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脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第四章 上級編

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第57話 乗っ取り被害 ――SNSアカウントを奪われる


 インフォシティの大通りに設置された巨大スクリーンがざわめきに包まれていた。

 そこに映し出されていたのは、街で人気のインフルエンサー《ラナ》のアカウントだった。


 だが――投稿内容はあまりに異様だった。


「今だけ限定!100%儲かる投資話はこちら!」

「友達紹介で報酬ゲット!リンクをクリック!」


 普段は明るく健全な情報を発信していたラナが、

突如として怪しい広告や投資勧誘を連投しているのだ。


 市民たちは戸惑いの声をあげた。

「ラナがこんなこと言うはずない!」

「でもアカウントは本人のだよね……?」


「こ、これは……!」

 ミミが震える声を上げた。

「アカウントが……乗っ取られてる!」


---


 広場の空気が張り詰める中、闇の影が蠢き始めた。

 スクリーンから黒い霧が噴き出し、人型を形作る。


「我は《ハイジャック・ゴースト》」

 その声は冷たく、歪んでいた。

「信用こそ最大の武器……

 本人になりすまし、周囲を欺き、混乱を広げるのだ」


 姿はラナ本人そっくり。

 笑顔を浮かべながら「みんな信じてね」と囁き、

市民の端末に次々と偽メッセージを送りつける。


「えっ、本物にしか見えない!」

「どれが本当のラナなの!?」


 市民の間に混乱が広がっていった。


---


 ルークが剣を抜き、険しい顔で言った。

「乗っ取りは、信用そのものを武器にする。

 被害者はフォロワーだけではなく、

 自分の“信用”そのものを失う危険がある……」


 リナも巻物を開き、重々しく告げる。

「もしアカウントが商売や契約に使われていたら、

 経済的損失も出るわ。

 顧客を失い、信頼を壊す……」


「ひぃぃぃ!

 オレの筋肉アカウントが奪われたらどうするぴこ!?

 “ステロイドで3日でマッチョ”とか変な広告流されたら終わりぴこー!」

 ぴこたんは慌てふためき、顔を真っ青にした。


「落ち着け」

 ルークが鋭く制した。

「大切なのは守りの仕組みだ」


---


 だが《ハイジャック・ゴースト》は笑った。

「守り?甘いな。人々は面倒がって二段階認証を設定しない。

 パスワードを使い回し、フィッシングに引っかかる……。

 私はそうやって入り込むのだ」


 そして、さらに恐ろしい光景が広がる。

 ラナだけでなく、仲間たち――ぴこたん、ミミ、ルーク、リナの“偽アカウント”が

次々と作られていったのだ。


 偽ぴこたん:「今すぐこのプロテインを買えぴこ!」

 偽ミミ:「限定ライブ招待! チケットはこちら!」

 偽ルーク:「究極戦術書、格安販売」

 偽リナ:「投資すれば必ず儲かるわ」


 市民たちは誰が本物か分からなくなり、大混乱に陥る。


---


「止めなきゃ!」

 ミミが声を上げたが、偽の自分が市民に迫る姿に、思わず後ずさりしてしまった。


「大丈夫。対抗策はある」

 ルークが剣を掲げる。

「《二段階守護デュアルガード・バリア》!」


 光の結界が広がり、不正ログインを防ぐ盾が張られた。

 《ハイジャック・ゴースト》の動きが鈍り、市民の端末に届く偽メッセージの一部が遮断される。


 リナは《契約照会コントラクト・リファレンス》を展開し、正規の証明書とアカウント履歴を照らし合わせた。

「本物はこっちよ!

 偽者は契約の痕跡が残っていない!」


 市民たちが徐々に気づき始める。

「そうか……履歴を見ればわかるんだ」

「偽の投稿は急に出てきたものばかりだ!」


---


《ハイジャック・ゴースト》は苛立ち、声を荒らげた。

「まだだ!混乱を広げてみせる!」


 その瞬間、偽アカウントの群れが市民に一斉に偽メッセージを送りつける。

「いますぐ送金しろ!」

「リンクを踏め!」

「信じろ!」


 市民たちは再び動揺する。


 ミミが両手を広げ、必死に呼びかけた。

「みんな!本物と偽物を見分けるのは難しいよ。

 でもね、“公式の連絡先”を確認すればわかる!焦らないで!」


 彼女の《信頼の声》が広がり、市民の心を落ち着かせていく。


---


「決着ぴこ!」

 ぴこたんが拳を握りしめ、全身を筋肉で光らせた。


「本物はこのオレだけぴこー!

 必殺――《痕跡破砕拳トレース・クラッシュ》!!」


 光の拳が偽アカウントをつなぐ鎖を打ち砕き、《ハイジャック・ゴースト》の体を貫いた。


「ぐおおおお……!

 だが人は油断する……また、必ず……」


 断末魔を残し、魔物は霧のように消え去った。


---


 広場に静寂が戻り、ラナのアカウントも本来の持ち主へと戻った。

「よかった……!」

「これでもう安心だ」

 市民たちは安堵の表情を浮かべる。


「やっぱり二段階認証を設定しておけばよかった……」

「パスワードも強くしないと……」

 反省の声があちこちから聞こえてきた。


 ルークは剣を納め、厳しく言った。

「強固なパスワードと二段階認証が基本の盾だ。

 面倒がらず、必ず設定しろ」


 リナも補足した。

「不審なリンクを踏まないことも重要。アプリ連携にも気をつけて」


 リナは続けて言った。

「それから、“パスワードを直接渡さない仕組み”も覚えておいて。

 公式アプリや信頼できる認証窓口だけでログインする”パススルー認証”を使えば、

 怪しいサイトにパスワードを打ち込まずに済むわ」


 おぬしも頷く。

「“本物の窓口だけにパスワードを教える”ってイメージだね。

 それ以外のサイトには、そもそも教えないのが一番の守りだ」


ミミは真剣な眼差しで市民を見回した。

「もし乗っ取られたら、すぐに周りへ知らせて。

 被害が広がる前に止めるのが大切だから」


「ふぅ……オレの筋肉アカウントも最強の守りにするぴこ!」

 ぴこたんが胸を張ると、仲間たちは一斉にツッコんだ。

「最初からやっとけ!」


広場に笑いが戻り、人々は再び安心してSNSを使い始めた。


---


――教訓まとめ――


今回のテーマは 「アカウント乗っ取り」 ぴこ。

SNSは日常そのものになりつつあるけれど、“本人の声”が奪われる被害は今も深刻 ぴこ。

恐ろしいのは、乗っ取られた瞬間ではなく――

偽の自分が勝手に発言し、周囲を騙し、信用を壊していくところ にあるぴこ。


便利さを支えているのは“ログイン”という小さな入り口。

でも、その入り口を守るかどうかで、未来は大きく変わるぴこ。

「面倒だから後回し」にしがちな対策こそ、乗っ取りに最も効く盾なのぴこよ。


みんなも覚えておくぴこ!

1.強力なパスワード+二段階認証は絶対セット(面倒でも次元が変わるレベルで防御力アップ)

2.不審なリンク・添付・アプリ連携は“踏む前に検索”+パススルー認証を使う

3.別ルートで本人確認(電話/別SNS)で真偽を確かめる

4.乗っ取られたら即連絡・即報告・即パスワード変更

5.「自分は大丈夫」こそ最大の隙。油断しない習慣が勝利への筋ぴこ


ルーク「アカウントは“自分の声”。守ることは信用を守ることだ」

リナ「セキュリティ設定は“財産管理”。怠れば損失は計り知れない」

ミミ「困ったら抱え込まず、すぐ周りに知らせてね」

ぴこたん「オレの筋肉アカウント、二段階どころか三段階認証にするぴこ!」

「そんな設定はない!!」


---


次回予告:

商店街に現れた、妙に過激な新店舗《バズ堂》。

怒りと話題を“燃料”にする炎が、インフォシティを包み始める。

ぴこたん一行は、感情を操る“炎上の魔物”の正体に迫る――。

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