場所はなくあとは、ほかの国が持っている植民地を奪取することを考えていた。 


 そこでゼーロウ帝国も対抗して古くから友好関係のあるドナウ・パラトン連合と同盟を結ぼうとしている。 


 同盟を結んで戦争に備えようと同盟を結ぼうとしているが、別の問題が発生している。それはロシアとの領土問題である。召喚したことは機密となっており議会はそのことを知らないのである。 


 そしてロシアと領土問題を残して国交を結んだことが重大な問題としていて、ベレンコ宰相と社民党の議員から質問を受けていた。 


「宰相に質問します。わが国内に突如として現れたロシアと国交を結んだそうですが、なぜ我が国の領土を不当に選挙しているのになぜ取り返さないのですか」


 挙手をして院長に指名さえて答弁席に立ち答える。 


「お答えします。それが我が国にとって最善の策だからです。かの国の国力は不透明であり安易な決断をしたら国益を大きく損なうと判断しました。なので一旦は国交を結んで調査を行い、情報を集めたのちに判断するとしました」


「しかし国益を損なうと仰いになるのなら、今すぐにでも取り戻すべきでは」


「わが国の最優先目標は取り残された国民を保護することであると認識しています。それにロシアこちらとも友好関係を望んでいます。なので今は取り残された国民の保護が優先です」


「しかしロシアという国は全く未知の国です。そんな道理が通じるのですか。それにもし攻め込んできたらどうするのです」


 ロシアの存在は調査によって発見された国としており、ブレーラン(カリーニングラード)のことは未知の病気が流行しているとしており封鎖している。しかしこれもいずれ限界がきてしまうので、ここをロシア領とする為の名義を考えている。 


 そして国民の保護、といっているのがダンツヒ共和国である。ゼーロウ帝国との戦争といっても、実際に戦争をしたわけではない。ダンツヒ地方で発生した暴動を裏でゼーロウ帝国が支援したのである。そのため義勇軍としてゼーロウ帝国軍が混ざっていたのである。だからゼーロウに負けたとなっている。 


 なのでダンツヒ共和国を国家承認しているのは現在ゼーロウ帝国のみで早くしないと既成事実になってしまうのである。


 ロシアの軍事的脅威に対して説明を始めたのは陸軍大臣である。


「現在国境には軍が既に展開済みであり、また72時間以内に予備役の動員が可能です」


 丁度陸軍大臣が答えた所で、質問の時間が終わり別の質問者に移る。そのごの質問もロシアやダンツヒに関わる問題や都市問題が続く。特にロシアに関わる質問は細心の注意を払いながら答える。ここで答えを誤れば、国内が分断してしまう可能性がある。これ多民族国家としては大きな問題である。


 けれどダンツヒに関する答えは終始奪還することには変更がなく、そこに関しては強くこたえたのである。

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