5-2 独ソ戦
令和初の投稿です。
開戦初日、突然の侵攻によりソ連はほぼ何もできないまま、ドイツの爆撃機5000機、V2ロケット750発は大規模な爆撃を始めた。多くの都市や基地が炎に包まれ、この爆撃で軍民合わせて約80万人が死亡し、航空機2000機が破壊された。爆撃だけで陸海空軍は大きな損害を負った。
制空権を完全に掌握したドイツ軍は越境を開始。東部戦線の敵軍は練度も低く、突然の事態に対処しきれずに戦線が崩壊。北方軍集団はレニングラード、中央軍集団はモスクワ、南方軍集団はスターリングラードを目指して電撃戦を開始した。
敵の進軍を止めるため、ソ連の虎の子戦車師団が全線に出されたが、ティーガーの厚い装甲と高い貫通能力には敵わず、師団は次々に粉砕していった。
北方、バルト方面ではドイツ軍機械化部隊が強烈な攻勢をかけて、ラトビア西部でソ連軍を包囲。バルト方面に駐留していた艦隊は、ドイツで生産された攻撃機流星による攻撃で大損害を負った。
中央、白ロシア方面では激しい空爆と各軍の連絡が絶たれ、部隊は混乱し十分な反撃ができないまま後退した。
南方、ウクライナ方面ではソ連軍の最も強力な軍が配備されていたが、白ロシア方面と同じく空爆による影響と連絡の断絶によって後方の防衛線へと撤退し、西ウクライナを失った。
ソ連への奇襲攻撃は、厳しい寒さの中にもかかわらず圧倒的勝利に終わった。
―――ソビエト連邦、クレムリン
「我が赤軍は甚大な被害を受け、ドイツ方面軍は全軍後退。戦線はモスクワに近づきつつあります」
ジューコフはスターリンにそう告げる。
「・・・モスクワは絶対に防衛しなくてはならない。シベリアの精鋭部隊をヨーロッパに移動させるのはどうだろうか?」
「現状、日本が中立条約を破棄して参戦してくる可能性は十分にあります。シベリア方面の防衛がおろそかになれば、参戦する可能性は更に上がるかと」
「なら、フィンランドと講和するしかないな。3つも戦線を抱えることはできない。フィンランド方面の軍をドイツ方面に回そう」
「はい。それが正しいと思います。アメリカは我が国に110億ドルの貸与を決定したそうです。まだ勝機はあります」
「そうだな。我々の存在が正しいということを信じよう」
ソ連は枢軸国との戦局悪化によりフィンランドとの白紙講和を決定。フィンランドも戦争による負担が増していることに両国は条約に調印し、冬戦争は終結した。
しかし、日本は本格的な対ソ戦の準備を始め、新たな戦線が生まれようとしていた。