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1-8 神の御業

そろそろ更新ペースが落ちそうです。

1936年10月、俺がこの世界に来てから約7か月が経った。まあ、支配体制を敷くのに数か月かかったので、国造りはあまりできていない。前の世界では、1日で村を支配できたのにな。2000年以上先の技術と未知の能力を見せられたら、誰でも従うが、近代では中々難しいからな。


俺の行った改革のおかげで、国力は前と比べてかなり上がってきた。

来年の米の総収穫量を試算した結果、前年の1.5倍近くになるらしい。小作人への農地の分配と農業用具の改良や機械の導入、新田開発が収穫量を底上げしているらしい。

工業生産額も飛躍的に向上した。理由は、工業用地の拡大と、ベルトコンベアの導入による大量生産などをするようになったからだ。しかし、アメリカの物量に勝つにはまだまだ足りないので、これからも新たな工場を建設していく。

陸海軍を統一したおかげで、お互いが技術や情報を共有できるように、開発がスムーズになった。しかし、頭が固い古参の軍人が複数人いたので、とりあえず南方へ送った。この前、ついに九七式中戦車の開発が終わり、生産を開始した。だが、九七式中戦車なんかでは米英の戦車に対抗できないので、早くに一式中戦車や三式中戦車を開発したい。


前は、突然起きた改革のせいで、国民からかなり反発があったが、結果的に生活がよくなったので、国内は非常に安定している。


スペイン内戦は、今のところナショナリスト派が優勢である。だが、共和国の抵抗が粘り強く、内戦の終結は時間がかかりそうだ。


今、世界恐慌を発したアメリカは国内の工業生産が低下していて、戦争をするには、最適の時期だ。しかし、まだこちらも準備できていない。何故なら、同盟国がいないからだ。今の日本だけでは、とても戦争なんてできない。しかし、手を結べる国なんて限られている。アジアなんて独立国がほとんどないし。やはり、同盟を組むにはドイツやイタリアが丁度いいな。まあ、イタリアなんていても足手まといになるだけだが。


史実でも、日本はドイツと同盟を組んだが、その効果はほとんどなく、むしろお互いが足を引っ張りあっていただけだった。何故なら、ドイツ政府と日本政府がとても仲が悪いからだ。第一次世界大戦では敵国だったし、ドイツの南洋諸島を奪われてしまったのだから、しょうがないが。

まずは、これを解消しなければいけない。それには、まだ1つ準備があるが。



―――皇居


この日、天皇は首相である広田弘毅をこの皇居まで呼んでいた。


「わざわざ、ここまで呼んですまないな」


「いいえ、とんでもありません。・・・ところで、お話とは何でしょうか?」


天皇は、首相を「重要な話がある」と称してここまで呼んだ。話とは何か、それが気になっていたのだ。


「実は・・・今まで隠してきたのだが、朕には特別な力があるのだ」


一般人が発言したら、中二病にしか思えないが、実際に予言能力などを持っている天皇なら、真実味が濃い。


「特別な力・・・ですか?」

(予言の他にも何かあるのか?)


「ああ。実際に見せよう」


そう言うと天皇は、二十六式拳銃を取り寄せた。それを見た首相は、目を見開き、とても驚いたような様子を見せた。


「これは手品でも何でもない。正真正銘の能力だ。更に、こんなこともできる」


今度は、取り寄せた拳銃を部屋の隅へ瞬時に移動させた。首相は更に驚かされた。

もはや、声も出ない。


「・・・この能力、どう思う?」


「は、はい。現人神に相応しき、正に神の御業だと思います!」

(まさか、こんなことまでできるなんて・・・このお方は本当に・・・)


「そうか。ならよかった」


かくして、天皇の御業は政府内部へ伝わることとなった。


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