表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第一章 基礎編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/73

第8話 仮面の影法師 ――匿名の自由と責任の鎖

インフォシティの一角、広場の片隅に情報掲示板インフォボードと呼ばれる場所があった。

そこには大きな魔法石板が立ち並び、冒険者や商人たちが自由に文字を刻んで情報をやりとりしていた。

新しいクエストの募集、武器の売買、噂話――何でもありだ。


この石板の特徴は、書き込みに名前を入れる必要がないこと。

匿名で気軽に意見を言える仕組みが、人々の人気を集めていた。


石板の前に立った瞬間、ぴこたんの姿は淡い靄に包まれ、外からは「誰か」が書き込んでいるとしか分からなかった。

「おぉ!?姿が隠れるぴこ!?これなら本当に匿名で書けるぴこ!」

ぴこたんは興奮したように石板に近づき、目を輝かせた。


「匿名なら何を書いてもバレないぴこ!?ならば……」

彼はごつい指で魔力ペンを握りしめ、勢いよく書き殴った。


『筋肉こそ最強!魔術師なんて紙装甲!剣士以外は雑魚!』


「うおおぉぉ!これでみんなにオレのマッスル哲学を知らしめられるぴこ!」

石板に刻まれた文字は瞬時に光を放ち、インフォシティ中の端末に転送された。


---


最初は面白がる声が多かった。

「何だこれw」「脳筋戦士の言いそうなことだな!」

笑い交じりの反応が返ってくるのを見て、ぴこたんはますます調子に乗った。


『魔導書読んでる暇あったら腕立てしろ!』

『筋肉があれば全部解決!数字も筋肉で答えろ!』

『オレが匿名最強戦士ぴこ!』


市場を歩く人々の間でも話題になり、広場はちょっとしたお祭りムード。

だが笑い声が次第にざわめきに変わっていく。


「え、これぴこたん本人が書いてるんじゃ……?」

「名前はないけど、口調が完全にアイツだろ」

「やっぱり脳筋だわ……」


噂は瞬く間に広がり、ついにはギルドの石板に「ぴこたん最低!」と反撃の書き込みが殺到した。


「えっ!?なんでバレてるぴこ!?匿名だったはずなのにぃぃ!」

ぴこたんは慌てて魔力ペンで投稿を重ねて必死に弁明したが、炎上の勢いは止まらないどころか増していった……。


---


そのとき。


掲示板全体が暗い影に覆われた。

文字が勝手に蠢き、無数の仮面の幻影が石板から浮かび上がる。

やがてそれらは一つにまとまり、黒衣の剣士の姿をとった。


「名を名乗らぬ者よ……無責任な言葉の刃を振るった罪、我が仮面で断罪する」


観客がざわついた。

「出たな……掲示板の守護者、“仮面の影法師アノニマス”!」


アノニマスの周囲を漂う仮面たちは次々と口を開き、悪意ある言葉を叫んだ。

「脳筋!」「雑魚!」「筋肉バカ!」

ぴこたん自身が書いた言葉が、今度は彼を責め立てる言葉に変わって押し寄せる。


「ひぃぃぃ!オレのマッスルが責められてるぴこぉぉ!」

必死に盾を構えるが、言葉の刃は心を突き刺し、筋肉では防ぎきれなかった。


---


ルークが前に進み、真剣な声で叫んだ。

「ぴこたん、よく聞け!匿名でも言葉は残る。人を傷つければ責任は必ず問われる!」


「そ、そんな……でも匿名なら誰だか分からないはず……!」

「足跡は必ず残る!魔力の流れも、通信の痕跡も!逃げ場はないのだ!」


おぬしもぴこたんの肩を叩き、冷静に言った。

「匿名性は大切だ。弱者が声を上げるための盾にもなる。

 だが、それを悪口や嘘に使えば、ただの毒だ。結局は自分に返ってくるんだ」


ミミが苦笑しながら指を突きつける。

「“どうせバレない”は一番危ない思考だよ。掲示板もログも全部残ってるんだからw」


「う、うぐぐ……」

ぴこたんは歯を食いしばり、アノニマスの仮面の群れに睨まれながら後ずさる。


---


「責任なき言葉は、己を縛る鎖!」

アノニマスの剣が振り下ろされ、無数の仮面が鎖のように絡みついてくる。

「ぎゃああぁぁぁ!マッスルが縛られるぴこぉぉ!」


ルークが剣を掲げ、その盾からは光の陣を展開する。

「必殺――真義結界インテグリティ・シールド!」

まばゆい光が渦を巻き、ぴこたんを縛る鎖を弾き飛ばした。

「誠実な言葉こそが、お前を守る真の鎧だ!」


光が仮面の一部を弾き飛ばす。

おぬしとミミも声を合わせた。

「ぴこたん、自分の言葉に責任を持つんだ!」


ぴこたんの胸の奥に熱いものが込み上げる。

「オレは……オレは、匿名でも責任を持つぴこ!

 筋肉も、言葉も、全部オレ自身のものだぁぁ!」


拳を振り上げると、その力が光の衝撃となって走り、仮面を次々と粉砕していった。


「うおおおおお!これが必殺――言責粉砕リスポンシブル・ブレイクぴこぉぉ!」


最後の仮面が砕け散り、アノニマスは煙のように消えていった。


---


掲示板に再び光が戻り、人々のざわめきも落ち着いた。

石板には「匿名でも責任は残る」という文字が、契約のように刻まれていた。


ぴこたんは荒い息をつきながら、拳を握りしめた。

「オレ、これからは正々堂々、筋肉ネームで語るぴこ!」


「いや、それはそれで怖いよw」ミミが肩をすくめた。

「だが正しい心意気だ」ルークが微笑んだ。

おぬしは静かにまとめる。

「匿名は自由を守るための仕組みだ。だが責任を忘れれば、必ず自分に返ってくる。言葉は刃にも薬にもなる。その選択は常に自分自身だ」


インフォシティの広場に再び笑い声が響き、夜空には星々が輝いていた。


---


――教訓まとめ――


今日は「匿名性と責任」がテーマだったぴこ!


オレ様ぴこたん、掲示板で“匿名ならバレないぴこ!”って調子に乗って筋肉ポストをしまくったら……仮面の影法師アノニマスにしばかれて、心のマッスルまでズタズタになったぴこ。匿名の自由は盾でもあるけど、使い方を間違えれば自分に返ってくる怖い刃だったぴこ……!


でも大丈夫ぴこ!みんなも覚えておくぴこ!


1.匿名でも責任は消えないぴこ!

2.足跡は必ず残るぴこ!通信やログに痕跡は残るぴこ!

3.匿名は“弱者の声を守る盾”。だが悪口や嘘に使えば毒になるぴこ!


これを守れば、アノニマスの仮面の鎖に縛られずに済むぴこ!


ミミ「……でもぴこたん、匿名じゃなくても燃やしてる気がするけどw」

ルーク「誠実さを筋肉と同じくらい鍛えろ」


うぐぐ……今度こそオレ様、大事な言葉も筋肉も、ちゃんとバックアップして守るぴこ!

次回は“バックアップの大切さ”をめぐる冒険ぴこだから、絶対見逃すなぴこ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ