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2-5 開発案

―――1937年5月、ベルリン


この日、ドイツの首都ベルリンに今上天皇が訪れ、ドイツ総統ヒトラーと会談を行った。

今回も、天皇とヒトラーの2人だけで、会談も非公開である。



「本日は、どういったご用件で会談を?」


ヒトラーは、俺に対してそう聞いてくる。


「今日は、我が国から兵器の開発案を持ってきました」


「開発案・・・ですか?」


「ええ。前もお伝えした通り、私は未来を知っています。未来のドイツで開発される兵器を、今開発してもらおうと思いまして。こちらが兵器の資料になります」


俺は、そう言って用意しておいた資料を渡した。

渡した資料は、III号戦車、IV号戦車、パンツァーファウスト、V1飛行爆弾、V2ロケット、メッサーシュミット、タイフーン、8.8 cm FlaKの新型などの資料だ。

これは俺が独自に作り上げた資料であり、少し改良を施してある。V2ロケットとかは、前の世界でも作ったことがあるからな。


「なるほど・・・これは素晴らしいですね」


一見、ヒトラーが感心したように見えるが・・・読心したら、あまり分かっていないようだ。科学者に見せた方がよかったかな。

一応、資料の説明をしてみる。


「これは、V2ロケットと言います。これは、液体燃料を使って飛ぶことができ、着弾地点を制御して敵地を遠隔操作で爆撃することができます。これを使えば、戦場で兵士が血を流すことなく爆撃ができます。敵がV2ロケットを迎撃することは不可能です」


「そ、そんなことが本当にできるのですか?」


「ええ。未来のドイツでは、これを使って主にイギリス本土を爆撃します」


説明を聞き、ヒトラーは驚く。まあ、ドイツが開発したのは紛れもない事実なんだが。

他の兵器も説明する。


「これはメッサーシュミット Me262といい、世界初の実戦配備されたジェット機です。ジェット機というのは、ジェットエンジンで動く航空機のことで、現在これに追いつくことができる航空機は他にありません」


「その・・・未来では、メッサーシュミットはどんな活躍をするのですか?」


「残念ながら、実戦で使えるようになった時には連合国に対して劣勢に回っており、機体やロケット弾を揃えることができず、戦況を覆すことはできません。

しかし、今から開発すれば、十分に間に合います」


(未来の兵器の話は、一見作り話のようにも思えるが、現実味を帯びている・・・それに、このお方が嘘をついたことはまだ一度もないしな・・・)

「分かりました。この資料を我が国の技術者、研究者に渡し、これらの兵器を開発させます」


ヒトラーが兵器開発を承諾してくれた。


「ありがとうございます。もし開発ができましたら、我が国でのライセンス生産を許可していただきたいです」


「ええ、もちろんいいですよ」


これで、約束が成立した。

日本でこれらの兵器を開発させるより、ドイツで開発させて、開発を同時進行させた方が、時間短縮になるからな。


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