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脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第四章 上級編

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第64話 脆弱ノード連鎖 ――IoT乗っ取り攻撃の全貌


 インフォシティの朝。

 いつもは爽やかな光に包まれる住宅街が、この日は異様な騒音で目を覚ました。


「きゃああ!冷蔵庫が勝手に開く!」

「電子レンジが止まらなーい!!」


 ミミの家では、冷蔵庫が自動で開閉を繰り返し、

 中身が床に散乱していた。電子レンジは暴走し、

 何も入れていないのに「チーン!」と鳴り続けている。


「な、なんなのこれぇ!?

 私、触ってないのに!!」


 一方その頃、ぴこたんの家では自動運転カーが突然動き出していた。


「今日も筋肉ロードワークぴこ!」

 ――と言った次の瞬間。


「ぴえええ!?

 オレ、アクセル踏んでないぴこ!!?」

 車は暴走し、歩道を荒れ狂うように走り抜け、市民が悲鳴を上げて避難する。


---


 広場に逃げ込んだ市民も騒然としていた。


「スマートスピーカーが勝手にしゃべった!」

「玄関の鍵、勝手に開いたぞ!?」

「カメラが……外から操作されてる……!」


 リナが険しい顔で言い放つ。


「これは――IoTハッキング!

 家庭も街も、ネットにつながる“全部”が乗っ取られている!」


 ミミは震える声で問い返した。

「IoTって、便利なやつじゃなかったの……?」


 ルークが剣を構え、深刻な面持ちで答える。

「便利さの裏には、必ず弱点がある。

 無策でつなげば“玄関の鍵を開けたまま寝る”のと同じことだ」


---


 その時、住宅街の上空に巨大な蜘蛛の影が広がった。

 全身が金属の殻で覆われ、無数の脚から光の糸を垂らす魔物――《オートマトン・スパイダー》。


「我が糸は、すべての機械をつなぐ。

 冷蔵庫も車も鍵もカメラも――すべては我が操り糸のまま!」


 光の糸が機器へ突き刺さり、街中の信号が乱れ、

 防犯カメラは逆方向へ視線を向け、市民の生活が丸見えになる。


「便利だからつないだだけなのに!」

「こんな悪用のされ方、知らなかった……!」


 街は完全なパニックに陥った。


---


ルークは即座に状況を分析し、魔物の糸に視線を走らせた。


「見ろ……

 初期パスワードや古い設定のままの機器ほど、深く侵食されている!」


 リナも端末を操作しながら頷く。


「弱点が連鎖して、家まるごと、街まるごと乗っ取られる。

 これがIoTハッキングの恐ろしさよ!」


 その直後、《オートマトン・スパイダー》の糸が暴走車を制御し、

 ぴこたんが乗ったまま広場へ突っ込ませた。


「ぴこおおおお!!止まれないぴこーー!!」


「任せろ!」

 ルークは剣を掲げ、光の軌跡を走らせる。


「《固有鍵封印キー・ロックバインド》!」


 光の鎖が暴走車に絡みつき、

 操っていた“初期設定のアクセス鍵”を断ち切る。


「おおっ!?ハンドル戻ったぴこ!!」

 ぴこたんが車を制御し、間一髪で被害を免れた。


---


 しかしスパイダーの糸は街全域を覆っている。

 冷蔵庫は最大電力で稼働し、エアコンは暴走し、

 電力網が悲鳴を上げていた。


「まずい……インフラが落ちる!」

 リナが叫ぶ。


「筋肉ハウスも危ないぴこ!」

「そんな家建ててないでしょ!」

 仲間たちの掛け合いが緊迫の中で響く。


 リナは両手をかざし、街中の機器へ魔法陣を展開した。


「《更新契約アップデート・パクト》!

 古いままの機器は危険!正規の更新を今すぐ適用する!」


 光が走り、家電が次々と最新状態へ修復されていく。


 ミミも魔力を放ち、街中へ声を響かせた。


「みんな!必要のない機能はオフにして!

 “外部接続を切る”だけでも安全が上がるよ!

 《利用制御宣言アクセス・マニフェスト》!」


 市民たちがスマホで設定を見直し、

 光の糸が次々とはじけ飛んだ。


 ぴこたんは筋肉を盛り上げ、大きく息を吸い込む。


「ここはオレの出番ぴこ!

 《心盾筋壁マインド・シールド》!!」


 巨大な筋肉バリアが暴走機器の突進を受け止める。


「必殺――《痕跡破砕拳トレース・クラッシュ》!!」

 拳が光の糸の束を砕き、スパイダーの脚が折れた。


---


 だが魔物はなおも別経路で侵入しようとしていた。


 そこへ、

 おぬしが天へ向けて手を掲げ、魔力を解き放つ。


 光の地図が空中に展開し、街全体の機器接続が線となって可視化された。


「……見えた。

 監視カメラ経由のルートが本体に直結してる!

 そこを断てば弱体化できる!」


「行くぴこおお!!」


 ぴこたんとルークがほぼ同時に跳び上がり、

 剣と拳を合わせてスパイダーの心臓部を貫いた。


「ぎゃああああああ!!」


 光の糸が切れ、巨大な魔物は霧散した。


---


 街に静けさが戻り、家電や車は正常に戻った。

 市民は安堵の息を漏らし、仲間たちに感謝を告げる。


「これで安心だ……!」

「でも、便利だからって無防備に使ってたのは私たちの落ち度ね……」


 ルークは剣を納め、真剣な表情で言った。

「IoTは便利だが、無策では門を開いたままになる。必ず守りを固めるべきだ」


 リナがうなずく。

「強いパスワード、アップデート、不要機能の無効化。

 基本を守るだけで被害は大きく減らせるわ」


 ミミも力強く言った。

「次からは“つなぐ前に守る”を合言葉にする!」


「ふっふっふ、オレの冷蔵庫は筋肉パスワードぴこ!」

 ぴこたんが胸を張ると、全員が即座にツッコミを入れた。

「「そんな合言葉あるわけないでしょ!」」


---


――教訓まとめ――


今回のテーマは「脆弱なIoTが連鎖的に攻撃される危険性」ぴこ。

便利さのために家電や車、カメラをネットに繋ぐと、それは同時に“攻撃者が侵入口を増やす”ことにもなるぴこ。

弱いノードが一つあるだけで、そこから“家まるごと” “街まるごと”が乗っ取られる――それがIoT時代の怖さぴこね。


みんなも覚えておくぴこ!

1.初期パスワード放置は最悪の弱点。必ず変更して強固にする。

2.アップデートは“防具の修理”。放置すると穴だらけになる。

3.不要な機能・外部接続はオフ。使わない扉は閉じるのが基本。

4.家電と仕事端末のネットワーク分離で、被害の連鎖を断つ。

5.「便利なら安心」ではなく「便利だからこそ守る」が鉄則。


---


ルーク「便利の影には必ず弱点がある。見抜き、塞ぐことが務めだ」

リナ「設定ひとつで防げる被害が多すぎるわ。基本を怠らないこと」

ミミ「つなぐ前に立ち止まって、“守れてる?”って考えてみよう」

ぴこたん「オレの家電は筋肉プロテクトぴこ!」

全員「それは設定じゃない!」


---


次回予告:

水面下で交わされる取引。

見えない層へ沈んだ市場には、法も光も届かない。

価値と危険が渦巻く“もう一つの底”へ、ぴこたん一行は踏み込むぴこ――。


次回、ぴこたんたちは 深層に隠された禁断の流通網 を目撃するぴこ。

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