表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第四章 上級編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/73

第63話 戦禍竜《ウォーアーク・ハイドラ》降臨 ――国家規模のサイバー戦争


 インフォシティの空が、突然真っ赤なオーロラに覆われた。

 夜明け前の薄明かりが赤い帳に染まり、街全体が血のような光に沈む。


「な、なにこれ……不気味ぴこ……」

 ぴこたんは空を見上げ、筋肉が思わず震えた。


 次の瞬間――街じゅうで異変が起き始めた。


「ネットが……つながらない!」

「送金が止まった!?決済がエラーだらけだ!」

「水道が一瞬止まったんだけど!?」


 人々の叫びが連鎖し、騒然とした空気が街を包んだ。


「これは……ただの障害ではない」

 ルークが剣に手を置き、鋭い眼差しで空を睨む。

「複数の国家級組織が同時に仕掛けている……“サイバー戦争”だ」


 ミミの顔が青ざめる。

「サイバー戦争……?」


 リナが静かに頷く。

「攻撃の矢が一つじゃない……“同時多発”で襲ってくるわ」


---


 市民は最初こそ軽く笑っていた。


「またトラブルかよ〜」

「ちょっと止まっただけでしょ」


 だが――次々と“生活の根っこ”が揺らぎ始めた。


 銀行システムの遅延。

 発電所の制御が一瞬ブラックアウト。

 水道局のポンプが誤作動し、茶色い水が流れ出る。

 交通管制が乱れ、信号がフリーズ。


 そしてSNS上には――


「政府が市民を見捨てたらしい!」

「隣国が攻めてくるぞ!!」


 といった 偽情報 が一斉に噴き出した。


「こんなに一度に……!」

 ミミは震えた声で言う。

「どれが本当で、どれが嘘かもわからない……!」


「それこそが国家規模攻撃の狙いだ」

 リナは険しい表情でうなずいた。

「一つを防いでも、別の矢が飛んでくる。

 “多面的攻撃”なのよ」


---


 地鳴りのような唸りが響いた。


 街の中央から、無数の首をもつ巨大な竜が姿を現した。

 その瞳は暗号化された闇のように濁り、首ごとに違う属性の攻撃を放っていた。


「我は戦の化身――《ウォーアーク・ハイドラ》。

 DDoS、インフラ破壊、偽情報、供給網汚染、暗号資産奪取――

 そのすべての首で都市を噛み砕こう!」


 一つの首が吠えると、通信網が巨大なノイズに覆われた。

 別の首は発電所を狙い、第三の首はSNSに虚偽情報をばら撒き、

 第四の首は暗号資産の取引所へ侵入を試みる。


「ネットも水も電気も……全部がやられてるぴこ!」

「どうすればいいの!?」

 市民のパニックが最高潮に達した。


---



「行くぞ!」

 ルークの号令と同時に戦いが始まった。

「――《防衛連携ディフェンス・リンク》!」


 都市システムを束ねるように光の網が張り巡らされ、

 異常がリアルタイムで共有される。


「一人で戦うな!全体で守るのだ!」


「――《供給網防壁サプライチェーン・バリア》!」

 リナの魔法陣が広がり、

 発電所・銀行・水道局など重要インフラに多層認証が追加される。


「供給網を固める!裏口はすべて封鎖よ!」


「――《情報澄明クリア・ソース》!」

 ミミは市民の前に飛び出し、声を張り上げる。


「デマに流されないで!

 公式発表を複数確認して!

 “誰が得をするか”を考えるんだよ!」

 混乱していた市民が徐々に冷静さを取り戻した。


 筋肉を極限まで膨らませ、街を包む巨大な光の壁を展開した。

「《心盾筋壁マインド・シールド》!!

 必殺――《痕跡破砕拳トレース・クラッシュ》ぴこーー!!」


 ハイドラの一つの首を粉砕し、爆風が街を揺らした。


---


 だが、ハイドラはすぐに別の首で反撃した。


 DDoSの首を潰せば、偽情報の首が伸びる。

 暗号資産を守れば、インフラ攻撃が強まる。


「どれか一つを守っても、別が壊される……!」

 ミミが叫んだ。


「だから言っただろう」

 リナが拳を握る。

「一都市だけでは防ぎきれないのよ!」


---


 その時、おぬしが両手を天に掲げた。

「――《国際連携のクロス・ネーション・リンク》!!」


 天から射した無数の光がインフォシティへ降り注ぎ、

 周辺都市・近隣国家・提携ネットワークの防御網が接続された。


「国家規模の攻撃には、国家規模の協力で応えるしかない!」


 その光が支えとなり、仲間たちは一斉に反撃した。


 ルークの連携剣が首を断ち、

 リナが供給網を矯正し、

 ミミが真実を拡散し、

 ぴこたんが渾身の拳で残る首を粉砕していく。


「とどめぴこーー!!」


 最後の一撃が命中し、

 《ウォーアーク・ハイドラ》は断末魔をあげて崩れ落ちた。


---


 街はゆっくりと静けさを取り戻し、インフラも安定していった。


「ふぅ……なんとか守れたね」

 ミミが胸を撫で下ろす。


 だがルークは厳しく言った。

「国家規模の攻撃は、一都市だけでは防げない。

 多層防御と国際協力 がなければ、必ず突破される」


 リナが続ける。

「そして“敵の正体”も簡単にはわからない。

 偽旗作戦、誘導、情報操作――

 真実を見極める目が必要よ」


 ミミは力強く頷いた。

「ニュースは“まず複数見る”。

 これ絶対!」


すると、ぴこたんが胸を張る。


「ふっふっふ!

 オレは筋肉国際連携ぴこ!関税ゼロで輸出ぴこ!」


全員

「「筋肉は外交に使うな!!」」


---


――教訓まとめ――


今回のテーマは

「国家規模の脅威は、一都市・一個人では防げない」 ぴこ。


サイバー戦争は

金融・インフラ・通信・偽情報・供給網……

複数の矢が同時に降り注ぐ総合攻撃。


みんなも覚えておくぴこ!

1.攻撃は多面的。同時多発を前提に備える。

2.連携こそ最大の盾。一都市だけで防ぐのは不可能。

3.偽情報は武器。複数の情報源で確認する習慣が命綱。

4.攻撃元を早合点しない。偽旗作戦は常に潜んでいる。


---


ルーク「巨大な力には巨大な連携で対抗せよ」

リナ「供給網・契約・認証……平時の整備が非常時を救うわ」

ミミ「焦らず、疑わず、確かめる。これが一番大事」

ぴこたん「筋肉は輸出自由ぴこ!FTAぴこ!」

「「筋肉を貿易にするな!!」」


---


次回予告:

街が落ち着いたその時――

忍び寄るのは、いつも使っている“あの身近な道具”。

便利さの裏に潜む小さな穴が、静かに牙をむき始める。


ぴこたん一行は、

身の回りのモノが突然“敵”に変わる世界と対峙するぴこ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ