表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/80

5-12 ブラウ作戦

次回投稿は10月19日の予定です。

―――1940年9月、ドイツ、総統官邸


この日、総統官邸でヒトラー出席のもと、作戦会議が開かれた。


「4月に攻勢を中止して以降、東部戦線は膠着したままだったが、ついにこの状況を打破する時が来た!我が参謀本部の考案したこの作戦、ブラウ作戦を成功させればソビエトの息の根を止めることができる!」


ヒトラーはそう豪語し、作戦の説明を始めた。


「ブラウ作戦は、ロシア南部で攻勢を行い、コーカサス地方とスターリングラードを占領するのが目的だ。コーカサス地方には敵の石油供給源であるバクー油田があり、スターリングラードはソ連の重要な工業都市だ。この2つを占領するため、南方軍集団を100万人から150万人に増強した。その南方軍集団を、A軍集団とB軍集団に分割して、A軍集団はスターリングラード、B軍集団はコーカサス地方を占領させる」


南方軍集団は、4か月前から北方や北アフリカ、予備役から引き抜くなどして増強を続け、広大なソ連の領土を占領できる大軍となっていた。


「ブラウ作戦が成功すれば奴らは継戦能力をなくし、我々に降伏するだろう」


「しかし、ソ連がアメリカからレンドリースを受けている関係上、継戦能力を完全になくすのは難しいのでは?首都のモスクワも健在ですし」


外務大臣のリッベントロップが反論した。


「ブラウ作戦の間、日本軍にアメリカとソ連のシーレーンを遮断してもらう。アッツ島やキスカ島、カムチャッカ半島を占領すればソ連はレンドリースを受けられなくなる。そして、モスクワには正面攻撃を仕掛けようと思う」


「正面攻撃?」


「ソ連軍が南部で釘付けになっている間、北方や中央の守りは薄くなる。中央軍集団には敵の防衛線を突破させ、電撃戦でモスクワを陥落させる」


ヒトラーは地図を指さし、モスクワにバツ印をつけた。



―――モスクワ、クレムリン


「同志スターリン、前線の司令部より入電です。ドイツ軍が攻勢を開始し、ドニエプル川を越えて進軍しているとのことです」


「何だって!?前線の部隊は何をやっているんだ!」


その報告を聞いて、スターリンは慌ただしく動き始めた。


「このままではドイツの装甲師団に後方へ浸透され、包囲させる危険性があるとの報告も」


「・・・南部の軍はドン川まで撤退して、戦線の立て直しを図る。ジューコフ元帥らを呼んでくれ。作戦会議を始める」


「かしこまりました」


その後、作戦会議が開かれ、南部に訓練中の師団を緊急配備することが決定された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ