第二回深夜会議中
一人で孤独に浸る小さな女の子。
社会的に、これは放っておけないだろう。
でもそれより放っておけないのは、その幼女と一緒にいる少年と少女の方であろう。
その二人でさえ動かないのならば、幼女が動く訳もない。
早くなんとか誰かしてほしい。
誰もかれもみんな自分たちの事を忘れたのだろうか。酷い話だなぁ。
まち疲れて、その幼女は眠りについてしまった。
そしてこれまた深夜会議。
「なんか、つまらんかったな」
「……はい、それで実験結果はどうだったんですか、博士」
「まだ実験は終わらないって。俺思うんだけどね、もうちょっと過激に行こうぜ」
「……かげき」
「そう過激」
拓斗はこれでもかというドヤ顔になって呟いた。
「これから喧嘩しようぜ、俺達」
「断固拒否、絶対嫌」
「なんてひどい」
それから一つずつ自分の考えをしゃべりだした。
庵の前で口喧嘩をして、発狂しあって、どちらかが家を出て行く。
そうすれば幼く純粋な彼女の心にひびが入るだろう。
「はあ」
「うん、でね、お前に出て行ってほしいのよ」
「なんであたしが」
有紗が家から退散すれば、何も食べれない、できない。
これで空腹と寂しさと気まずさが入り混じってすごい事になるだろう。
楽しいだろう、わくわくするだろう。
「やだよ、あたし出て行くのなんか」
「大丈夫だって。時間を見て、俺がなんとかするから。家を出たと見せかけて、この建物の屋根の上に登ってくれないか。たしか裏に梯子があったはずだから」
うーん。少々考え込んで頷いた。
「じゃあ、ご飯持ってきてくれる」
「作れないから、無理だろ」
「わかった。じゃあ適当に何か鞄に入れておく」
「そうしておけ。じゃあ、わかったな?どうでもいいくだらない事で俺が絡んでお前を怒らせるから」
「……馬鹿らしいじゃないか。それ」