第8話 次の町へ
浩二は結果に満足して村へと足を進めた。
もう日が傾きかけていた。
夕日に照らされながら村を歩いているとガールが向こうから歩いてきた。
宿を紹介してくれるらしい。ガールに勧められるままこの宿に泊まった。
飯はなかなかだった。どうやら魔物の肉を使っているらしい。
牛のような魔物を家畜として飼育しているそうだ。
なんでも気性は穏やかで人に危害を加えることはないらしい。
魔物にもいろいろいるんだなと浩二は感心した。
浩二は今日の疲れがどっと溢れたのか、ベッドに入るなり音速の早さで眠りについた。
次の日の朝、浩二はこの村を発つことにした。
宿屋の女将に聞くと南へ少し行ったところに町があるらしい。
浩二は迷わずそこへ向かった。
誰かに見つかれば、また面倒なことになるので浩二はそそくさと村の出口まできた。
幸い、門番もいなかったので足早に村を離れようとした。
しかし後ろからあのおばあちゃんの声が聞こえてきた。
「一言ぐらい声かけてくれてもいいじゃないか貴族様。かかか!」
「魔法書感謝する。」
浩二はそれだけ言って走り去った。
何故ならビビったからだ。あれでびびらない訳がない。誰にもバレていないと思ったのに突然声をかけられる。普通に怖かった。
浩二は何時もより鼓動が速い心臓とともに新しい町へと向かった。