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3-12 御前会議

―――1938年11月、千代田区


ハル・ノートを受け取った日本政府は、天皇出席の会議、御前会議を開いた。


「アメリカのハル国務長官からの要求は我が国への最後通牒です。陛下、どうかご決断を」


外務大臣の宇垣一成はそう言った。


「いえ、あの要求は宣戦布告も同然です。開戦は・・・やむなしかと。既に米英との戦争の準備はできています」


参謀総長の閑院宮載仁親王(かんいんのみやことひとしんのう)はそう言ったが、


「もう少しアメリカとの交渉をした方がよいかと思います。総力戦研究所によると、米英と開戦して勝利できる確率は40%です。ただ、長期戦になるとまず勝てません」


などの意見もある。しかし、アメリカは交渉に応じるつもりは全くない。この意見は切り捨てるのが妥当だろう。でも、総力戦研究所の研究は本当だ。長期戦になると勝てない。最初は快進撃が続くものの、末期にはソ連が参戦し、国が滅んでしまう。それは分かっている。

その後も会議は続き、ついに俺が決断を下すときが来た。


「アメリカの要求は受け入れられない。対米英開戦を決意する」


こうして、ここに大東亜戦争の開戦が決定された。



―――1938年12月、海軍


第一航空艦隊の司令長官、南雲忠一(なぐもちゅういち)のもとに、暗号電文が届いた。


「長官、司令部より暗号電文です。ニイタカヤマノボレ一二○八」


「12月8日に作戦を開始せよとの電文だ・・・」


南雲長官は自分の行う作戦の重さを噛み締めていた。

南雲長官率いる艦隊は、択捉島からハワイに向けて出発した。



12月7日。日本政府は、全世界に向けて声明を発表した。その内容は、


「現在、欧米諸国による大東亜の植民地支配により、多くの民が苦しめられている。米英などは自国の利益のために侵略と搾取を続け、世界平和と大東亜の各国の独立を脅かしている。我々はそれらの植民地を解放し、大東亜に民族の繁栄と共存のための自由な経済圏、大東亜共栄圏の建設をここに宣言する。大東亜共栄圏の建設のためにはいかなる障害をも排除する」


という内容だった。

これを聞いたルーズベルトは、


「明日、大きな戦争が勃発するだろうな・・・」


と執務室の中で呟いた。

ルーズベルトはハワイ諸島の北に日本の艦隊が接近していることを知っており、これを黙認していた。日本軍に攻撃をさせるためだ。損害を減らすため、真珠湾にいる空母、エンタープライズとレキシントンを輸送任務に就かせていた。

同じく、イギリスも戦争の勃発を危惧していた。


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