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5-4 シベリア出兵

1940年7月。日本はドイツの同盟を理由に、ソ連侵攻を決意。日ソ中立条約を破棄し、ソ連領への進軍を開始した。1918年、ロシア革命によって共産化したロシアに対する干渉戦争、シベリア出兵になぞられて、日本の対ソ戦は第二次シベリア出兵と呼ばれた。


元々、共産主義というイデオロギーは、日本の国体である天皇制と相容れなかった。そのため、共産主義の拡大を恐れてシベリアへ出兵するも、過酷な自然環境とゲリラ戦により撤兵。莫大な戦費を出して出兵したが、何の成果も得られずじまいだった。それから、陸軍はソ連を仮想敵国にし、ソ連との決戦を計画し続けてきたが、連合国の経済封鎖により、仮想敵国ではなかった連合国と開戦してしまう。それでも陸軍は対ソ戦を計画し続け、満州の国境の兵力を増強してきた。

そして、ドイツがバルバロッサ作戦を発動し、独ソ戦が始まった今、ソ連と開戦して共産主義を打倒しようと決意したのだ。


開戦初日、極東の軍港都市ウラジオストクに日本軍が上陸。ソ連の極東艦隊は瞬く間に壊滅し、20年ぶりにウラジオストクは日本領となった。満州からの越境も開始し、圧倒的な兵力にソ連軍は潰走。黒竜江を越えてハバロフスク、ブラゴベシチェンスクを占領した。



―――アメリカ、ホワイトハウス


「それで、今がチャンスというわけか」


ルーズベルトは頷く。


「はい、日本が対ソ戦を開始した今、背後から日本に奇襲攻撃を仕掛けるのが得策だと思います」


「なるほど・・・戦力はどうなんだ?」


「戦力は、先月就役したばかりのヨークタウン級空母8隻。艦載機はB-25、640機です」


「日本を攻撃するには十分な戦力だな」


「そうですね。爆撃地点はどこにしましょうか」


「東京が最優先だ。次に横浜、神戸、大阪、名古屋を狙う。目標は港でも、工場でも、住宅街でも構わない」


ルーズベルトは地図を指さしながら、そう答える。


「しかし、作戦範囲が広すぎますと、軍に大きな損害が出る可能性があります。よろしいでしょうか?」


「ああ、構わない。損害は無視だ。何としてでも黄猿共(イエローモンキー)の本土を火の海にし、私たちが味わった屈辱を、奴らにも与えてやるのだ!奴らはまさか突然本土を空襲されるとは思いもよらないだろう!」


「さすが大統領閣下。真珠湾(パールハーバー)の復讐というわけですね。もし作戦が成功すれば、日本人に大きな精神的ショックを与えると同時に、我が国でも戦意が高揚するでしょう!」


その返答に、ルーズベルトは微笑む。


「そうだな。頼んだぞ、ドーリットル」


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