さよなら、わらべ歌
結局、あの事件は夏楼さんが真犯人ということだった。
事情徴収によれば、夏楼さんは裏野ドリームランドの元支配人・管理人かつ、普段テレビ放送局で働いているディレクターであり、パスワード管理の部屋に侵入して電波ジャックを行ったという。
裏野とは、仕事の帰り道に偶然知り合っただけの関係だった。薬物に依存し、多額の借金を背負い、ホームレス生活をしていた裏野。夏楼さんは、そんな裏野に目をつけ、「電波ジャックの犯人役を肩代わりしてくれれば、1億円やる。」と甘い言葉をささやいたのだ。
実は、裏野は死体の臓器を裏で売買するバイトをしていた為、メスを持っていた。
物騒な事件もあるものだなぁ、と私は雲を見上げながら思った。
けれど、夏楼さんはそれだけお父さんの願いを叶えたかったのだろう。
あの後、北海道のホテルに泊まった私達は、翌日の夕刊で裏野ドリームランドの解体作業が始まったことを知る。
裏野ドリームランド…やがてその名は世間から忘却され、なかったものとなるだろう。
けれど、夏楼さんには覚えていてほしい。
――裏野ドリームランドが、私達廃墟部部員の心の中で、永遠に夢を輝かせる存在であり続けること。
忘れられた過去にも、"あの頃の思い出"は存在していて、それは"なかったこと"にはならないのだ。
「なぁ~にぼんやりしとんねん、詩織!」
部室で空を眺めていた私は、玲夜の声でふと我に返る。
「そっちこそ、何でここにいるのよ!」
「べっつにえぇやろ。人をバイキンみたいに扱うなって!」
こうして、また平凡な日常が戻ってきた。
私達の大学生活は、まだ始まったばかりだ。
――この地球のどこかで、忘れ去られた郷愁の足音が聞こえた気がした。――
★☆『桜色の忘却①―郷愁の足音―』End.☆★
ここまでお読み下さって、本当にありがとうございました。
初めてのジャンルで戸惑うこともありましたが、何とか書き上げることができました。
私は、すっとぼけてることがあるので、疑問点や変なところなどありましたら、いつでも教えていただけると嬉しいです。(感想でも、Twitterでもいいので、いつでもお願いします。)
この作品は、シリーズものにする予定です。
少しずつ変わっていく人間関係。廃墟部として活動する中で、恋愛にも転機が訪れて…?どうする、詩織!
これから、パワーアップしていけたらなと思います。どうか温かく見守っていただけたら幸いです。
ブックマークや評価、感想などいただけたらとても嬉しいです。
このような稚拙な作品をお読み下さって、誠にありがとうございました!!
これからも、どうかよろしくお願い致します。
★時見 星利★




