表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/80

4-5 スペイン参戦

―――イギリス、ウェストミンスター


チャーチルは、執務室の中で海戦の結果を心待ちにしていた。負け続きのイギリスに、何としてでも勝利が欲しかったからだ。


「首相、報告です」


「うむ、海戦のことだな?」


執務室に入ってきた第一海軍卿ダドリー・パウンドが報告をする。


「はい。知っての通り、ドーバー海峡にて枢軸国と海戦が行われ、結果は・・・」


「結果は?」


「・・・我が軍の負けです。戦力は同等だったものの、こちらは損害が空母1隻、戦艦1隻、重巡洋艦2隻、軽巡洋艦2隻、駆逐艦20隻、潜水艦15隻。一方、枢軸側は戦艦1隻、重巡洋艦2隻、軽巡洋艦2隻、駆逐艦10隻、潜水艦20隻と、こちらの方が損害は大きいです」


「・・・ん?もう一度言ってくれないか?」


チャーチルは現実を受け止めきれない様子でそう聞いた。しかし、何度聞いたところで結果は同じ。仕方なくもう一度言う。


「こちらの方が損害は大きく、我が軍の負けです」


「な、何故だ?王立海軍が負けるわけないだろう!それに、敵はどうやって同等の戦力を揃えた?」


チャーチルは大声で怒った。まだ負けを信じられないのだ。


「どうやらドイツ軍は海軍を大幅に増強させていたようです。敵は既に空母を持っているようです。航空機の数でも相手が上回っていますので、艦隊決戦では勝てても対艦攻撃には敵いません」



なんとドイツは新型空母、グラーフ・ツェッペリンを竣工していた。これの投入により、ドイツ海軍の戦力は大幅に向上したのだ。


「まさかドイツが空母を持っているなんて・・・仕方ない。海軍用の航空機を増産してくれ」


「それが・・・航空機の増産に必要なゴムが不足していて、生産ができない状況です。ゴムを生産するインドやアフリカとのシーレーンは遮断されていますし・・・」


「く・・・このままではロンドンが危ないぞ・・・」


チャーチルは危機感を募らすだけだった。



―――マドリード、総統官邸


「フランコ総統、ドイツ政府より電報です」


「一体何だ?」


スペインの総統、フランシスコ・フランコの元に1つの電報が届いた。


「スペインに参戦してほしいとのことです。同様の電文が日本、イタリア政府からも届いています」


「我が国はまだ内戦から復帰したばかりだ。しかし、連合国の劣勢を考慮すれば・・・」


きっとドイツは地中海の要所、ジブラルタルを陥落させたいのだろう。フランコは悩んだ末、こう答えた。


「こちらにも準備が必要だから、1か月待ってくれ。それから参戦する、と返信してくれ」


「かしこまりました」


こうして、スペインの参戦が決まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ