表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第一章 基礎編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/73

第5話 裏口からの侵入者 ――影鍵術との死闘

インフォシティの朝。

街を包むホログラム広告の光はまばゆく、冒険者たちの掛け声が活気を生んでいた。

宿屋の一室では、脳筋戦士ぴこたんがひとり、得意げに水晶板を叩いている。


「ふっふっふ……オレのアカウントたちよ、見よ!ついに“muscle123”を封印して、新しい最強のパスワードに変えたぴこ!」


おぬしが顔を出す。

「ほぉ、ようやく懲りたか」

「うむ!見ろ、この複雑さ!大文字小文字に数字、記号まであるぴこ!誰も破れんぴこ!」


ぴこたんは胸を張り、筋肉を盛り上げながらドヤ顔を決めた。

「これでオレは完全無敵ぴこ!クラッカーズ団も手も足も出まい!」


……だがその頃、インフォシティの地下水路。


闇に潜む盗賊団「クラッカーズ」が密談を交わしていた。

狐の仮面を被ったリーダーが、不気味に笑う。


狐の仮面のリーダーが、不気味に笑った。

「ぴこたんめ、確かに表の鍵は強化したようだな。だが――我らが前に忍び込んだ時、すでに“影の裏口”は仕込んである」


フードを深く被った幹部が一歩前に出て、鎖を揺らす。

「発動――《影鍵術バックドア》」


暗闇に黒い門が浮かび上がる。

それは前回の侵入時に刻みつけた“見えざる抜け穴”。

表の鍵がいかに堅牢でも、この裏口を通れば内部へ容易く踏み込めるのだ。


「これぞ二段階攻撃の極意。奴に二つ目の試練を与えてやろう」

「ヒヒヒ……ぴこたんのアカウントは再び我らのものだ!」


盗賊たちの笑いが、地下にこだました。


---


翌日、広場の掲示板がざわついた。


「おい、またぴこたんのアカウントが荒らされてるぞ!」

「今度は“筋肉を倍増させる呪文薬”の広告をばら撒いてる!」


「な、なにぃぃ!?」


ぴこたんが慌てて《ツイッ塔》を開くと、そこには勝手に投稿された怪しい広告の数々。

さらにギルド口座の残高も減り始めていた。


「う、うそぴこ!?オレ、ちゃんと強力なパスワードに変えたのにぃぃぃ!?」


おぬしが険しい顔で言った。

「これは……ただのパスワード破りじゃない。奴ら、裏口から侵入してるんだ!」


その瞬間――


広場の空気が揺らぎ、黒い門が空に浮かび上がった。

門の中から姿を現したのは、クラッカーズ団の幹部。

鎖を巻いた両手から黒い光を垂らし、不気味な笑みを浮かべる。


「愚かな戦士よ。新しい鍵ごときで我らを防げると思ったか?

 これが裏口の魔術――《影鍵術バックドア》!」


門の奥から伸びた影の鎖が、水晶板の画面へと絡みつく。

アカウントが次々と黒い霧に覆われ、ぴこたんのデータが抜き取られていく。


「ぎゃああああ!!オレのマッスル写真が吸われてるぴこぉぉぉ!!」


---


ルークが剣を抜いて叫んだ。

「ぴこたん!パスワードは確かに強くした!だが――それだけでは守り切れぬ!」

「ど、どういうことぴこ!?」


「表の鍵が破られなくても、影の裏口を作られてしまえば同じだ!

 だからこそ必要なのは――二段階認証!もうひとつの守りだ!」


ミミがひらひらと飛び回り、皮肉げに笑う。

「つまり、玄関の鍵に加えて声紋チェックとか、宝箱の鍵+指紋認証みたいなもんよw」


おぬしが真剣に告げる。

「そして重要なのは、“本物の認証コード”を見極めることだ。

 自分が操作していないのに届いたコードは、全て偽物なんだ!」


「な、なるほどぴこ……!」


---


だがクラッカーズ幹部は余裕の笑みを崩さない。

「認証コードが本物か偽物か……見抜けるかな?」


幹部の手のひらから光の札が飛び出し、ぴこたんの水晶板に偽の通知が表示された。

『あなたのアカウントでログインがありました。認証コード:666999』


「おぉ!?コードが届いたぴこ!これを入力すればいいぴこか!?」


「違う!それは奴らが仕掛けた偽物だ!」ルークが叫ぶ。

「本物の二段階認証は、お前がログインした時だけ届くんだ!」おぬしも続ける。


「そ、そうだったぴこ!じゃあこれはニセモノぴこ!」


ぴこたんの手が止まる。

目に一瞬の迷いが走ったが――次の瞬間、表情は決意に変わった。


「オレはもう騙されないぴこ!必殺――《二重の守護壁ダブルシールド》!!」


---


ぴこたんの剣からまばゆい光が迸る。

光は盾の形を取り、さらにもうひとつ重なり合って二重の壁となった。


「ば、馬鹿な!?二重の壁だと……!?」


幹部が放った影の鎖は、最初の壁を突き破ろうとしたが、二枚目の光の盾に阻まれた。

火花が散り、鎖は煙となって消え去っていく。


「これが……二段階認証ぴこ!一度突破されても、二つ目の壁で守るぴこおお!」


幹部の顔が歪む。

「ぐぬぬ……だが、クラッカーズ団はこれしきで終わらぬぞ!次こそ貴様を堕とす!」


黒い門が閉じ、幹部は闇に消えた。


---


静けさが戻った広場。


ぴこたんは大きく胸を張り、拳を突き上げた。

「ふふん!二段階認証で完全勝利ぴこ!もうオレは無敵ぴこ!」


ミミが笑いをこらえきれずに言った。

「ホントにぃ〜?また変な通知が来たら信じそうだけどw」


ルークは剣を収め、真剣な表情で告げる。

「覚えておけ。強固な守りは、一つではなく二つあってこそ。

 パスワードは剣。二段階認証は盾。その両方が揃って、真の防御となる」


おぬしもうなずく。

「守りを固めることは勇気だ。敵の罠に惑わされず、本物を見抜く力を持て」


ぴこたんはしばし感慨深げに頷き……そしていつものドヤ顔に戻った。

「よし!これでもう安心ぴこ!オレのマッスルアカウントは鉄壁ぴこおお!」


――その足元に、またひとつの巻物が落ちてきた。


『今だけ限定!無料でマッスル強化アプリ配布中!こちらをインストール!』


「おぉ!?タダでマッスルが強化できるぴこ!?……って、危ないぴこ!?ぴ、ぴこぉぉ!!」

「学んでないーーー!!!」


広場に笑いとツッコミがこだまし、第5話は幕を閉じた。


---


――教訓まとめ――


今日は「二段階認証」がテーマだったぴこ!


オレ様ぴこたん、せっかく“muscle123”を封印して最強パスワードにしたのに、クラッカーズ団に裏口バックドアから侵入されて大ピンチぴこ……。でも仲間のおかげで、二重の守り“二段階認証”の大切さを学んだぴこ!


みんなも覚えておくぴこ!


1.パスワードだけでは不十分。二段階認証で二重の守りを作るぴこ!

2.認証コードは“自分が操作した時に届くもの”以外は全部ニセモノぴこ!

3.強いパスワード+二段階認証=真の防御!


これさえ守れば、影の裏口を仕掛けるクラッカーズ団も撃退できるぴこ!


ミミ「……でもぴこたん、怪しい通知来たらまたポチりそうだけどw」

ルーク「心を鍛えろ。マッスルだけでは守れぬ」


オレはもう鉄壁ぴこ!……たぶん……いや、きっと……?

ミミ「その顔が一番怪しいw」


次回は“ウイルス添付メール”の艶魔マルウェリナとの戦いが待ってるぴこから、絶対見てほしいぴこ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ