5-13 ダッチハーバー
前回からかなり間があいてしまいすいません。次回投稿日は未定です。
1940年9月、ドイツはソ連南部での大規模な攻勢作戦に出た。ドイツ軍のA軍集団はスターリングラード、B軍集団はバクー油田を目指して電撃的な進行を開始。
A軍集団はドン河の手前で足止めされたものの、B軍集団は、ロストフ、クラスノダールを占領。また、クリミア半島にも侵入し、セヴァストポリ要塞で包囲下にもかかわらず、熾烈な攻防戦を繰り広げていた。ソ連軍は打撃を受けながら奥地へと撤退していった。
それと同じ頃、日本軍はソ連とアメリカのシーレーンを断つためアリューシャン列島への進出を開始した。アッツ島、キスカ島を瞬く間に占領し、ダッチハーバーやアラスカを空襲した。アメリカは、米本土攻撃への備えで本土に軍を結集しており、アリューシャン方面にはほとんど敵はいなかった。
そして、アリューシャン列島を攻略した日本軍はアラスカ攻略に向けて、ベーリング海の制海権確保に乗り出した。しかし、アメリカにはまだ空母艦隊が残っており、カナダ海軍も健在だ。両海軍は再び海で衝突した。
―――ダッチハーバー沖、空母赤城
「・・・奴らは倒しても倒しても出てくるな」
南雲中将が赤城の司令室に戻ってきた。前には敵軍の艦影が見えている。
「敵戦力は空母5隻、巡洋艦9隻、駆逐艦多数、といったところか・・・」
「南雲提督、赤城、加賀、隼鷹の発艦準備が完了しました」
「よろしい。すぐさま攻撃隊を発艦させよ。目標は敵空母だ。敵の攻撃隊は対空砲火で対処させよ」
命令通り、すぐに最初の攻撃隊が発艦した。それとほぼ同時にアメリカの攻撃隊も発艦し、敵艦の潰し合いという状態になった。
一時的に制空権を確保した日本軍の攻撃で空母3隻が炎上してその後沈没。巡洋艦には多大な損害を与えたものの、撃沈には至らなかった。アメリカ軍も攻撃を加え、急降下爆撃によって隼鷹、龍驤の甲板に穴が空いたり火薬に誘爆したりして、2隻とも撃沈されてしまった。
日本側も軽くない損害を負ったが、アメリカ海軍はダッチハーバーから撤退し、制海権を確保。ダッチハーバーに上陸して、1週間後にはアラスカのアンカレッジを空襲した。
そして、ついにアラスカに上陸。日本軍の北米大陸到達に、アメリカとカナダに衝撃を与えた。アメリカ、カナダは大軍をアラスカに派遣したが、日本軍の夜間強襲と補給の問題から1か月後に全軍が撤退した。
アラスカは日本に占領され、北米攻略の拠点として基地の建設が始まった。アメリカ本土上陸もいよいよ現実味を帯びてきた。