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短編集

小さな勇者は妹を護りたい

作者: むに


どもども厨二病な作者さんです。

今回は三人称+物語風となっております

悲劇っぽくしたかったのですが自分には

可哀想なのでこれ以上は無理でした

へたれとお呼びください、やっぱハッピーエンドが良いよね



この世界では魔王と呼ばれる厄災がいた。

魔物と言う人々を恐怖に陥れる怪物と共に

だがそれに対する光が現れたその光が【勇者】であり

人類希望の光とも評される災厄に立ち向かう勇敢なる者であった



さてそんな話がホントにあったのは遥か昔

もう誰も御伽話という形でしか覚えておらず

人々は平穏な生活を営んでいた。


ここにも1人、平穏な暮らしをしている兄妹がいた。

兄の名をアベル、妹の名をルシルと言う双子であり

仲の良い兄妹でいつも二人を見守ってる村の老人達が微笑ましいような雰囲気を出している


永遠に続くような平穏、そんなものはどんな世界にもあるはずが無くたちまち平穏は不穏へと変貌した

なんと魔王が復活すると言うのだ


それは教会の神託の情報でありその神託が外れたことがないと言われており王さまは城の占い師にも占わせたが結果は同じとなった


そして魔王復活を裏付けるように数少なかった魔物が

ポツポツと増えて行き村を襲った、などの話が出てきて国民達は明日は我が身と恐怖に呑みこまれていた


さて仲睦まじい双子の兄妹が暮らしている村では

子どもは外に出れなくなっていたそれは村に襲い来る

魔物から子供達を守るためであり兄妹も家の中で

遊べることをしていた。


その日は暗雲に空を覆われている何処か不吉な日であり今にも雨が降りそうな不安定な天気でもあった


兄アベルは何と無く嫌な予感がして外れて欲しいと

願うも嫌な予感というのは当たるものであり

村に魔物が襲ってきたのだ柵を乗り越え塀を跳び

鋭い牙で人を喰らおうと獰猛な魔物は家を爪で破壊して

中に居る人々を喰らっていった


木の壊される音、知人らしい人物の悲鳴、誰かの助けを呼ぶ声、魔物を呪う声、魔物の汚らしい咀嚼音、

兄アベルは妹ルシルの耳を塞ぎ隠れていた。

妹に汚いものを聞かせないために、自分は死んでも

妹は助けてくれと普段はしない神への祈りを捧げながら

遊びで作った地下室に逃げ込んだ両親も連れて来ようとしたが地下室は狭く子供二人くらいしか入れなさそうだった


だがそんなに現実は甘く無いようだバキバキと言う

壁である木材が破壊される音と共に木屑が飛び散る

地下室にいたアベルとルシルは無事に助かったが

両親は死んでしまった。


ルシルは恐怖で泣き、アベルは妹を護れと言う父親の言葉を思い出し心配させないように涙を流すのを我慢した。


外では雨がサァーと地面に降り注ぎ雷が泣き叫ぶように轟いた。





兄妹はいつの間にか眠っており雨の入った地下室で

目を覚ましたどうやら座って寝ていたようで

所々が痛かった泥だらけになりつつも地上にでた

アベルは周りに魔物が居ないか確認してルシルと共に

村を散策する事にした。


村は目に手を当てたくなるほどに悲惨であった

誰かの血が雨に流され赤い水たまりとなり

魔物に破壊された民家の木があちらこちらに飛び散っており無事な家は無く、知り合いを探したが

何処にも居なかったこの村は双子の兄妹のみが生き残った。


村の備蓄庫を覗いてみるも保存の効く干し肉は地下にあったから良いものの他には水の入った小樽程度であった次に何か使える物は無いかと倉庫を見に行った

倉庫には剣や槍などの武器や革のリュックサック、

あとは村に来る商人から買うためのお金、日本円で

32万円ほどであった、ちなみに5千円で一ヶ月は暮らせる程でありかなりの大金であることがわかる。


一応の短剣と槍を携えリュックの中に飲み水の入った小樽と干し肉とお金を入れておいた、剣は重かったので

短剣にしておき妹は軽い槍を持っていた


お腹がくうくうと可愛らしい音でなり干し肉を食べようと噛み付いたが固すぎて噛みちぎれないので短剣で切り取り少しずつ食べる事にした


朝食を終えた兄妹は近くの町に行く事にした

頭の良い妹がこのままここに居たら食糧が尽きちゃうから町に行こうと提案したのだ、町はかなり近くにあり歩いて行ける距離であった。


踏み固められた道を歩いていると怖い顔のおじさんたちが道を塞いできた、話を聞く限り兄妹を捕まえて

売り払おうと考えているようだ。


兄は妹を護る為に前に出て短剣を抜いた

アベルに剣を使った経験は無いが不思議と使い方は分かっていた、小柄な体で盗賊達を撃退してアベル達は先へと進もうとするがまた進行を阻む者が現れた


アベルは少々うんざりしながら話を聞く事にしたところ

どうやら目の前の強面のお兄さんは近くの町の兵士であり盗賊団を追っていたのだとか、


どうやって倒したのか兵士が聞くと妹を護る為に無我夢中で戦ったと告げて兵士は少し考える仕草をしたが

立派なお兄ちゃんだね、とアベルを褒めた


アベルは兵士に村が壊滅した事を話した

兵士は驚きつつも話を聞いていたがその話を聞き終えると頑張ったな、とアベルの頭を撫でてきた

無骨で硬いその手は大好きな父親を思い出して

アベルは泣いてしまった


仕方も無いだろうこんな小さな子供に耐えろと言う方が酷である。





兵士に連れられ町に着くといろいろ手続きをして

町に入った、兵士は話を切り出した実は自分の嫁が子供を産めない体質で良かったらウチの子供にならないか、と兄妹を誘ったアベルとルシルは兵士に懐いていたので喜んでその話に乗った


兵士の家では幸薄そうな美人な女性が座っており

兄妹に驚くも兵士から聞いた話に涙流し兄妹を抱きしめてきた、苦しくも暖かい感情に張り詰めていた気持ちが解き放たれ二人は泣いた


両親が直接では無いものの死ぬ様を知っているのだ

普通の子供に耐えれる訳もない、その後に兵士の嫁からアベルに貴方は妹を護る勇者なのね、と呼ばれて

アベルは照れつつも嬉しかった。





勇者の力は絶大であり魔王はすぐさま勇者に撃ち滅ぼされ世界に平穏が戻った





その後双子はすくすくと成長して立派な大人となり

アベルは妹を護るんだ!と兵士となりルシルは頑張り過ぎるアベルを支える為に料理を習っていた。



これは平穏な世界に訪れた悲劇の一幕

妹を護った小さな勇者の話である





おまけ


【裏話】


実はこれ書く時の題名は『偽物勇者は妹勇者を護りたい!』で勇者パーティーで勇者やってるアベルが

妹が勇者であることに気が付いたが妹を危険に晒したくなく自分が勇者となり世界を救うと言う感じにしたかったのですがいつの間にか悲劇系に切り替わっていて「これだったら偽物と言うより小さな勇者だよなぁ」と変更しました。



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