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気ままな王子様  作者: もちぞう
3/4

自動車

朝、アンナの声で目を覚ます。



いつも同じ時間に起こしに来る、その声は、いつも元気ではつらつとしている。



声に起こされて起きた俺は、いつもいい寝起きだ。



だるさなどもなく、すっきりと起きた俺は、顔を洗い、朝食を食べる。



この時は、母様と兄さま方と一緒だ。



たまに父上もやってくることがある。



本当にたまにだがな。



今日は、兄さまと、母様、姉上が揃っている、ただまあ、あまり話さないので、兄さまが話しかけてくるくらいだ。



母様は、兄弟にも俺の特異性を見せたくないらしく、この場では、銀貨のことを言及してくることはない。



なのでちょっと寂しい、俺にはあまり話しかけてこないのだ。



まあ、一人は慣れたものだがな。



兄さまを軽くあしらいながら、自動車のことを考える。



結構時間がかかったが、ようやく完成までこぎつけた、ガラスも強化ガラスにして、割れないようにしたしな、その後、魔法で強化してさらに固くしたので、ちょっとのことでは、傷一つつかないだろう。



今日は試運転だ、兄さまには内緒だ、まあそのうちバレるだろうがな。



ご飯を食べた俺は早速、庭に向かおうとした、そこで声を掛けられた。



「ルイーズ、ちょっとお話があるのです、良いですか?」



有無を言わせぬ問だった。



母様どうかしたのだろうか。



「どうかしましたか、母上?」



母上があたりを見回して、小声で訪ねてきたので、小声で返す。



「銀貨のことです、今度は、銅貨や金貨を作ったりはしないのかと思って、どうです?」


「作ったほうが、良いんですか?それでしたら作りますが・・・。」


「そう、物分かりがいいわね、お願いできるかしら。」


「お小遣いアップお願いしますね?」


「ええ、必ずして見せるわ、任せて頂戴。私を信じて。」


「わかりました、今日中でいいですか?」


「ええ、速いくらいだわ、セバスに運んでもらうように言っておくわ。気を付けてね。」


「はい、ありがとうございます。母上。」


「では、また、食事の時に会いましょう」


「はい。」



互いに、部屋に帰っていく。



ああ、と、庭に行くんだった。



庭に行くと、自動車が昨日と同じようにそこにあった。



見た目は、古い作られたばかりの自動車といったところだった。



運転席は、真ん中で、左右が助手席だった。



とりあえず、エンジンをかけて、運転してみようと、乗り込む。



結構高い位置にあるので、アンナに乗せてもらう、一応ステップはついているので、自分で登れるのだが、はしたないので、乗せてもらった。



助手席にアンナも乗る。



エンジンといっても、無駄がないように音やなんかは出ないようになっているので、電気自動車より静かだった。



アクセルを踏んで少しずつ進む。



アンナがおお!と喜んだような声を上げる。



庭を一周する、結構広いので、アクセルを開けてスピードを出す。



「ひゃー、速ーい!!」



メイドが、はしたない声を上げる。



喜んでいるようだ。



急カーブなどして見たり、急ブレーキをして見たりする。



メイドがイスにしがみついていた。



ドライブを終えて元あった場所にバックで入れる。



メイドはまた驚いていた、後ろにも進むんですね、などと言っていた。



メイドは貴重な体験を一番にしたと言う訳だ。



光栄に思ってほしい。



そんなことは知らず、のほほんとしているメイドだった。



凄いですね、馬車がいらないじゃないですか!!と言って迫ってきた、すぐに母様を呼ぶといって、行ってしまった。



俺は、金貨作りでもするかと庭で面白半分に、宝箱を作り、その中に、王城が描かれた金貨をたんまりと詰め込む、結構な大きさだ、大人四人でやっと運べるような大きさになった。



ちゃんと、取っ手はつけてある、鉄製のものだ、大変だろうななどと思いながら、今度は、銅貨を作る。



母上の姿絵を彫り込んだ銅貨は、また、宝箱にしまい込んだ。二つずつ作り計四個だ。



そんなことをしていると、母上がやってきた。



「ルイーズ!何か新しい物を作ったらしいわね!見せて頂戴!」


「はい、母上、これが金貨と銅貨です。大人が4人居ないと運べないですが・・・。」


「まあ!これは王城かしら!!綺麗!!あなたの魔法は、最高ね!!こっちは、私が描かれているわね!しょうがないわね、許可しましょう。」


「車には乗りますか?母上も乗れますよ?」


「乗るわ!!アンナが面白いって言ってたわね、どんなものかしら。」



乗り込む、というか、乗せてもらう。



俺は立って運転する、座ると届かないのだ、残念なことにな。



母上も乗り込む、アンナもだ、使用人が集まってきて見ている。



そんな中、アクセルを踏み、動かす、おお!!と歓声が上がる。



アクセルをちょっとだけ開けて、スリルを出すと、母様が喜んでいた。



母様はまだ、若く、好奇心旺盛なようだ。



最後にバックで車庫入れしてお終いだ。



使用人たちが拍手していた。



その中を降りていく。



また王子でしたかと声が聞こえる。



”また”とはなんだ、またとは・・・。



まあ、今日の所は許してやろう、そう思い部屋に帰ろうとすると、ガシッと肩をつかまれた。



振り向くと笑顔の母上がいた。



どうやら、運転の仕方を教えてほしいらしい。



運転は楽しいからな、ストレス発散になるしな、かあさまもやりたいのだろう。



「ルイーズ、私も操縦したいわ、教えて頂戴。」


「わかりました、では、運転席に乗ってください。」


「真ん中の席ね、よいしょっと」


「アンナとなりに乗せて。」


「こうなっていたのね、このわっかを回していたわね。」


「母様、あまり勝手に触らないでください。動きますよ。」


「わ、わかったわ。」


「まず、右がアクセルで左がブレーキです。アクセルで進んで、ブレーキで止まります。ちょっとだけ踏んでみてください。」


「あ、動いたわ、凄いわね。こんなちょびっとで動くなんて。」


「今度はハンドルをつかんで方向を操作してください、一周しますよ。」


「わかったわ、ええと、左に回るわ。」



宣言通り、左にゆっくり回っていくそして一周して止まる。



「ふう、意外に神経を使うわね」


「ええ、運転は慣れればいいですが、それでも神経を使うので注意して下さい、特にお酒を飲んだ後などに運転をするのは控えてください。」


「わかったわ、酔っ払ってしまうものね。気を付けるわ。」


「それに注意してもらえれば、いつでも使って構いませんよ。」


「ありがとう、レイブンには言った?」


「まだ言ってませんよ。」


「あの子には気を付けないとね、」


「あ、母様とルイーズ何してるんですか?」


「レイブン、今ルイーズとお話してたのよ。ルイーズから借りた物は返すのよ?」


「はーい」



自動車は無事隠し通せたようだ、興味は金貨や銅貨に移っていった。





















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