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1-9 日独会談(前編)

この話を含めてあと3話は密談の話になります。

色々とおかしいところがあるかもしれませんが、温かい目で読んでください。

登場人物が作者の都合で動いているのは前作と同じです。

1936年11月、大日本帝国の今上天皇とドイツ第三帝国総統、アドルフ・ヒトラーは密かに会談を行った。会談は、両国による幾多の交渉により実現した。会談をしたいと申し出たのは日本政府であり、ドイツ政府は何度も断ったが、天皇の意向であるということを伝え、何とか今日の会談が実現したのだ。逆に、日本国内でも天皇自らが行くことに反対があったが、天皇がそれを押し切って参加した。

しかし、会談の内容については、両国政府とも知らない。会談も、天皇とヒトラーの2人だけであり、天皇はドイツ語が分かるため、通訳もいらない。正に秘密会議なのだ。



「では、会談を始めましょうか」


俺は、お互いの準備が整った時、そう言って会談を始めた。目の前に映っているのは、ドイツ総統のアドルフ・ヒトラーである。


「ええ。・・・ところで、本日はどのような目的でこの会議を行ったのですか?」


ヒトラーがそう聞いてきた。何の目的での会談なのか分からないからだろう。


「今日は、あなたにとってとても重要なことを伝えに来ました」


「重要なこと・・・ですか?」


ヒトラーは、そんなことあるのかという表情をする。俺は、未来から来た人間(前の世界は古代だったが)だから、これから起こることは全て分かっている。


「実は・・・私はこの先の未来が分かります」


俺はきっぱりとそう言った。突然の常軌を外れた発言に、ヒトラーはキョトンとする。


(いくら神の子孫でも、そんなことがあるわけないだろ・・・)


読心すると、そんな声が聞こえてきた。まあ、そんなこと急に言われても、普通は信じないよな。


「私には、これからドイツがどうなるか分かります。是非聞いてください」


俺はそう言って、この後起きるであろう、ドイツの未来を語った。オーストリア併合、チェコスロバキア解体、ポーランド侵攻、西方電撃戦、イタリア参戦、北アフリカ戦線、バトルオブブリテン、独ソ戦、ドイツ降伏など、第三帝国崩壊までの道のりだ。


「〜よって、ドイツは資本主義と共産主義によって分割されてしまいます」


話し終えると、ヒトラーは・・・


「・・・とても筋の通った話ですね」


と言った。この様子からして、話をあまり真に受けていないようだ。単なる1つの未来予想ぐらいにしか思っていないのだろう。こんな話をされたら、普通は怒るよな。


「・・・それで、日本やアジア諸国はどうなるのですか?」


ヒトラーはそう聞いてきた。そういえば、日本についての話は、劣勢になった1943年のところまでしかしていないな。


「日本は1945年8月に降伏します。その後、アジア諸国は独立しましたが、日本は連合国に占領され、国体(天皇制)や国家神道は崩壊、日本軍は解体されます」


「ッ!?」


俺がそう言うと、ヒトラーは驚きの表情を見せる。読心すると・・・


(いくら作り話でも、天皇制の崩壊を自ら言わないだろ・・・いや、作り話ではなく、さっきまでの話は全て本当なのか?)


そんな声が聞こえてきた。よく分からないが、少しずつ信じてきたようだ。


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