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脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第三章 社会編

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第50話 ネットと医療情報 ――命を左右するクリック


 インフォシティの夜、中央広場。

 巨大ホログラムが浮かび上がり、眩しい笑顔の人気インフルエンサーが声を張り上げた。


「たった一粒で、−10kg!

 奇跡のダイエットサプリ《スリムシャイン》!」


 群衆が一斉にざわめく。

「え、ほんと?」「これなら楽に痩せられる!」


 ミミの目がキラリと光った。

「わ、わたし……ちょっと試してみたいかも……」

 スマホ型の魔導端末を取り出し、指が購入ボタンにかかる。


「おおっ!?

 筋肉を減らさず痩せる!?それはオレも気になるぴこ!」

 ぴこたんが筋肉を誇示してポーズを決めるが、周囲からは完全にネタ扱いだった。


 インフルエンサーは得意げにウエストをひねり、

画面には「体験談」「成功レビュー」が次々と流れる。

「飲むだけで5kg減!」「短期間でスリム体型!」


 ミミは真剣な顔で見入っていた。

「やっぱり……私も痩せたいし、きれいになりたいし……」


 リナが冷静にスクリーンを見つめる。

「レビューの文章、全部同じ構文。しかも投稿時間がほぼ同じよ」


ルークも険しい表情で頷いた。

「承認番号も見当たらない。正式な医療機関の記載もない。

 これは“認可外の魔導サプリ”の可能性が高い」


 だがミミは首を振った。

「でも……成功した人がこんなにいるんだよ?」


 空気が揺れ、白衣をまとった影が現れた。

 冷たい笑みを浮かべた男――《メディカ・マルウェブ》。


「私は医療の権威。最新研究に基づいた絶対の成果を保証する!」


 彼は分厚い論文風の巻物を掲げる。

 グラフ、数字、難解な専門用語がずらりと並ぶ。


「ほら、これを見れば誰でも納得するだろう?」


 ミミは息を呑んだ。

「すごい……やっぱり本物かも……」


「いや、出典がない!」ルークが剣を構える。

「雑誌名も研究機関名も記されていない――

 “信頼”を装った、空っぽの数値だ!」


 周囲の市民が次々と購入に走る。

「早く買わないと売り切れる!」

「これで一生スリムだ!」


 ミミの手が震える。

「みんな買ってる……私も買わなきゃ……」


 ぴこたんが前に立ちふさがる。

「ミミ!

 オレの筋肉は努力の証ぴこ!

 一晩でつくもんじゃないぴこ!」

「そんな説得、逆効果だよ!」

 ミミが真顔でツッコんだ。


 ルークは《検証のファクトライト》を発動。

 論文の中身が光に包まれ、AI生成の疑似文章が次々と暴かれる。

「やはり――根拠ゼロのデータだ!」


 リナが《契約照会コントラクト・リファレンス》を展開する。

「“無料お試し”と書いてあるけど、実際は定期購入。

 解約は電話のみ、しかも番号が繋がらないよう設定されてるわ」


 同時に、ミミの端末に赤い警告が浮かんだ。

《口コミ照明》が偽レビューを暴き、同一文章や加工写真がずらりと並ぶ。


「……全部、偽物……?」

 ミミの瞳が揺れた。


 怒りに満ちたメディカ・マルウェブが咆哮する。

「愚かな消費者ども!

 “信じたい”心こそ最高のマーケティングデータだ!」


 彼の背後から、幻影広告が次々と噴き出した。

「食べても太らない!一晩で5kg減!副作用なし!」


 群衆が再び吸い寄せられる。

 ぴこたんは前に立ち、拳を握りしめた。


「ミミ、後ろに!」

「オレの筋肉で守るぴこ!

 《心盾筋壁マインド・シールド》!」


 光の筋肉壁が広場を包み込み、幻影の波を跳ね返す。


「今だ、ぴこたん!」

 ルークとリナが力を合わせ、ぴこたんの拳に魔力を注ぐ。


「必殺――《痕跡破砕拳トレース・クラッシュ》ッ!」

 拳が広告のコアを直撃し、偽エビデンスは粉々に砕け散った。


 光が収まり、広場は静寂に包まれた。


「なんで……こんなのを信じたんだろう……」

「危なかった……」


 ミミは深く息を吐き、頭を下げた。

「焦ってたんだ。

 痩せたい気持ちにつけ込まれて……

 本当に危なかった」


 ルークが落ち着いた声で諭す。

「健康情報は命に関わる。

 一次情報を確かめるまでは信じるな」


 リナも続ける。

「“奇跡”を名乗るサプリに奇跡はないわ。

 迷ったときは、専門家か公式機関へ相談するのよ」


 ぴこたんが胸を張る。

「筋肉には“近道”という名の遠回りしかないぴこ……!」

「名言っぽいのに意味が薄い!」

 全員のツッコミが夜空に響き、笑いが戻った。


――教訓まとめ――


今回のテーマは「ネットと医療情報――命を左右するクリック」ぴこ。

“簡単・早く・確実”って言葉ほど、危ない魔法はないぴこ。

その裏には、偽レビュー・AI生成文・誇大広告――多くの罠が潜んでいるぴこ。


焦る心は誰にでもある。

でも、クリックする前に一呼吸。

その一瞬の冷静さが、命を守る筋ぴこ。


覚えておくぴこ!

1.「飲むだけ」「一晩で痩せる」は警戒信号ぴこ。

2.承認番号・出典・機関名の確認を!なければスルーぴこ。

3.口コミは複数ソースで照合。AI文やコピペを疑うぴこ。

4.“無料お試し”の裏に定期罠あり。契約条件は要チェックぴこ。

5.命と健康は専門家と公的機関へ。SNSより医師を信じるぴこ!


ルーク「健康とは剣。手入れを怠れば折れる」

リナ「正しい情報は最高の薬。嘘は毒よ」

ミミ「焦らず一呼吸、それだけで守れる未来がある」

ぴこたん「オレの筋肉は副作用ゼロぴこ!」

「それはただの鍛錬だから!!」


次回予告


教育の現場にまで広がる情報の波――。

次なる試練は、“次世代のネットリテラシー”ぴこ。

※修正部分:リナの技名を他と合わせましたぴこ。

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