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カメパーク  作者: 3
3/5

3話

カメ

黄金の甲羅と湯けむりの聖戦

オーブンの外は異世界だった


その日、カメパンは目覚めた。

といっても、パン屋の陳列棚の上ではない。見渡す限り、紫色の空と巨大なシダ植物が茂る「パンタジア異界」の森の中だった。


「ふかふか……。ぼく、焼けたのかな?」


メロンパンのような格子状の甲羅(クッキー生地)を持ち、手足はしっとりとしたパン生地。カメパンは、自分がただの菓子パンではなく、命を宿した**「ブレッド・ゴーレム」**として転生したことに気づいた。


暴君カイザーの影


この世界を支配するのは、冷酷無比なカイザー・ロール。通称、カイザー。

彼は「硬さこそが正義」と説き、柔らかいパンたちを「ふやけた弱者」として弾圧していた。カイザーの軍勢は、各地のジャムを奪い、バターの泉を枯らしていた。


「柔らかいパンに明日はない。すべては乾燥し、カチカチのラスクとなるのだ!」


カイザーの放つ「ドライ・オーラ」によって、森の小麦たちは次々と水分を失っていく。カメパンは決意した。このままでは、自分の甲羅もひび割れてしまう。


伝説の「大浴場」へ


カメパンは、カイザーを倒す唯一の手段が、世界の果てにあるという**「神の蒸し風呂」**にあると聞きつけた。


旅の途中、彼は奇妙な一行に出会った。


クロワッサン騎士(層が厚い)


ジャムばあさん(※異世界の魔術師)


彼らに導かれ、ついにたどり着いたのは、巨大な石造りの神殿。そこには、何者かが用意したかのように、なみなみと「ぬるま湯(イースト菌活性液)」が湛えられたお風呂があった。


「これだ……。ここで、ぼくの生地を極限まで発酵させるんだ!」


最終決戦、ふっくら対カチカチ


お風呂から上がり、これまでにないほどパンパンに膨らんだカメパンの前に、カイザーが立ちはだかった。


「カメパンよ。貴様のその甘い香りが鼻につくわ! デス・トースト・ビーム!」


カイザーの手から放たれる熱線。しかし、お風呂で水分をたっぷりと含んだカメパンには効かない。


「カイザー、君は忘れているんだ。本当に強いパンは、外はカリッと、中はモチモチだってことを!」


カメパンは渾身の力で跳躍した。必殺の**「タートル・メロン・プレス」**!

重厚なクッキー生地の重みと、発酵したての弾力。カイザーの硬い鎧は、その柔軟な圧力に耐えきれず、粉々に砕け散った。


戦いは終わり、パンタジアに平和な湯気が戻った。

カメパンは今も、森のどこかにあるお風呂の番人をしているという。


「次は、誰をふっくらさせてあげようかな?」


異世界の風に乗って、今日もどこかで香ばしい焼き立ての匂いが漂っている。

パン

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