2-7 イタリア侵攻
この辺から軍事行動が史実よりも早くなってきます。
1937年7月、ドイツがイタリアへ侵攻した。戦争は1か月足らずで終結し、結果はもちろん、ドイツが勝利した。もしかしたら、日本からの支援がなくても勝てたかもしれない。
ドイツ軍は装甲師団をいくつも持っているのに対し、イタリア軍は貧弱な歩兵ばかり。戦力はどこをとってもドイツ軍の方が優れており、最初からイタリア軍には勝ち目がなかったのだ。
ドイツ軍は装甲師団を使った電撃戦で瞬く間に戦線を突破し、首都ローマに到達。ドイツ軍がローマへ到達する前に、イタリア国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世が国外へ逃亡。その後、市街戦を行った後にイタリアが降伏した。
国王が逃亡したことで王制が崩壊し、更にムッソリーニが処刑され、イタリアは無政府状態になった。
しかし、ドイツによりイタリアに傀儡政権が建てられ、無政府状態は解消した。その後、ドイツとイタリアが(対等ではない)同盟を結び、イタリア領の北アフリカ、東アフリカにドイツ軍が進駐した。
ドイツはイタリア軍の艦艇もいくつか接収してくれたので、これで俺からの要望は全て叶ったわけだ。
イタリアへ侵攻したことで何かが起こるかと思っていたが、特に何も起きなかった。まあ、ファシズムなんて英仏からしたら敵に近いような存在だし、特にイギリスはエチオピア侵攻辺りから敵視しているからな。英仏が参戦してくるようなことはなかった。
フランスはマジノ線をイタリア国境まで延ばさなくてはいけなくなったみたいだ。フランスはまだ要塞の力を過信していて、そこまで兵を割かなければいけないみたいだから、こっちにとっては好都合だ。
チェンバレンはチャーチルとは違い、戦争には反対みたいだから、参戦してくることはないだろう。
ドイツがIII号戦車、IV号戦車、パンツァーファウストを開発した。開発のための資料を渡したことと、日本からの数100億ライヒスマルクの支援をもらっているから、開発が進んだのだろう。
支援のおかげで、ドイツでは軍拡が進み、国民も裕福になってきている。国民の反日感情は消え失せ、親日的になってきた。親日になってくれれば、ドイツとの協力もしやすくなるから、大歓迎だ。
―――ベルリン、総統官邸
「総統閣下、イタリア領の北アフリカ、東アフリカへの進駐が完了しました」
ゲッベルスはそうヒトラーへ報告する。
「そうか・・・ブロンベルクにポーランドへの侵攻の準備をしろと伝えろ。9月頃には作戦を開始するつもりだ」
「はっかしこまりました」
ついに、ヒトラーはポーランド侵攻の準備を始めた。これより、第二次世界大戦が始まろうとしていた・・・