4-4 バトル・オブ・ブリテン
1939年4月。オランダ領東インド、フィリピンでの戦いを終えて、現在はオーストラリア領のニューギニアとビルマに向けて進軍中だ。ニューギニアでの作戦とビルマでの作戦を終えたら、当分の間それ以上進軍しない。これ以上広げると、補給線が伸びきって、輸送船の数が足りなくなるからだ。ニューギニアは未開の地であるため、補給に苦しむかもしれないが、輸送機や海軍基地の増設で何とかしていく。
北方の安全を守るため、日ソ中立条約を締結。内容は史実と同じものだ。
三式戦闘機飛燕、四式戦闘機疾風、四式重爆撃機飛龍、紫雲、瑞雲、晴嵐などを開発。四式戦闘機は今後の主力戦闘機として生産していく。四式重爆撃機も主力爆撃機だ。瑞雲は、空母に搭載可能な爆撃ができる偵察機で、晴嵐は空母に搭載可能な偵察ができる攻撃機だ。ただの艦爆、艦攻よりもこっちの方が偵察ができるため、こちらを主に使っていく。
―――ドーバー海峡
この頃、ドイツはイギリス本土の制空権の獲得を目指して大量の戦闘機を出撃させ、イギリスも相応の戦力を出す、バトル・オブ・ブリテンが始まっていた。
「おい、前にドイツ軍の戦闘機だ」
イギリス空軍のパイロットは、後ろにいる機銃手に向かってそう言った。
「やるのか?」
「ああ、もちろんだ。スコアを稼ぐチャンスだからな」
パイロットは、敵機が1機であることを確認して迎撃を判断した。
「機銃を叩き込め!」
その命令の通り、敵戦闘機に機銃を打ち込むと、敵はそれをかわしてひらりと旋回した。
「なっ!?」
旋回した敵機は、真下に入り込む。突然の出来事に回避する余裕もなく、翼に機銃が直撃し、そのまま墜落した。
イギリス空軍が遭遇した戦闘機は、一式戦闘機隼のドイツ型。ドイツがライセンス生産をしているものだ。この戦闘機を使うことにより、航続距離や旋回性を改善していたのだ。
―――イギリス、ウェストミンスター
「チャーチル首相、ほ、報告があります」
「どうした?もしや、ドイツ空軍がここまで来たのか?」
チャーチルの執務室に秘書が入り、慌てた様子でそう言った。
「いえ、まだ何とか食い止められているようです。それ以上の問題があります」
「い、一体何だと言うのだ・・・」
「ドイツ、フランスの艦隊がドーバー海峡に現れました。どうやら、ドーバー海峡の制海権を狙っているようです。制空権は敵に取られていますが、迎撃しますか?」
「当たり前だ。あの貧弱なドイツ海軍に我らが王立海軍に負けるわけがない。我々には強力な空母や戦艦がいるのだからな」
チャーチルは自信満々にそう言った。しかし、今のドイツ海軍は前の海軍と違っていた・・・