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異世界でチートだが万能ではない  作者: 杏栄
第一部 森の中で
8/96

1.転移/文明度

前回のあらすじ?世界地図は三日月型パンゲア、付近の地図はソルトレークシティをイメージのこと。


 まず自分に不利と思われることを否定する。

 今すぐ盗賊が自分たちを殺しに来るわけではない。

 盗賊は必ずしも強いとは限らない。

 黒猫は、盗賊に殺させるために自分を喚んだわけではない。

 次にそれを無理矢理希望的観測に書き換える。

 自分は盗賊より強くなれるかもしれない。

 盗賊より強くなる時間があるかもしれない。

 黒猫は、

「俺が強くなる手助けをしてくれる?」

「無論ダ」

「強くなれる?」

「君ノ努力次第ダガ……ソノ体ハ、肉体的ニモ魔法的ニモ、イロイロト手ヲ加エタ強化体ダ」

 よしっチート来た!小さくガッツポーズする泰雅に、黒猫はやれやれと肩をすくめた。

「強イコトト、強クナレルコトトハ別ダゾ」

 泰雅は握り拳をそのままに、ぽかんとして黒猫の言葉を反芻した。

「強化体トシテハ最高ノモノヲ用意シタ。シカシ肉体ノ力ハソレヲウマク操レナケレバ発揮デキナイ。魔術ノ素質ヲ発揮スルニハ、魔術ヲ身ニ付ケナケレバナラナイ」

 泰雅は眉根を寄せようとした。

 レーシングカーのようなものだろうか。技量が追い付かなければ、そのポテンシャルを生かしきることができない。

 あるいは戦車か。撃ち方がわからなければ戦車砲は無用の長物だし、いくら装甲が厚くても多数に囲まれればいつかは力尽きる。その敵が多少弱かろうとも。

「わかった――けど、そうすると相当大変そうだな。俺、この世界のこと何も知らないし、魔法も武術も使えない。科学技術だって――」

 泰雅はふと疑問を口にした。

「科学技術ってどれくらい進んでるんだろう。えーと、ガソリンエンジン?」

「ナイ」

「蒸気機関?」

「ナイ」

――産業革命前からか。四大発明とは何だったか。

「紙?」

「アル」

「印刷技術――活版印刷だっけ?」

「ナイ」

 ないのか。

「火薬?」

「アル」

 おお。

「じゃ鉄砲は?」

「ナイナ」

 するといわゆるてつはう――手榴弾どまり。ワット、グーテンベルク&カラシニコフあたりが当面の目標か。


 ミハイル・チモフェエヴィチ・カラシニコフ(1919-2013)。信頼性、耐久性、生産性を兼ね備えた『世界で最も多く使われた軍用銃』AK-47の設計者。1911&M2(ほか)のジョン・モーゼス・ブローニング(1855-1926)でもよかったが、時代が近い方を採用。

 他の2人のように、そのうち教科書にも載るかな(期待)。


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