がいしゅつ
「あそびたい、あそびたい」
「え……ちょっとお前……」
ぴょこぴょこと飛び回りながら、ボールを持ち、今にも目玉が割れそうなほどにキラキラしていた。
「ぬるぬる動く……」
庵は、フラフラとしながら外へ歩いて行った。
おいおい、扉を開けられるのかよ。
それに何かいけない薬を大量に飲んだやつのような動きをするから、ちょっとおそろしいという感情に駆られた。
「待て、ちょっと庵ちゃん」
「あそびにいこう、ねぇ、あそびにいこう」
眩暈に襲われた気分だ。頭の中がぐわんぐわんと啼いているようだ。
絶対に言う事を聞いてやらなくては、彼女は頭から砕けてしまうような。
「駄目だって……そんなことしちゃあ」
「いやだ……やだもう、げんきなのに」
赤ら顔でそんなこと言われても、
とりあえず、有紗を起こしてきたのだが、眠たそうに眼をこすって全然話を聞いてないな。
「あそびにいきたいの、そしておかいものしたい、ゆうえんちいきたい、おともだちのいえにいきたい」
「我儘はいけないって」
「……どうして?パパはわがままいわないの?」
「パパ……?」
庵の目の輝きはどう見ても拓斗に贈られたものだった。
父親に等しい存在となったのか、それはまず、ないと思う。
「いわないの?」
「言うはずなかろーが、さ、早く寝た寝た」
拓斗が庵をおいやると、彼女の顔は歪んで、目から大粒の涙が滴り落ちた。
ボトン、ボトン、舐めたくなる、飴玉の様な涙だ。
「なんなの?どうしたいの?あたしに全部聞かせて」
優しい声で語りかける。
それほどいきたいのなら、行かせてやればいい。
熱を出してしまっては自分が悪いのだから、ゆっくりと苦におぼれて思い知ればいい。
だって、絶対に言う事を聞かないと、彼女が壊れそうで。
「しょうがない、行かせてあげようよ」
「やったあぁ」
「みてぇ、キャンディーみたいなボールよ、いおりのボールなの、きれいでしょう」
一人でキャッキャ、走り回って叫んで、本当に幼い子供でしかない。
あどけないといいあらわすには、まだもう少し幼く無邪気で、こんな顔も将来しなくなる事だろうな。
昔はあんなに元気で明るかった有紗が思うのだ、そうにちがいない。
「あきちゃった。ねぇ、つぎはおかいものいきたいの」
お洋服に、おもちゃに電化製品、日用品。何を求めてそこへ行くのか
そんなこと庵はどうでもいいようで、とりあえず買い物として歩ければいい。
「わかった、わかったから、お願いだから、そんなに手をひかないで」
腕からボロボロと砂の塊に変わり、もろもろに砕けてしまいそうだからだ。
そんな気持ちに不思議となるもんだ。
庵の愛らしい笑顔を見ていると。
「愛らしい……だと……」
たった数日間だが、もう姉妹パーツの一つでしかない。
向こうも普通にしたってくれているわけだ、いいではないか。
なんか、最初はまったくなかった大きな出来事を、この物語の途中に入れたいと思い始めました。
私は、この間から周りの環境が若干変わりまして、それについては別にどうでもいいのですが
なんとなく自分の心理をそのまま描きたくなるんですよね、私って。
そういうことですので、まだまだこの話は長引く事になりました。
まだ話の新しい構想はあまり立ててないのですが、なんとか頑張って行きたいと。
そうです、久しぶりですの挨拶もなく、失礼しました。
一ヶ月ほど放置しておりました。
テスト勉強やなんちゃらで中々こちらにまで手が回らなかったのです、
ごくわずかですが少々放置していても何を求めてか、わざわざこちらのページにアクセスしてくださる方も居るんですよね。
ありがたいことです。誠にお礼申し上げます。
その方々にはかなり長い待ち時間だったと思います。
基本的、私はマイペースなので間が開いたり、一気に更新したりありますが、ご理解いただきますよう、お願い致します。
今更なんですけどね