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脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第四章 上級編

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第54話 ダークウェブ ――裏社会の入り口


 インフォシティの夜は光にあふれている。

 大通りは広告のホログラムで照らされ、人々の笑い声や取引の呼び込みが絶えない。

 しかし、その足元には光の届かない暗がりがあった。


「ここか……“漆黒の市”へ続く階段」

 ルークが松明を掲げると、石畳の隙間から黒い霧が吹き出した。


「なんか怪しいぴこ!でも隠しダンジョンっぽいぴこね!」

 ぴこたんは目を輝かせ、胸を張って一歩を踏み出す。


「やめなよ!」

 ミミが慌てて腕を掴む。

「ここ、ただの秘密の場所じゃないんでしょ?本当に危ないんじゃ……」


 リナが頷き、冷たい声で言った。

「表の検索では決して出てこない場所。

 匿名化魔法を通して、身元を隠すことで入れる市場――ダークウェブよ」


---


 階段を下りると、そこには異様な光景が広がっていた。

 薄暗い空間に屋台のような店が無数に並び、仮面をつけた商人たちが客を呼び込んでいる。


「閲覧履歴の束、まとめてお買い得!」

「最新ハッキングツール、今なら暗号通貨で即決可能!」

「偽造通貨、取引歓迎!誰にもバレない!」


 客たちは顔を隠し、低い声で交渉していた。

 受け渡されるのは紙の束ではなく、光の結晶――人々のデータや秘密そのものだった。


「……ひどい」

 ミミは唇を震わせた。

「これがネットの裏側……?」


 リナが指をさした。

「ほら、あそこ。

 怪しい医薬品、隣は盗まれたクレジットカード番号のパック。

 どれも“匿名”と“暗号通貨”で取引されてる」


 ぴこたんはきょろきょろと辺りを見回し、ぽつりと言った。

「レア筋肉アイテムは……ないぴこね?」


全員が無言でぴこたんを睨んだ。


---


 突然、漆黒の空間がうねり始めた。

 闇の店々の光が一点に集まり、黒い巨影を形づくる。


「……来るぞ」

 ルークが剣を構える。


 姿を現したのは魔物シャドウ・マーケット

 身体は仮面の商人たちの集合体で、形を変えながら蠢いている。

 腕の中には暗号通貨の光、口からは違法な取引の契約書がこぼれ落ちていた。


「我は闇の市場。欲望を糧に強大化し、法の目をすり抜ける存在だ」


 声が響いた瞬間、周囲の客が吸い込まれるように近づき、違法な品を手に取ろうとする。


「安いなら……」

「バレなければ大丈夫だろう……」


 ミミは慌てて叫んだ。

「だめ!それを買ったら、犯罪に加担することになる!」


 だが人々の目は赤く濁り、理性を失っていた。


---


「止める!」

 ルークが前に飛び出し、《追跡断ち(トレース・カット)》

を発動。匿名性を利用して迫る黒鎖を、光の刃が断ち切る。

 《シャドウ・マーケット》の牙が匿名性を利用して市民を絡め取ろうとするが、

光の剣がそれをはじき返す。


 リナは巻物を広げ、《契約照明コントラクト・ライト》を唱えた。

 すると黒い契約書の裏に、赤い文字が浮かび上がる。

「詐欺」「マネーロンダリング」「違法薬物」――。


「見なさい!この取引がどれだけ危険か!」


 市民たちは一瞬戸惑いの表情を浮かべる。


 その隙を狙い、ミミが両手をかざした。

「《声なき犠牲者の叫び(ヴォイスレス・クライ)》!」


 闇の壁に映し出されたのは、違法市場で被害を受けた人々の姿。

 カード情報を盗まれて生活を破壊された者、偽薬を飲んで倒れた者……。


「……こんなことが裏で……」

 市民たちが震え、手を引っ込め始めた。


---


 《シャドウ・マーケット》は怒り狂い、黒い鎖を伸ばして仲間たちを拘束しようとした。


「させるかぴこー!」

 ぴこたんが飛び出し、《心盾筋壁マインド・シールド》を展開。

 鎖は光の筋肉壁にぶつかり、弾かれた。


「いまだ、ぴこたん!」

 ルークが叫ぶ。


「任せるぴこ!」

 ぴこたんは全身に力を込め、拳を振り下ろす。


「必殺――《痕跡破砕拳トレース・クラッシュ》!!」


 筋肉の衝撃が市場のコアを直撃。

 黒い結晶が砕け散り、違法な取引の映像が霧散した。


 《シャドウ・マーケット》は悲鳴をあげ、煙のように消えていった。


---


 静寂が訪れ、闇市の屋台は次々と消えていった。

 残ったのは、ごくわずかな「健全な匿名利用」だけ。

 図書館の守秘、政治的亡命者の通信、個人を守るための暗号技術……。


 ルークは剣を納め、低く言った。

「匿名性は自由を守る剣にもなる。だが、悪用されれば闇となる」


 リナは頷き、巻物を閉じた。

「市場にはルールと透明性が必要。でなければ腐敗する」


 ミミは深呼吸して、笑みを見せた。

「怖かった……でも、知っておかないと危ない世界だね」


「……結局、レア筋肉アイテムはなかったぴこ」

 ぴこたんがぼそりと言うと、仲間たちは一斉にツッコんだ。

「そこじゃない!」


---


――教訓まとめ――


今回のテーマは 「ダークウェブ(匿名性と闇市場)」 ぴこ。

ネットは広いけれど、その一部には 検索しても出てこない“裏側” が存在するぴこ。

匿名性・暗号化は本来、個人を守るための大事な技術ぴこ。でも、

自由を守る盾は、悪用されれば“犯罪の隠れ蓑”にもなる――ここが本質ぴこ。


みんなも覚えておくぴこ!

1.ダークウェブは裏社会の入口。軽い興味で触れてはいけない

2.匿名技術・暗号通貨は善悪どちらにも使われる“両刃の剣”

3.「安い」「誰にもバレない」は危険な罠。利用した時点で加担者になりうる

4.技術の仕組みとリスクを理解し、自分の“線引き”を持つ

5.自由のための匿名性と、悪のための匿名性は違う――見極めが大切


ルーク「匿名性は刃。正しく鍛えねば闇を呼ぶ」

リナ「市場は光を当てなければ腐敗する。透明性が鍵よ」

ミミ「怖い世界だけど、知らない方がもっと危険」

ぴこたん「レア筋肉アイテムが無い世界に用はないぴこ!」

「その結論は違う!!」


---


次回予告:

深夜のインフォシティに“声なき医療広告”が忍び寄る。

救いを求める心につけ入り、偽の治療と不安が人々を包む――。

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