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牛乳からできる魔石

「SmileJapan」参加作品として執筆を開始しました。

短編ではなく連載なのは、もしかしたら他にも何話か書くかもしれないからです。

書いたらその時はよろしくです。

まぁとりあえずはこの話をお楽しみになってください

少しでもこの小説で笑顔になってくれる人がいることを願います。


※この小説は、N的声題さま(http://nomark.skr.jp/n/)に掲載されている台詞にインスピレーションを受け執筆を開始したものです。

「さー、3分クリエイティングの時間がやってまいりましたー。今日もここ、魔導師協会実験室からお送りしますー。今日のお題は『牛乳からできる魔石』ですー。珍しいですよねー?牛乳からできる魔石。まー、きっと3分で作れちゃうような即席魔石ですから力は弱いですが、食べて見ると美味しいかもしれませんよ?ははは。さー、では、レッツクリエイティングー!」


 魔導師協会、それは世界でも有数の巨大組織だ。

 協会には優秀な魔導師が多数在籍し、各地で魔導師の必要となる問題の解決に当たっている。

 また魔導技術向上のため日夜難解な研究に勤しんでいる・・・・・・はずなのだが


「・・・・・・・・・・・・」


 魔導師協会実験室には和やかな空気と、どうにも面倒くさそうな空気の二つしか存在していなかった。


「あれー?ほらほらどうしたんですか、かけ声は大切ですよ?レッツクイエイティングー!」


「クリエイティングー・・・・・・」


「元気が足りませんよー?もっと声出していきましょー」


「・・・・・・あのさ、まだこれやるのか?もういいだろうよ」


 青年は、面倒そうに若干諦めた声で言う。


「なに言ってるんですかー?いつまでもやるに決まっているでしょう、私たちには魔導技術を向上させる義務があるんですよー?」


 さも当たり前のようにもう一人の少女は答える。


「分かってる、それは分かってるんだ。でもよ・・・・・・なんで毎回毎回『塩から作る魔石』やら『卵からでもできる魔石』やら意味不明なものばかりなんだ!!」


「それはねー?身近なものを使った方が何となく驚きがあるからだよ。だって普通卵から魔石なんて作らないでしょー?」


 叫ぶように青年は少女に言うが少女は「それに材料にも困らないですしねー」と言って聞いていないようだ。


「じゃー始めますよ。『牛乳からできる魔石』をレッツクリエイティングー!」


「あぁーもう!分かったよやりゃいいんだろやりゃぁ!レッツクリエイティングッ!!」





「それでできたのがこれなの?」


 本棚に囲まれた執務室の中央に置かれた大きなデスクに向かう女性は、乳白色の光沢を放つものを見て言った。


「そうですよー。牛乳に魔力圧をグイグイ3分間かけて固めた『牛乳からできる魔石』ですー!」


 魔石を作った少女は自信満々にそう答える、隣では相方の青年がうな垂れているのだが


「効果は?魔石と言うんだからには何かしらの効力があるんでしょう?報告にまであげてきたのだから聞きたいわ」


 デスクに向かう女性は笑顔で、だが多少諦めた風に聞く、つまりは彼女もそう言うことなのだ。


「効果は体力回復ですよー。普通の下級回復魔法を使うより大体2割くらい増し増しで体力回復を行える意外とすごい魔石になりましたー」


「あら、本当にすごい効力ね……相方くんからの追加報告はあるかしら?」


 女性はうな垂れている青年に聞き、青年は疲れきった顔を上げ答える。


「効果は体力回復、効力は確かに下級回復魔法の2割増し程度……なんですが」


「やっぱり、続きがあるのね?」


 分っていたようで、相槌を打つとすぐに話を続けさせる。


「その魔石、使用方法が口に含むことなんです。口に含んでいると込められた魔力が溶け出て魔力を微量回復し、その恩恵で副産物的に体力が回復します。まぁ体力回復の割合が高いので効果は体力回復としてますが」


「……それだけ?」


「……だったら良かったんですけどね。これ、効力が出るまでに時間がかかるんですよ。大体口に含んでから30分から1時間くらい、その後はさっき言った効力通りですが……効力の持続時間もそれだけ引っ張りながら15分ほど、実用なんてできませんし断然魔力結晶(エーテル)の方が効果的です。つまりそれは、ただのミルク味の飴って事になります…………」


「そんなことないよー、魔力結晶(エーテル)は数に限りがあるけどこっちは牛乳あればいくらでも作れるから優秀ですよー?」


 青年は心底疲れきった表情で報告を終え、少女は未だそんなことをのたまう


「はぁ、まぁいいわ。これはこれで長期任務用の携帯食料として研究し直すこととします。報告は以上ね?お疲れ様、相方くん」


「お疲れ様でした……」


「おつかれさまでしたー」


 二人は執務室から出て行き女性も気が抜けたように息を吐く。


 今日も魔導師協会は平和です。

「SmileJapan」参加作品は多数存在します。

皆様大変面白い小説を書かれているので他も読んでいただけると幸いです。

そして少しでも笑顔になっていただけたらと思います。

それでは失礼

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