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4-9 アイルランド

ドイツ軍のブリテン島上陸から1週間後。イギリスの隣国、アイルランドでは政府に対するクーデターが起こった。ドイツなど枢軸国は反乱軍に武器を供出し、クーデターは成功。政府は倒れ、アイルランド共和国臨時政府が樹立した。臨時政府はイギリス連邦からの離脱を宣言した。この煽りを受けて、北アイルランドでもカトリック教徒によるプロテスタントへの反乱が発生。これを好機と見たアイルランド共和国は「北アイルランドは我が国固有の領土である」とし、アイルランド共和国軍が全土を占領した。これにより、英愛条約によって分離した北アイルランドは統一され、イギリスより独立した。


アイルランドはイギリスの植民地としての歴史が最も長く、じゃがいも飢饉やクロムウェルによる侵略など、過酷な植民地支配を続けていたのだ。第一次世界大戦ではイースター蜂起を起こしたが失敗。アイルランド独立戦争ではアイルランドに自治が許されたが、プロテスタントの多い北部6州はイギリスの支配下に留まった。これが原因で反英感情が高まり、アイルランド統一を願うようになった。

そして、1939年、イギリスの敗北が濃厚になり、反乱を計画し始めた。「イギリスの危機はアイルランドの好機」をスローガンにして国民の支持を拡大し、見事に反乱は成功したのだ。



ブリテン島に上陸したドイツ軍は電撃的な侵攻を始め、瞬く間にイングランド南部、ウェールズを占領。首都ロンドンの攻防も、防衛部隊の準備がままならず、5日間の攻防で開城した。イギリスは首都をエディンバラに遷し、北部での決戦準備を開始した。イギリス王室は避難のためスコットランドを離れ、カナダへ亡命した。



―――ドイツ、総統官邸会議室


「・・・イギリスはまだ戦うつもりか」


ヒトラーは外務大臣のノイラートにそう聞いた。


「はい。イギリス政府からの講和、降伏の報がまだ入ってきていません」


「我が国から降伏勧告したにもかかわらず、イギリスは何故まだ戦うんだ?」


「おそらく大英帝国としての意地でしょう。イギリスが降伏すれば残る連合国はアメリカとイギリスの植民地のみになりますから」


「アメリカ軍やカナダ軍もブリテン島に駆け付けています。そこで足止めして我が軍の損害を大きくするのも目的の1つだと思います」


国防軍総司令官総長のカイテルはノイラートに続き、そう言った。


「イギリスへの増援など、枯れた植物に水をやるような行為だ。無意味で無駄でしかない。・・・まあいい。我々の勝利は確実だ!」


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