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6-2 東京会談(前編)

1941年7月10日、ドイツ総統のヒトラーとその側近らが来日。ナチス上層部初の来日に、国内はお祭りムードとなった。1日目にヒトラーは東京市内の博物館や美術館を見学し、2日目には都内で、戦後の新世界秩序について会談が行われた。後にこの出来事は東京会談と呼ばれ、歴史の教科書に必ず載る出来事となった。


天皇とヒトラーが対面し、それぞれ椅子に座る。会談は通訳なしで行われた。


「ヨーロッパについてですが、全域を我が国の勢力圏、ということでよろしいですか」


ヒトラーはそう尋ねた。


「問題ありません。ただ、太平洋、インド洋方面は大東亜共栄圏に組み込みます。ヨーロッパの西欧諸国はどうされますか?」


「まず、ベネルクス、デンマークはドイツの占領下のまま、フランスには北部を返還、首都をパリに戻します。イギリスはイングランドとスコットランドに分割。それぞれにウィンザー朝出身の人物を国王に即位させ、スコットランドとノルウェーは同君連合にします。アイルランドについては・・・」


ヒトラーはすでに考えがまとまっているのか、饒舌に喋り始めた。ヨーロッパの運命はヒトラーが全て決めるようだ。


「ソ連は解体、ウラル山脈以西を東方生存圏として併合、カレリアはフィンランドに割譲します。シベリアは・・・」


「シベリアは我が国、日本の傀儡政権を樹立させます。アジアの移民をシベリアに移住させ、自立できるように経済発展させます」


「アジアは人口密度が高く、シベリアは人口密度が低いので合理的ですね。アフリカはどうしましょうか」


「天然資源の少ないカメルーン、ウバンギ・シャリ、チャドなどを植民地化して、他の地域を独立させるのはどうでしょう?独立させれば経済発展が見込まれ、経済圏にすることが可能です」


ヒトラーにそうアドバイスする。


「なるほど・・・イタリアの植民地はどうしましょうか?」


「リビアは他の北アフリカ諸国と同様に独立させましょう。東アフリカは経過を見てどうするか考えましょう」


「はい。中東にも英仏の植民地が残っていますが」


「中東諸国も独立させましょう。民主主義の影響が入らないよう保護は必要ですが」


天皇は中東に民主主義は合わないと言っているような口ぶりで告げた。


「しかし、占領中のアジア諸国は戦後に独立、民主化させます。フィリピン、インドネシア、マレーシア、ニューギニア、インドシナなど。我が国も終戦後には民主主義を復活させます」


「民主化、ですか・・・?」


ヒトラーは重苦しく口を開いた。


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