第6話 回復魔法書といかにもなおばあちゃんの出会い
ガールについていった先にはさっきまで死にそうな顔をしていたとはおもえないほどキラキラ輝いている村人たちの姿があった。浩二はおもわずあっけにとられた。その様子を察したガールは浩二にこう伝えた。
「みんな、悲しいことがあったあとにはそれ以上に楽しんで更に幸せになるんです!!」
浩二は心打たれた。この村人たちの心の強さは本物だ。そう感じた。
祭りの屋台を練り歩いているとその先々でみんなからお辞儀をされる。
なかなか気持ちがいいが、なんか心が痛む。
まぁそんなことは仕方がないと割りきった浩二の目にある本が写った。
手に取ってみるとその本には[回復魔法入門書]と書いてあった。
パラパラと捲ると何故だかよく理解出来た。
欲しいと思ったが、浩二はこの世界の通貨なんて持っていないので本を元に戻そうすると
「いいよ。持ってきな。」
そんな声が聞こえてきた。声の元にはしわしわのおばあちゃんがいた。いかにもって感じだ。
「本当ですか?!ありがとうございます!」
驚いておもわず敬語を使ってしまい浩二が狼狽えていると、それ以上におばあちゃんが驚き、やがて笑いはじめた。
「かかか!面白い男だねぇ!私達に対する皮肉かい?!」
浩二が面目無いといった表情をしていると
「おまえさん、気に入ったよぉ?おまえさんは将来なにかとんでもないことしでかしてくれそうだ!よし、もう一冊好きなの持ってきな!」
思わぬ収穫だ。浩二は迷わず[回復魔法上級書]を手に取った。
「じゃあこれで!本当にありが...感謝する。」
おばあちゃんはかかか、と笑いながら浩二を見送った。
そして誰にも聞こえないような声で(あれは化けるぞぉ...)と言い、もう一度、かかかっと笑った。
今後、この回復魔法書が鍵を握るかも...?ですよ!笑
お楽しみに!