表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脳筋戦士ぴこたん、今日もネットの罠に釣られる! 〜やらかすたびに強くなるリテラシー勇者冒険譚〜  作者: ぴこたん
第二章 実践編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/73

第31話 偽サポート詐欺 ――遠隔の魔手


 インフォシティの商店街は、今日も眩い光で満ちていた。

 商人たちの声、冒険者の足音、そして新しい商品の呼び込みが絶え間なく響く。


 そんな喧騒の中、ひときわ奇妙な看板が目に入った。

「警告!あなたの端末は危険にさらされています!」

 真っ赤な文字が光り、周囲の冒険者たちが足を止める。


「おぬしぃ!み、見ろぴこ!

 オレの端末にも突然この画面が……」

 ぴこたんが慌てて端末を掲げると、同じ警告が表示されていた。

「“サポートに連絡してください”って書いてあるぴこ!

 早く電話しないとやばいぴこ!」


「落ち着け、ぴこたん!」

 おぬしが制止しようとしたが、その瞬間――。


「安心してください。私が助けます」


 柔らかな女性の声が、まるで天から降り注ぐように響いた。

 端末の画面に、美しい女性の姿が映し出される。

 微笑みを浮かべ、優しい口調で続ける。


「私はサポート担当のセレナです。

 無料で端末を修復しますから、安心して任せてください」


「おおおっ!?天の声ぴこ!?

 美しいし、優しそうだし、これは絶対信じられるぴこ!」

 ぴこたんは目を輝かせ、今にも連絡ボタンを押しそうになる。


---


「待て!」

 鋭い声を放ったのはルークだった。

 剣の柄に手を添え、険しい目で画面をにらむ。

「正規のサポートが、こんな一方的な連絡をするものか?」


 ミミも腕を組んで呆れたように言った。

「それに“リモートで端末を操作させろ”って書いてあるよ。

 普通、そんなこと言わないって!」


 おぬしは眉をひそめ、端末を解析する魔法陣を展開する。

「……なるほど。《正規紋章》が存在しないな。

 これは“偽サポート”。信用を装って、端末を乗っ取ろうとしている」


「なっ……そんな……」

 ぴこたんは一瞬ためらったが、再び画面の女性に見入ってしまう。

「でも……この人、優しそうぴこ……」


---


 その時、画面の女性が微笑を歪めた。

「ククク……やはり愚か者は甘い言葉に弱い」


 声が低く濁り、画面が黒い霧に包まれる。

 そこから伸び出したのは、無数のケーブルをまとった巨大な手。

 指先は鋭く、幾千もの端末へと触手のように伸びていく。


「私は《遠隔魔手リモートハンズ》!

 信じた者の端末を操作し、情報も財産もすべて奪う!」


「で、出たぴこおおおお!」

 ぴこたんは端末を振り回すが、画面の中で勝手にアプリが起動し始めていた。

「うわあああ!

 オレの金庫データが勝手に開かれてるぴこおお!」


---


「ぴこたんを離せ!」

 ルークが剣を振り下ろしたが、リモートハンズの指先は霧のように揺らぎ、刃をすり抜ける。


「物理攻撃は効かないよ!」ミミが叫ぶ。

「だって“遠隔”だから!

 現実のこっちに体がないんだ!」


「……ならば」

 おぬしは魔法陣を切り替え、光の壁を展開した。

「――《通信遮断ファイアウォール》!」


 黒い手に絡みついていたケーブルが一瞬停止し、端末の動きが止まる。

「今のうちに!これで完全に切断できるはずだ!」


---


「ぴこたん!聞いて!」

 そこに現れたのはリナだった。

 商会の制服を翻し、帳簿を抱えて駆け寄る。


「正規のサポートは、必ず公式の連絡先から来るの!

 見知らぬ番号やリンクを信用してはダメ!」


「リナ……!」


「“親切そうな声”ほど疑うこと!

 あなたが自分で公式サイトを調べて、正しい窓口を探すのよ!」


 ぴこたんの目に、迷いが浮かんだ。

 そして――握りしめた拳に力を込めた。


「そうか……!

 オレは……騙されてたぴこ!

 だからこそ、ここで断ち切るぴこ!」


 筋肉が光を帯び、炎のような気迫をまとっていく。


「必殺――《直通拒絶ダイレクト・カット》ぴこぉぉぉぉ!!!」


 渾身の拳が端末に重ねられ、その光が回線を貫いた。

 リモートハンズの指が次々と断ち切られ、霧の体が悲鳴をあげる。


「ぐわあああ!なぜ切れる!?私は遠隔だぞぉぉ!」


「遠隔でも、切断すれば届かないぴこ!

 筋肉の回線拒絶力をなめるなぴこぉぉぉ!!!」


 最後の一撃で黒い霧が完全に断たれ、リモートハンズは光の破片となって散った。


---


 市場に静けさが戻る。

 周囲の人々は、自分の端末を見て安堵のため息をついた。


「危うく全財産を取られるところだった……」

「声が優しいから信じそうになったよ……」


 リナはきっぱりと告げる。

「いい?

 本物のサポートは、あなたを突然脅かしたり、

 勝手に連絡してきたりしないの。

 必ず自分で公式の番号やサイトを確認すること!」


 ミミも真剣に頷いた。

「リモート操作アプリを入れさせる手口はほんと危険だからね。

 下手すれば一瞬で全部持ってかれるよ」


 ルークは剣を収め、低く言った。

「信頼は証明から。姿なき声に心を許すな」


「うむ!」ぴこたんは胸を張った。

「オレはもう遠隔操作なんかされないぴこ!

 ……でも、筋トレはリモートでやってほしいぴこ!」


「それは無理」


 総ツッコミが飛び、街に笑い声が響いた。


---


――教訓まとめ――


今回は「偽サポート詐欺」がテーマだったぴこ!

優しい声、丁寧な言葉、そして“あなたを助けます”――その裏に潜むのは、情報を奪う黒い手だったぴこね。

親切そうに見えても、“突然の警告”や“リモート操作の要求”には要注意ぴこ!


みんなも覚えておくぴこ!

1.突然の警告画面や電話は疑え!本物のサポートは勝手に連絡してこないぴこ。

2.公式サイト・正規番号を自分で確認!リンクや表示を鵜呑みにしないぴこ。

3.リモート操作を求められたら即遮断!《直通拒絶》ぴこ発動ぴこ!

4.優しさの仮面に油断しない!本当のサポートは“脅さず”“焦らせない”ぴこ。

5.困ったら一度深呼吸。焦りは詐欺の最大の味方ぴこ。


リナ「本物のサポートは“あなたの冷静さ”を奪わないの」

ミミ「優しい声でも、クリックさせる時点で怪しいからね」

ルーク「声なき刃に注意せよ。信頼は確かめてこそ光る」

ぴこたん「オレはもうだまされないぴこ!でもマッスルサポートなら歓迎ぴこぉぉ!」


---


次回予告:

そのレビュー、誰が書いた?

声なき“遠隔操作”が終わったと思いきや、今度は“見えぬ声”が心を操る――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ