ウサギは竜で配送する。
タナカハナ様の企画人外宅配便に参加させていただきました。
ユルい現代ものというくくりだったのでユルい現代な明正和次元が舞台です。
よろしくお願いいたします。
今日は天気だ空が青いな♪
仕事頑張ろうっと。
「光田君、今日の配送作業だけどね。」
配送課の主任が言った。
「はい、高田主任なんですか?」
僕は振り向いて高田主任を見上げた。
「五十嵐道場によって荷物を受け取ってから行ってよ。」
高田主任はそういって僕の頭を撫でた。
「ふわふわだね♪」
セクハラですか?高田主任?
僕たしかにウサギの獣人なんで小さくてふわふわですけど。
人型もなれるんですよ。
持続時間短いけど。
まあ、いこうかな?
「なな♪仕事だよ。」
僕は愛竜ななに声をかけた。
『仕事なの、大夢わかったわ。』
僕が育てた騎士竜は僕と竜にわかる心話で返してきた。
騎士竜ならみんな自分の騎士に心話を返せる。
ここは『ドラゴン急便』。
ラシュルド王国の竜騎士が戦争が無くなってそのかわりにはじめた国家事業だ。
ラシュルド王国のある、二次界が主な活躍の場だったけど。
三次界でも世界中に広がっている。
だから僕も一応竜騎士だ。
三次界の日本支社勤務なんだ。
「光田君、君は暖かそうでいいな。」
同僚の井上さんが首にみつあみを巻き付けながら言った。
竜騎士は飛行中危なくないように自身の髪の毛で防寒する、だから長いんだ。
「僕もたまには人型で髪の毛巻いて飛びたいです。」
僕は、ウサギ型の方が暖かいのでウサギ型で飛ぶ。
「可愛いのに。」
井上さんが言った。
男的には可愛いはNGです。
「こんにちは、ドラゴン急便です。」
五十嵐道場に声をかけた。
「はーい、すみませんね~。」
踏み踏みワンコさんが出てきた。
踏まないでね。
「あー、光田さんだぁ、可愛い♪」
五十嵐家最弱の女と名高い、快黎さんが出てきた。
「痛い。」
踏み踏みワンコさんに足を踏まれた。
「すみません!すみません!」
踏み踏みワンコさんが謝った。
たしか、強い人ほど踏まれると言う恐ろしいワンコだった。
僕も竜騎士だから槍術でそこそこ戦闘能力あるしね。
「グーレラーシャ次元門までこちらの荷物を運んでください。」
踏み踏みワンコさんから渡された荷物を受け取った。
「次元門対応の梱包はしてありますね。」
次元門を越えるのには必要だ。
「はい、大丈夫です。」
踏み踏みワンコさんが言った。
「光田さん、大事なお友達の出産祝いなのよろしくお願いします。」
快黎さんが深々と頭を下げた。
こう言う時この仕事していてよかったなぁって思うよ。
大事なお客様の思いを届けられるなんて幸せだよね♪
「承りました、きちんとお届けさせていただきます。」
僕は大切な荷物を保管用の差し入れ小袋に入れた。
「なな、いくよ♪」
僕は心がポカポカしながらななに乗った。
『大夢嬉しそう♪』
騎士竜はパートナーの気持ちがよくわかる。
そうじゃなきゃ信頼して一緒に飛べないよ。
僕とななは空に飛び立った。
冷たい上空の空もふわふわな毛がガードしてくれる。
青い空の中で僕とななは風になった。
ってほどかっこよくありませんよ。
ハア、ウサギ型だし。
グーレラーシャ次元門は比較的新しい次元門だ。
パーウェーナ世界と言う異世界の
グーレラーシャ傭兵国と言う国の
王都につながってるってさっき
看板に書いてあった。
「ドラゴン急便さん、グーレラーシャ傭兵国の王宮あての荷物確かに承りました。」
次元門の受付のお兄さんが言った。
「よろしくお願いします。」
僕は頭を下げた。
「...ドラゴン急便さん、可愛いって言われませんか?」
受付のお兄さんは僕にさわりたそうだ。
「言われます~。」
僕は言い捨てて逃げた。
男にさわられるのは
職場だけでじゅうぶんだよ。
「なな、配送の続きをしようか?」
僕はなんか疲れて言った。
『...そうね。』
ななはなんか察したようだ。
今日の配送作業は終わりました。
「光田君、お疲れ様。」
ななの世話をするために人型になった僕の白い頭を井上さんが撫でた。
人型でも一緒なんだよなぁ。
「野菜ジュース飲む?」
井上さんが僕のすきなピンクの野菜ジュースをくれた。
「わーい、ありがとうございます♪」
嬉しいな♪
飲んじゃおうっと。
「光田君、人型も可愛いね。」
井上さんが言った。
「男に可愛いはやめてください。」
僕は言った。
「白い長い髪、赤い目、小柄な身体、なんで女の子じゃないのかな?」
井上さんが言った。
「僕は男です。」
なんで間違えるかな?
「...まあ、そうだけどね、お疲れ様。」
井上さんは僕の頭を撫でて支社に入っていった。
僕、男なんです。
どんなに女顔でも
モコモコなウサギ型獣人でも
だからああいう発言やめてほしい。
鍛えれば筋肉もりもりになれるのかな?
僕の悩みはつきませんよー。